MENU

ワイシャツに付いたボールペンの染みは漂白剤で取れるのか

ワイシャツにボールペンの線がついてしまうと、まず「漂白剤で落ちるの?」という疑問が浮かびますよね。

結論からいうと、漂白剤だけで完璧に落とすことは難しく、適切な手順を踏まないと生地を傷めるリスクのほうが大きいのが実情です。

とはいえ、漂白剤がまったく使えないわけではありません。

インクの種類に合った処理をしてから使うと、仕上げとしてかなり効果を発揮します。

ここでは、漂白剤が効きづらい理由から、安全に汚れを落とすための具体的な手順まで、丁寧に解説していきます。

目次

なぜ「ボールペン汚れ」に漂白剤が効きづらいのか?

ボールペンのインクは、一般に次のような成分でできています。

  • 油分(インクのベース)
  • 樹脂成分(定着成分)
  • 色素(染料・顔料)

この構造によって、インクは繊維に張り付くように残るため、水で流れにくく、漂白剤をかけても簡単に分解できません。

漂白剤が得意とするのは、コーヒー・紅茶・皮脂汚れ・汗じみなどの「水溶性の色素汚れ」。

一方、ボールペンインクは油分と色素の固まり。

そのため 漂白剤だけでは“核”の部分にアクセスしづらい のです。

漂白剤には「塩素系」と「酸素系」の2種類がある

塩素系漂白剤(ハイターなど)

  • 非常に強力な漂白力
  • 白物衣類専用
  • インクより先に生地の色や繊維を破壊してしまう可能性が高い

ボールペン汚れに対しては、“落ちることもあるが、生地のダメージの方が大きくなりがち”という厳しいバランスです。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム等)

  • 色柄物にも使えるタイプが多い
  • 繊維へのダメージは塩素系よりずっと少ない
  • ただし インクそのものを溶かす力は弱い
  • “残った薄い色素をさらに落とす仕上げ”として使うと効果的

漂白剤を使うなら、こちらが主役ではなく補助役です。

漂白剤だけで対処して起こりやすい失敗

漂白剤をインク汚れに直接使うと、こんな失敗例がよくあります。

  • インクはほとんど落ちないのに、シャツの色だけ抜ける
  • 淡い色のシャツが、その部分だけ白っぽく変色
  • 原液を点付けすると、黄ばみや穴あきの原因
  • “こすり洗い”で繊維が毛羽立ち、インク跡より目立ってしまう

こういったリスクを避けるためにも、漂白剤は“単独で使うもの”ではなく、“前処理の後に使うもの”と理解することが大切です

最も現実的で安全な落とし方(推奨手順)

【ステップ①】まずはインクを「溶かす」

油性インクが多いボールペン汚れには、アルコール(エタノール)がよく効きます。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • コットン・ティッシュ
  • 古いタオル

手順

  1. 汚れ部分をタオルの上に“汚れ面を下向き”にして置く
  2. 上からアルコールを垂らす
  3. コットンで軽く叩き、インクをタオル側へ移す
  4. タオルを少しずつずらして繰り返す

この段階で、漂白剤の効きが大幅に良くなります

※水性・ゲルインクの場合は「中性洗剤+ぬるま湯」のほうが効きやすいこともあります。

【ステップ②】液体洗剤を馴染ませて、油分を弱める

アルコール処理後、液体洗剤(中性〜弱アルカリ性)を少量つけて軽くもみ洗いします。

この工程でインクの粘着性が弱まり、酸素系漂白剤が機能しやすくなります。

【ステップ③】酸素系漂白剤で“仕上げのつけ置き”

  1. 40℃前後のぬるま湯を用意
  2. 過炭酸ナトリウムなどの酸素系漂白剤を溶かす
  3. シャツを30〜60分つけ置く
  4. 最後にいつも通り洗濯機で洗う

これでかなりのケースで目立たなくなります。

※色柄物の場合は、目立たない部分で色落ちテストをしてから行いましょう。
※濃色のシャツでは、ごくわずかに色がトーンダウンする場合があります。

塩素系漂白剤は「最終手段」と考える

白シャツかつ“どうしても落ちない頑固な汚れ”に限って使う方法です。

  • 必ず薄めて使う
  • 放置しない(数分単位でチェック)
  • 中性洗剤でしっかり洗う

ただし、インクより生地のダメージが先に来ることも多いため、基本的には推奨しません。

やってはいけないNG行動

  • 塩素系漂白剤と酸性洗剤の併用(→ 有毒ガスの危険)
  • インクが残ったまま乾燥機・アイロン(→ 熱で定着)
  • ゴシゴシこする(→ 毛羽立ち+インクの広がり)

安全面でも仕上がりでも、避けるべき行動ばかりです。

それでも落ちない場合の現実的な選択肢

  • 時間が経ったインク
  • 顔料インク
  • ゲルインクの強い染まり

これらは家庭で完全に落とすのが難しい場合があります。

そのときは、クリーニング店で「インク汚れ」と明確に伝えると、専門処理をしてもらえます。

まとめ

  • 漂白剤だけではボールペン汚れは落ちにくい
  • まずアルコール(または洗剤)でインクを“分解”することが必須
  • その後、酸素系漂白剤でつけ置きすると、仕上がりが格段に良くなる
  • 塩素系漂白剤は白シャツでも“最後の手段”
  • 可能ならプロのしみ抜きを検討

以上、ワイシャツに付いたボールペンの染みは漂白剤で取れるのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次