ダブルスーツは、数あるスーツスタイルの中でも格式・重厚感・信頼感を強く印象づける装いです。
その反面、シングルスーツとは異なる独自のルールが多く、理解が不十分なまま着用すると、場にそぐわない印象を与えてしまうことがあります。
本記事では、ダブルスーツのマナーについて、誤解されやすい点を正確に整理しつつ、現代の日本において実用的な基準を軸に解説します。
ダブルスーツとは何か
ダブルスーツとは、前身頃が深く重なり、ボタンが左右2列に配置されたジャケットを持つスーツを指します。
英国のクラシックスタイルを源流とし、シングルスーツに比べてフォーマル度が高いのが特徴です。
そのため、ダブルスーツは次のような印象を与えます。
- 落ち着きと威厳がある
- 体のラインが立体的に見える
- 信頼感や説得力を演出しやすい
管理職や責任ある立場のビジネスパーソン、あるいは改まった場面に適したスーツといえます。
ダブルスーツの基本マナー①|ボタンの扱い
立っているとき
ダブルスーツは、立っているときはボタンを留めるのが原則です。
前合わせが深いため、ボタンを外したままだとシルエットが崩れ、だらしない印象になりやすくなります。
座るとき
座る際は、外側の主ボタンを外すのが一般的です。
これは動作を楽にし、生地への負担を防ぐための配慮です。
「○B○」表記の正しい理解
6B2、6B1、4B1といった表記は、留めることを想定して作られているボタンの数を示しています。
実際に留めるのは、
- 外側の主ボタン(見えるボタン)
- 内側の補助ボタン(見えないボタン)
の2点です。
表に見えるボタンをすべて留めるのは誤りで、デザイン上指定された主ボタンのみを留めるのが正しいマナーです。
ダブルスーツの基本マナー②|ラペル(襟)の考え方
ダブルスーツでは、ピークドラペルが伝統的かつ王道の仕様とされています。
ピークドラペルは、ダブルスーツ特有の重厚感や格式をより強調します。
一方で、ノッチドラペルのダブルスーツも存在し、現代のビジネスシーンにおいてはマナー違反ではありません。
- ピークドラペル:クラシックで格調高い印象
- ノッチドラペル:控えめで現代的な印象
職場や着用シーンの雰囲気に合わせて選ぶことが重要です。
ダブルスーツの基本マナー③|シャツとネクタイ
シャツ選び
- 白無地、淡いサックスブルーが基本
- ワイドカラー、セミワイドカラーが好相性
- ボタンダウンはややカジュアル寄り
ネクタイ選び
- 無地、レジメンタル、小紋柄が定番
- 適度な厚みのあるシルク素材が理想
- ニットタイは場を選ぶ
ダブルスーツは胸元の存在感が強いため、色柄は控えめにまとめ、全体のバランスを優先するのがポイントです。
ダブルスーツの基本マナー④|パンツと裾の扱い
プリーツ
- ワンプリーツ:クラシックでダブルと相性が良い
- ノープリーツ:現代的で問題なし
裾の仕上げ
- シングル裾:最もフォーマル
- ダブル裾(ターンナップ):ややカジュアル寄り
日本のビジネスシーンでは、落ち着いた色柄であればダブル裾でも許容されるケースが多いのが実情です。
TPO別|ダブルスーツの着用マナー
ビジネスシーン
- ネイビー、チャコールグレー
- 無地または控えめな柄
- 強い光沢のある生地は避ける
信頼感や説得力を求められる場に適しています。
フォーマル・式典
- 濃色無地のスーツ
- 白シャツとシルクタイ
- シンプルなポケットチーフ
シングルスーツより格上の印象を与えます。
カジュアル寄りの場
- フランネル、ツイード、リネンなど素材で調整
- ノータイも可能だが、サイズ感が重要
きちんと感を保った大人の装いが求められます。
よくあるNG例
- 立ったままボタンを外して着用する
- 留めるべきでないボタンまで全て留める
- サイズが合わず、全体が野暮ったく見える
- 派手すぎる色柄や過度な光沢素材
- TPOを無視した過度な着崩し
ダブルスーツで最も重要なポイント
ダブルスーツの着こなしで最も重要なのは、流行ではなく「構造とマナーの理解」です。
- 正しいボタンの扱い
- シーンに合ったデザイン選択
- 何よりも体に合ったサイズ感
これらを押さえることで、ダブルスーツは自然に品格と説得力を演出できる装いになります。
以上、ダブルスーツのマナーについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
