ネクタイを締めるとき、「第一ボタンを留めるべきか?」という疑問は多くの人が感じるポイントです。
実はこの一手間が、清潔感・印象・スーツ全体の完成度を大きく左右します。
ここでは、フォーマルマナーと服飾構造の両面から詳しく解説します。
結論:ネクタイを締めるときは、第一ボタンを必ず留めるのが基本
結論から言えば、ネクタイを着用する際は第一ボタンを留めるのが正解です。
なぜなら、シャツはもともと「第一ボタンを留めること」を前提に設計されているからです。
第一ボタンを外したままネクタイを締めると、次のような問題が生じます。
襟元が崩れて見える
第一ボタンを外すと、襟が首に密着せず隙間ができて不自然に見えます。
ノット(結び目)も上まで上がらず、ネクタイの形が崩れてしまうため、「清潔感に欠ける」「準備不足」といった印象を与えます。
ジャケットの襟(ラペル)が浮く
襟元の密着感が失われると、スーツの襟のラインも乱れます。
特に細身のスーツではこのズレが顕著で、全体がだらしなく見える原因になります。
ビジネス上の印象を損なう
ネクタイをしているのに第一ボタンを外すのは、「きちんとしていない」「マナーを知らない」と受け取られがちです。
面接・会議・営業などの場面では避けた方が無難です。
第一ボタンを外してもよいケース
とはいえ、すべてのシーンでボタンを締める必要があるわけではありません。
カジュアルシーンやリラックスした場では、外しても自然に見える場合があります。
ネクタイを外した状態(ノータイ)
ランチ後や退勤後、クールビズ期間など、ネクタイを外しているときは第一ボタンを外すのが一般的です。
首元に適度な余裕ができ、清潔感と涼しさを両立できます。
ファッション的な“アンタイド”スタイル
私服やカジュアル寄りの職場では、あえてネクタイを緩めて第一ボタンを外す「アンタイド」も一つの演出。
ただしこれはビジネスではなくファッション寄りの表現であり、顧客対応や正式な打ち合わせには不向きです。
「苦しい」と感じる人のための対策
第一ボタンを締めると苦しく感じるのは、ほとんどの場合、シャツのサイズ選びが合っていないからです。
以下の3つのポイントを見直せば、快適さを大きく改善できます。
首回りのサイズを正しく測る
- 理想は「首の実寸+約2cm」
- 指が1〜2本入る程度の余裕が目安です。
 1本でタイト、2本でゆとりがあるサイズ感になります。
コンフォートカラー仕様のシャツを選ぶ
「ストレッチシャツ」は身頃や袖の伸縮性には優れますが、襟(台襟部分)はほとんど伸びません。
首周りの快適性を重視するなら、襟部分にゴムや隠し伸縮機構を持つコンフォートカラー(コンフォータブルカラー)のシャツがおすすめです。
台襟の高さと芯地の硬さにも注目
「襟型(ワイドスプレッド・ボタンダウン)」そのものは首の締め付けには直接影響しません。
実際に快適さを左右するのは、台襟の高さ・芯地の硬さ・シャツの縫製構造です。
長時間の着用が多い場合は、芯が柔らかめで低めの台襟のものを選ぶと疲れにくくなります。
第一ボタンを留めることのメリット
- 清潔感と信頼感を与える
 ビジネスの第一印象が良くなり、誠実・整然とした印象に。
- ネクタイのノットが安定する
 一日中形が崩れず、美しいVゾーンを維持できる。
- スーツのシルエットが整う
 襟とラペルのラインが首に沿い、全体が引き締まって見える。
シーン別のまとめ
| シーン | 第一ボタン | 解説 | 
|---|---|---|
| フォーマル・ビジネス | 留める | 最も基本。信頼感・清潔感が生まれる | 
| クールビズ・ノータイ | 外す | 清涼感とリラックス感を優先 | 
| カジュアル・私服スタイル | 外しても可 | アンタイドとしての演出に限定 | 
まとめ:第一ボタンは「礼儀と完成度」の象徴
第一ボタンを留めるかどうかは、単なる快適さの問題ではなく、「服装の完成度」と「相手への敬意」を示すサインでもあります。
- ビジネスやフォーマルの場では、必ず留める。
- カジュアルやクールビズでは、意図的に外す。
この“シーンごとの切り替え”こそが、大人の男性の身だしなみとして最も重要です。
以上、ネクタイをする時は第一ボタンを締めるべきかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 
			 
			 
			 
			 
			 
			