スーツの胸ポケット(ブレストポケット)は、見た目や用途に大きく影響するディテールのひとつです。
ここでは 胸ポケットの主な種類 と、着こなしのルールやマナー を詳しく整理します。
目次
胸ポケットの種類
ウェルトポケット(バルカポケット)
- 最も一般的な胸ポケット。
- 上縁に細い布を縫い付けただけのシンプルな仕様。
- ビジネススーツの定番で、ポケットチーフを差すことを前提にデザインされている。
- 直線的なものと、イタリア系スーツに多いカーブ(バルカ=ボートの意)がついたものがある。
パッチポケット
- 生地をそのまま貼り付けるタイプの胸ポケット。
- カジュアルな雰囲気が強く、ジャケットやブレザーでよく採用される。
- ビジネススーツにはあまり使われず、オフスタイル向き。
箱ポケット(ボックスポケット)
- 胸に立体的なフタ付きポケットが付く仕様。
- ハンティングジャケットやサファリジャケットに多く、クラシックかつカジュアル寄り。
- フォーマルなスーツではまず使われない。
チケットポケット(追加仕様)
- 胸ではなく腰ポケットの上に配置されることが多いが、胸にも設けられることがある。
- 鉄道チケットを入れるための名残で、英国調スーツに見られる。
- フォーマル感よりもクラシックなトラッド感を演出。
胸ポケットのルール・マナー
基本の考え方
- ビジネスシーン:胸ポケットは「飾り」であり、物を入れないのが鉄則。
- フォーマルシーン:ポケットチーフを差して格式を高めることが多い。
- カジュアルシーン:サングラスやペンを差す人もいるが、だらしなく見えやすいので注意。
ポケットチーフの使い方
- 白無地のリネンチーフ
- フォーマルシーンの基本。結婚式や公式な場ではこれ一択が無難。
- シルクや柄物のチーフ
- ビジネスや華やかなパーティーシーンで個性を演出できる。
- 挿し方の種類
- TVフォールド(四角く揃える):ビジネスに最適。
- パフ(ふんわり出す):カジュアル寄り、柔らかい雰囲気。
- トライアングル:華やかさを強調したい時。
NGとされる行為
- ポケットにスマホやメガネを入れる(型崩れや不格好の原因)。
- 厚みのあるものを入れる(ラインが崩れる)。
- ビジネスシーンで派手すぎるチーフを使う(TPO違反)。
まとめ
- 胸ポケットは「飾りポケット」と考えるのが基本。
- ビジネススーツなら ウェルトポケット+白無地チーフ が最も無難で安心。
- カジュアルジャケットでは パッチポケット などで遊び心を加えるのも可。
- 物を詰め込むのはNGで、チーフを差すか「何も入れない」のがルール。
以上、スーツの胸ポケットの種類とルールについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。