ネクタイは見た目以上に繊細なアイテムです。
無造作にポケットへ入れてしまうと、シワ・テカり・芯のゆがみなど、元に戻らないダメージにつながることもあります。
ここでは、ビジネス・出張・冠婚葬祭などで「ネクタイを持ち歩きたい」「外したネクタイをポケットへしまいたい」という場面で役立つ、正しい扱い方と注意点をプロ視点で解説します。
目次
なぜポケット収納に注意が必要なのか?
| リスク | 原因・状況 |
|---|---|
| 折りジワ・型崩れ | 押し込む・鋭角に折る・長時間圧迫する |
| 摩擦による光沢落ち・ほつれ | 鍵・スマホなど硬いものと一緒に収納 |
| 湿気・汗での変形・臭い | 内ポケットやパンツポケットで蒸れる |
| 芯地のねじれ | 結び目を強く引っ張って解く・丸め方が雑 |
理想の収納方法:「折る」よりも「緩く巻く」が基本
ネクタイはバイアス裁ちで作られており、芯材も繊細です。
そのため“折る”よりも“曲げて丸める”ほうが負担が少なく安全です。
正しいロール(巻き方)
- ネクタイを平らな場所に置き、シワを軽く整える
- 小剣(細い方)から大剣へ向けて、直径6〜8cm程度でふんわり巻く
- ケースや布ポーチに入れればさらに安心
※きつく巻くと芯地がダメージを受け、光沢や形が失われます。
もう一つの選択肢:「8の字(フィギュアエイト)折り」
- ネクタイを“8の字”に立体的にたわませる方法
- 折り目が鋭角にならないため、内ポケット収納時にもシワがつきにくい
ポケット収納時のコツ
ジャケットの内ポケットがおすすめ
- 大剣の先端を上向きにして入れると先端のつぶれを防げる
- スマホや鍵など硬いものとは絶対に同居させない
パンツのポケットはなるべく避けたい
- 座ったときに圧迫され、湿気もこもりやすく型崩れの原因に
素材別に見る注意点
| 素材 | 特徴とケアのポイント |
|---|---|
| シルク | 最もデリケート。ロール収納必須。スチームは20〜30cm離して。 |
| ウール・フランネル | しなやかで復元力あり。短時間なら軽い折りでもOK。 |
| ニットタイ | 折りクセが残りやすい。太めにふんわり巻くのが基本。 |
| コットン・リネン | シワになりやすい。霧吹き+吊り干しで回復することも。 |
| ポリエステル | 摩擦や熱に弱い。アイロンは低温・当て布必須。 |
収納後に必ず行いたいケア
- 帰宅したらすぐに取り出し、ハンガーに掛ける
- 手で軽く撫でてシワを整える(芯のねじれも戻す)
- 気になるシワには、浮かしスチーム(アイロンを当てずに蒸気だけ)
- 湿気を感じたら風通しの良い場所で半日休ませる
やってはいけないNG例
| NG行為 | 結果 |
|---|---|
| ネクタイを丸めてズボンのポケットに押し込む | 強い折りジワ・蒸れ・型崩れ |
| スマホ・鍵と一緒に入れる | 擦れ・テカり・糸のほつれ |
| 結び目を強く引っ張って解く | 芯地がねじれ、戻らなくなる |
| 高温アイロンを直接あてる | 光沢消失・焼け・変色 |
まとめ
収納の基本は「ゆる巻き」+「ケースや布で保護」
折り目がつかない形で内ポケットへ、他アイテムと分けて保管
取り出した後のケア(吊る・整える・湿気を取る)が長持ちの鍵
以上、ネクタイをポケットに入れる時の注意点についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
