ダブルスーツ(ダブルブレストスーツ)は、シングルスーツと比べて着こなしの理解度が如実に表れるアイテムです。
とくにボタンの留め方は、印象・品格・完成度を大きく左右します。
誤った留め方をしてしまうと、
- 不自然に見える
- 古臭い、あるいは野暮ったい印象になる
- 本来の威厳やエレガンスが損なわれる
といった結果になりがちです。
本記事では、クラシックな正統ルールを軸にしつつ、現代の実用シーンにも配慮した形で、ダブルスーツのボタンマナーを体系的に解説します。
ダブルスーツの前提構造を理解する
まず押さえておきたいのは、ダブルスーツの構造的な特徴です。
- 前身頃が深く重なる設計
- ボタン数が多い(4ボタン、6ボタンが主流)
- 視覚的に重心が低く、威厳が出やすい
- 前を留めた状態でシルエットが完成する
この構造上、シングルスーツと同じ感覚で着用することはできません。
ボタンの留め方は好みではなく、服の設計思想に基づくルールだと理解することが重要です。
基本原則|「留めて着る」が基準
クラシックなビジネスやフォーマルの文脈において、ダブルスーツの基本は以下の通りです。
- 立っているときはボタンを留める
- 座るときはボタンを外す
- 改まった場では前を開けたままにしない
ダブルスーツは、留めてこそ成立する服としてデザインされています。
近年ではカジュアル寄りの着こなしも見られますが、正統性や品格が求められる場では、留める着方が基本と考えるのが無難です。
ボタン配置別|正しい留め方
6ボタン2つ掛け(6×2)
現在最も一般的なダブルスーツの仕様です。
- 見た目は6ボタン
- 実際に留めるのは中央の2つのみ
上段は装飾、下段はシルエットを崩すため留めません。
この留め方は、ビジネス・式典・フォーマルまで幅広く対応できる最も正統派の着方です。
6ボタン1つ掛け
中央の上側のみを留める着方です。
- Vゾーンが深くなり軽快
- ウエストラインが強調される
- モダンで色気のある印象
一方で、ややカジュアル寄りになるため、保守的なビジネスや格式の高い場では控えた方がよいとされます。
4ボタンダブル
- 上段のみを留めるのが基本
- 端正でクラシックな印象
- 英国調の落ち着いた雰囲気
年齢層が高めの場や、伝統的なドレスコードと相性の良い仕様です。
すべてのボタンを留めるのは避ける
一般的なダブルスーツにおいて、すべてのボタンを留める着方は推奨されません。
理由は以下の通りです。
- 動きにくく不自然になる
- 腹部に無理なテンションがかかる
- クラシックの文脈では理解不足に見える
軍服由来などの特殊なデザインを除き、通常のビジネスやフォーマル用途では避けるのが無難です。
座るときのマナー
座る際の扱いはシングルスーツと共通です。
- 座る前にボタンを外す
- 立ち上がったら必ず留め直す
これを怠ると、背中の浮きや深いシワが定着し、型崩れを早める原因になります。
ベスト(ジレ)を合わせる場合
ダブルスーツにベストを合わせる場合でも、ベストの最下段ボタンは外すのが基本です。
- ジャケットはダブルのルールに従う
- ベストはアンボタンマナーを守る
重厚感が増す分、サイズ感や全体のバランスには注意が必要です。
シーン別・留め方の指針
ビジネスシーン
- 6ボタン2つ掛け
- 立っている間は留める
- 無地や濃色が無難
フォーマルな場
- 正統派の留め方を厳守
- 留めた状態を基本とする
カジュアル寄りの装い
- 1つ掛けも選択肢
- ただしTPOと周囲の服装レベルに配慮する
まとめ|ダブルスーツは留め方で評価が決まる
ダブルスーツは、ボタンの留め方そのものが着こなしの完成度を示す服です。
重要なのは、
ダブルスーツは、立っているときに正しく留めてこそ本来の美しさが引き立つ
という考え方です。
ルールを理解したうえで崩すのと、知らずに誤った着方をするのとでは、相手に与える印象は大きく異なります。
以上、ダブルスーツのボタンの留め方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
