白いワイシャツを漂白したら、なぜかピンク色になってしまった。
この現象は一見不思議ですが、実は化学的な反応によって起こる「よくあるトラブル」です。
この記事では、ピンク変色の原因とその正しい対処法、さらに再発を防ぐための注意点を詳しく解説します。
なぜワイシャツがピンク色に変わるのか?
主な原因は「鉄分(サビ)」との化学反応
もっとも多い原因は、塩素系漂白剤と鉄分が反応して発色することです。
水道水・洗濯槽・漂白容器・金属ボタンなどに含まれる微量の鉄が、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)と反応し、赤〜ピンク色の鉄化合物として繊維に付着してしまいます。
染料や柔軟剤成分の酸化変色
もう一つの原因は、生地に残った染料や柔軟剤成分が酸化されて変質するケースです。
特に淡いブルーやグレー系のワイシャツは、化学反応の影響でピンク〜オレンジ系に変わりやすい傾向があります。
ピンクに変色したときの正しい対処法
STEP ①:すぐにすすぎ、塩素を完全に落とす
まずは漂白を中止してすぐに流水ですすぎ、塩素成分を残さないようにします。
漂白剤が繊維に残ると、酸化反応が進んで変色が悪化するおそれがあります。
この段階でできるだけ早く行動することが、修復成功のカギです。
STEP ②:酸素系漂白剤で再処理する
塩素系漂白後の変色は、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムなど)を使うことで軽減できる場合があります。
酸素の力で再洗浄し、繊維に残った汚れや一部の金属成分を除去する効果が期待できます。
手順
- 40〜50℃のぬるま湯を用意する
- 粉末タイプの酸素系漂白剤を規定量溶かす
- ピンクに変色した部分を30〜60分ほど浸ける
- その後、よくすすいで通常どおり洗濯する
※ 酸素系漂白剤は繊維への負担が少なく、色柄シャツにも比較的安全です。
ただし、鉄サビ由来の変色を完全に除去できるとは限りません。
STEP ③:クエン酸または酢で中和する
ピンク色が残る場合は、弱酸での中和処理を試しましょう。
クエン酸や酢には鉄分を溶かす性質があり、サビによる変色を軽減できることがあります。
■手順
- 水1Lに対してクエン酸小さじ1(または酢小さじ2)を溶かす
- 変色部分を10分ほど浸ける
- よくすすぎ、通常通り乾燥させる
注意:塩素系漂白剤が残っている状態で酸性の液体を加えると、有害ガスが発生します。
必ず「十分にすすいで塩素を完全に落とした後」に行いましょう。
STEP ④:衣類用サビ取り剤や鉄分除去剤を使う
市販されている衣類用サビ取り剤・鉄分除去剤を利用するのも有効です。
酸素系漂白剤やキレート剤を配合したタイプを選ぶと、金属汚れに効果が期待できます。
「黄ばみ・くすみ除去」などの記載がある製品が目安です。
それでも落ちない場合は、クリーニング店に相談して専門的な薬剤処理を依頼するのが確実です。
再発を防ぐための予防策
- 金属製容器を使わない
漂白時は必ずプラスチックやガラス容器を使用しましょう。 - 洗濯槽を定期的に掃除する
サビやカビが残っていると、次の洗濯時に再び鉄分が溶け出します。 - 漂白剤の混用は厳禁
塩素系と酸素系を混ぜると、有害ガスや変色が発生する危険があります。 - 金属ボタン・ファスナー付き衣類は短時間で処理
サビやメッキの劣化部分から鉄が溶け出すことがあるため、長時間の浸け置きは避けましょう。
まとめ
| 状況 | 有効な対処法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 鉄分やサビが原因 | 酸素系漂白剤・クエン酸処理・サビ取り剤 | 塩素成分を残さない |
| 染料酸化が原因 | 酸素系漂白剤で再洗浄 | 劇的な改善は難しい場合も |
| 再発防止 | 塩素系漂白剤の使用を控える | 洗濯槽と容器を清潔に保つ |
最後に
ワイシャツのピンク変色は、ほとんどが塩素系漂白剤と金属イオンの反応によって起こります。
変色に気づいたらできるだけ早く対処し、酸素系漂白剤やクエン酸を活用することで、多くのケースで元の白さを取り戻すことが可能です。
今後は「塩素系漂白剤を避け、酸素系をメインに使う」ことで、繊維にも優しく、美しい白さを長く保つことができます。
以上、ワイシャツを漂白してピンクになった時の対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
