スーツの「身幅」について、できるだけ詳しく解説します。
身幅はスーツの着心地や見た目の印象を左右する非常に重要な寸法なので、知っておくと購入やオーダー時に失敗しにくくなります。
目次
身幅とは何か
スーツの身幅は、ジャケットやベスト、シャツなどの上半身衣類の“胴回りの横幅”を指します。
一般的には、脇下部分を水平に測った長さが「身幅」です。
- 測定位置:袖の付け根(アームホール)のすぐ下
- 測り方:平置きにして左脇下から右脇下までを直線で測定
- 単位:センチメートル(cm)
- 片面の長さなので、実際の胸囲はこの数値×2が目安になります。
身幅がスーツに与える影響
見た目のシルエット
- 細め(身幅が小さい) → ウエストが絞られたシャープな印象。スタイリッシュで若々しいが、窮屈さを感じやすい。
- ゆとりあり(身幅が大きい) → リラックス感や余裕が出る。クラシック寄りの落ち着いた印象になる。
動きやすさ・快適性
- 身幅が狭いと、腕を前に出したときや座ったときに突っ張る感覚が出やすい。
- 身幅に適度なゆとりがあると、呼吸や腕の動きが楽になる。
生地のシワ
- 身幅が小さすぎる → 胸や背中に横ジワが入りやすい。
- 身幅が大きすぎる → 余った布がたるみ、だぶついた印象になる。
標準的な身幅の目安(ジャケット)
以下はあくまで既製スーツの目安で、ブランドやデザインで変動します。
号数(日本サイズ) | 身幅目安(片面) | 胸囲換算 |
---|---|---|
A4(小柄・細身) | 約48〜49cm | 約96〜98cm |
A6(標準体型) | 約50〜51cm | 約100〜102cm |
A8(長身) | 約52〜53cm | 約104〜106cm |
AB6(ややがっちり) | 約52〜53cm | 約104〜106cm |
BB6(がっちり) | 約54〜55cm | 約108〜110cm |
※「身幅50cm」と表示されていたら、胸囲はおよそ100cm前後になります。
身幅調整のポイント
試着時のチェック
- 腕を前に出したときに突っ張らないか
- 胸のボタンを留めた状態で深呼吸できるか
- 肩幅とのバランス(肩で合わせると身幅が合わなくなる場合がある)
お直し(リフォーム)
- 詰める(細くする):脇線や背中中心で可能。−2〜3cm程度までが自然。
- 出す(広げる):縫い代があれば可能。ただし出せる幅は1〜2cm程度まで。
身幅と他寸法の関係
- 肩幅と身幅のバランスが悪いと不自然に見える(肩幅広+身幅細いとパツパツ感、肩幅狭+身幅広いとだぶだぶ感)。
- 着丈が短いのに身幅が広いと、ずんぐりした印象になる。
- 袖丈やウエストの絞り方とも連動して全体のシルエットが決まる。
以上、スーツの身幅についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。