スーツに日焼け止めが付いた場合、油分(紫外線吸収剤や油性成分)+粉末(酸化亜鉛・酸化チタンなどの白い顔料)が混ざって生地に付着するため、普通の水洗いでは落ちにくく、下手にこすると「輪ジミ」や「色落ち」を招きやすいです。
以下で、自宅でできる応急処置からクリーニングでの対応までを、スーツ生地の性質に配慮しながら詳しく解説します。
目次
まずやってはいけないこと
- 強くこする
- 油分が繊維の奥に入り込み、さらに広がって落としにくくなります。
- 熱いお湯で洗う
- 油分が固まって繊維に定着し、取れにくくなります。
- 漂白剤を直接付ける
- ウールや色物のスーツは変色・退色のリスクが非常に高いです。
- すぐに水に浸けてしまう
- スーツは基本的に水洗い不可の素材が多く、型崩れや縮みの原因になります。
応急処置(外出先・帰宅後すぐ)
付着直後(乾く前)
- 乾いたティッシュやガーゼで軽く押さえる
- こすらず、上からポンポンと押して油分と粉を吸い取る。
- ベビーパウダーや片栗粉を振る
- 粉が油分を吸着してくれる。5〜10分置いたらやさしく払う。
乾いてしまった後
- スーツブラシで軽く払う
- 表面の粉成分だけでも先に落とす。
- その後、下記の「部分処理」に移行。
自宅でできる部分処理方法(応急対応用)
※これは「その日だけ何とか見た目を整える」ための方法で、完全除去はクリーニング推奨。
- 中性洗剤を使った油分分解
- 台所用中性洗剤(例:キュキュット、ジョイなど)を水で2〜3倍に薄める。
- 綿棒または清潔なタオルに含ませ、シミ部分の外側から内側に向けて軽く叩く。
- 別の乾いたタオルで水分を吸い取る。
- タオル+水で軽くすすぎ
- 中性洗剤成分が残ると輪ジミになるので、必ず水を含ませたタオルで軽く叩き取る。
- 陰干しで自然乾燥
- ドライヤーの熱風は油ジミを固定化するためNG。
クリーニングに出す場合のポイント
- できるだけ早く持って行く(時間が経つほど落ちにくくなる)。
- 店員に「日焼け止めが付きました」と明確に伝える。
- 油性汚れ用の溶剤洗浄や特殊シミ抜き処理をしてもらえる。
- 応急処置で使った洗剤や方法も伝えるとより適切な処理が可能。
生地別の注意点
生地 | 注意ポイント |
---|---|
ウール(多くのスーツ) | 摩擦や熱に弱い。必ず叩く処理。 |
ポリエステル混 | 比較的強いが、テカリ防止のためこすらない。 |
リネン | 水ジミが出やすいので部分処理後はしっかり水分を取り除く。 |
再発防止の工夫
- スプレータイプやジェルタイプの日焼け止めは特に服に付きやすいので、塗布後3〜5分は乾かしてから着る。
- スーツの襟や袖口に透明の衣類保護スプレー(撥水・撥油タイプ)を事前に吹きかけておく。
- 夏場は首周りにタオルや薄手ストールを巻いてからスーツを着る。
以上、スーツに日焼け止めが付いた時の対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。