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スーツの糊付けについて

スーツ,イメージ

スーツの糊付けは、布地をパリッとさせ、シルエットを美しく保つための仕上げ工程です。

特に高級スーツや舞台衣装、制服などでは、見た目と耐久性の両方に関わる重要な作業です。

ここでは、仕組み・種類・メリット・デメリット・注意点・自宅での対応方法まで、詳しく解説します。

目次

糊付けの目的

  • 形状保持
    糊の成分が布の繊維同士を固め、ジャケットやパンツの折り目をシャープに見せます。
  • ハリ感の付与
    柔らかい生地でも、糊付けでパリッとした印象にできます。
  • 防汚効果
    糊の膜がホコリや汚れの付着を軽減します(ただし完全防御ではない)。
  • 新品感の演出
    着古したスーツも糊付けで見栄えが向上します。

糊の種類

天然糊

  • でんぷん糊(コーンスターチ、米でんぷんなど)
    • 伝統的な素材
    • 自然な仕上がりで光沢が控えめ
    • 水に弱く、湿気で効果が落ちやすい

合成糊

  • ポリビニルアルコール(PVA)系
    • 耐久性が高い
    • 比較的均一に仕上がる
    • アイロン熱との相性が良い
  • シリコン系コーティング
    • 撥水性や防汚性を強化
    • 高級クリーニングで使われることが多い

糊付け方法

クリーニング店での業務用糊付け

  • スプレーや浸漬(しんせき)法で糊を付け、プレス機で熱圧を加える
  • 均一な仕上がりで長持ち
  • 高温・高圧に耐える生地向け

自宅での糊付け

  • スプレー糊
    • 市販の衣料用スプレー糊(弱・中・強タイプ)を使用
    • アイロンと併用すると効果的
  • 液体糊の希釈
    • 水に薄めて霧吹きに入れ、全体に均一噴霧
    • 均一な伸ばしが難しいため慣れが必要

糊付けのメリットとデメリット

メリット

  • 折り目が長持ちする
  • 見た目が新品同様になる
  • 生地のヨレ防止

デメリット

  • 生地が硬くなり、動きにくくなることがある
  • 天然素材(特にウール)は繊維が傷む可能性
  • 頻繁に行うと生地の寿命を縮める

糊付け時の注意点

  1. 素材確認
    ウール100%やシルクなどデリケート素材は糊付け非推奨
  2. 部分使い
    全面ではなく、パンツの折り目・襟元など部分的に使うと自然
  3. 温度管理
    アイロンは低〜中温で、あて布を使用
  4. 湿気対策
    糊は湿気に弱いので、着用後は必ず乾燥させる

自宅でできる簡易的な糊付け手順

  1. スーツをハンガーに掛け、シワを軽く伸ばす
  2. スプレー糊を20〜30cm離して均一に吹きかける
  3. あて布をして中温アイロンでプレス
  4. 冷めるまでハンガーにかけたまま放置

糊付けの頻度

  • 毎回は不要
    2〜3回着用ごと、もしくは見た目がくたびれてきたときが目安
  • 季節の変わり目や重要な商談・式典の前に行うと効果的

以上、スーツの糊付けについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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