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礼装とネクタイの前提
礼装といっても、燕尾服やタキシードなどの「正礼装」「準礼装」では長ネクタイは使わず、蝶ネクタイが原則です。
本記事で扱うのは、ブラックスーツやダークスーツといった「略礼装」における長ネクタイの結び方です。
- 慶事(結婚式・披露宴など):白やシルバー系のネクタイ。華やかさが求められる。
- 弔事(葬儀・告別式・法事など):黒の無地ネクタイ。控えめさと清潔感が重視される。
礼服に適した結び方の種類
プレーンノット(シンプルノット)
- 特徴:最も基本的な結び方。結び目が小さくシンプル。
- 適用シーン:弔事全般(葬儀・告別式・法事)。
- ポイント:結び目は小ぶりに、中央に整え、ディンプルは入れない。
ハーフウィンザーノット
- 特徴:プレーンよりやや大きめ、三角形がきれいに出る。
- 適用シーン:主に慶事。ただし、弔事でも小さく控えめに結べば許容される場合もある。
- ポイント:ワイドスプレッドの襟に合う。弔事では大きすぎないよう注意。
フルウィンザーノット
- 特徴:結び目が大きく左右対称で、堂々とした印象。
- 適用シーン:結婚式での新郎・主賓・媒酌人など格式を求められる場。
- ポイント:白・シルバーのネクタイに最適。黒ネクタイには不向き。
ダブルノット(プリンス・アルバート)
- 特徴:プレーンノットを二重に巻いたもので、やや厚みが出る。
- 適用シーン:慶事のゲスト。
- 注意点:礼装としてはカジュアル寄りのため、主賓・新郎級では避けた方が無難。
シーン別の結び方まとめ
シーン | ネクタイ | 推奨結び方 | 注意点 |
---|---|---|---|
葬儀・告別式 | 黒無地(マット) | プレーンノット | ディンプルなし/光沢や柄は避ける |
法事 | 黒無地(マット) | プレーンノット(基本)/条件付きでハーフウィンザー | 控えめに結ぶ |
結婚式(ゲスト) | 白・シルバー系 | ハーフウィンザー/フルウィンザー | 派手な光沢・柄は避ける |
新郎・主賓 | 白・シルバー系 | フルウィンザー(または端正なハーフ) | 結び目を正確に、堂々と見せる |
実践ポイント
- ディンプル
- 慶事:浅く一つ入れると華やか。
- 弔事:基本は入れない。
- 襟型との相性
- ワイドスプレッド:ハーフ〜フルウィンザーが映える。
- レギュラーカラー:プレーンやハーフが自然。
- ボタンダウン:礼装には不適切。
- 長さとセンターライン
- 大剣先がベルト中央に届く長さが理想。
- シャツ前立て・結び目・剣先の3つを一直線に。
- 小物類の扱い
- タイピン:弔事は不可、慶事でも基本不要。使う場合は極小で目立たないもの。
- ポケットチーフ:慶事は白のTVフォールドが無難、弔事は原則なし。
まとめ
礼服でのネクタイ結びは、「弔事は小さく目立たず」「慶事は華やかに左右対称」が原則です。
- 弔事:黒無地 × プレーンノット × ディンプルなし
- 慶事:白・シルバー × ハーフ〜フルウィンザー × 浅いディンプル
シーンごとに適切な結び方を選び、清潔で整った印象を保つことが礼儀といえるでしょう。
以上、礼服のネクタイの結び方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。