スーツの「テカリ」は、スーツを長く着用していると避けられない悩みのひとつです。
特にウール素材のスーツに多く見られ、見た目の清潔感や高級感を損なってしまいます。
ここでは 原因 と 対処法(予防と修復) を詳しく解説します。
目次
スーツのテカリの原因
摩擦による繊維のつぶれ
- スーツの生地は細いウール繊維で織られています。
- 座る、歩く、腕を動かすなどの動作で生地同士や椅子・机にこすれると、繊維表面のスケール(うろこ状の部分)が摩耗し、繊維が寝てしまいます。
- その結果、光を乱反射せず一定方向に反射するため、ギラッと光って見える=「テカリ」になるのです。
アイロンやプレスの熱
- クリーニング店でのプレス、または自分でアイロンを強くあてすぎたときに発生。
- 熱と圧力で繊維がつぶれ、光沢を帯びやすくなります。
皮脂や汚れの付着
- 特にズボンのお尻や太もも部分、ひじ、ひざに多い。
- 皮脂が繊維に付着し、さらに摩擦や熱と組み合わさることで「テカリ」を加速させます。
スーツのテカリの対処法(修復編)
スチームアイロンで繊維を立て直す
- テカった部分に 当て布をして、スチームをたっぷりあてる。
- 熱と水分で繊維が少しふくらみ、寝てしまった毛が立ち上がることがあります。
- 強く押しつけるのは逆効果。軽く浮かせるようにスチームをかけるのがコツ。
ブラッシング
- 馬毛ブラシで繊維を起こすようにブラッシング。
- 皮脂やホコリを取り除くことで、光沢が和らぐ場合も。
- スチームと併用すると効果が高いです。
サンドペーパーや布で軽くこする
- 専門的には「アブレーション処理」と呼ばれ、表面をわずかに削って繊維を整える方法。
- 家庭では細かいサンドペーパー(1000番以上)やネル布で優しくなでる程度にとどめるとよいです。
クリーニング店での特殊仕上げ
- 一般クリーニングではテカリは完全に落とせませんが、リファイン仕上げやリプロン加工と呼ばれる特殊サービスで改善する場合があります。
- 長く着たい大切なスーツならプロに相談がおすすめです。
スーツのテカリの予防法
着用サイクルを守る
- 毎日同じスーツを着ると摩耗が早まるため、3~4着をローテーションするのが理想。
正しい座り方・動作
- 椅子に深く腰掛けるとお尻部分が摩耗しやすい。
- 少し浅めに座る、脚を組み替えるなどして圧力を分散するとテカリが軽減。
毎日のブラッシング
- 着用後は馬毛ブラシで汚れやホコリを落とし、繊維を整える。
- 革靴に手入れが必要なように、スーツも「お手入れ前提の衣類」です。
アイロンは低温+当て布
- ウールは熱に弱いため、直接高温を当てない。
- スチーム中心+当て布必須で、繊維を潰さないように。
クリーニングは必要最低限
- 頻繁なドライクリーニングは生地を傷め、テカリの原因にも。
- 汚れが気になったとき、シーズン終了時に出す程度が適切。
まとめ
スーツのテカリは「摩擦」「熱」「皮脂」が大きな原因です。
対処としては スチームとブラッシングで繊維を立て直すのが基本。
予防のためには ローテーション・正しい着用習慣・日々のブラッシングが大切です。
以上、スーツのテカリの原因と対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。