スーツを購入するとき、「オーダースーツ」と表示されていても、実際にはさまざまな仕立て方法があります。
すべてが同じ品質や製作方法というわけではありません。
そのため、オーダースーツを正しく理解するには、どの方式で作られているのかを見分けることが重要です。
この記事では、
- オーダースーツの基本的な種類
- 仕立て方法の違い
- 見分けるための具体的なチェックポイント
をわかりやすく解説します。
オーダースーツの主な種類
日本では一般的に、オーダースーツは次の3種類に分類して説明されることが多いです。
・パターンオーダー
・イージーオーダー
・フルオーダー
ただし、この分類は業界全体で完全に統一されているわけではありません。
店舗によって呼び方が異なる場合もあります。
海外では主に次の3区分で説明されることが多いです。
- 既製服(Ready-to-Wear)
- メイドトゥメジャー(Made to Measure)
- ビスポーク(Bespoke)
基本的には、既製服をベースにどこまで体型に合わせて調整するかによって違いが生まれます。
パターンオーダーの特徴
パターンオーダーは、既製スーツのサイズパターンを基にして、体型に合わせて一部を調整する仕立て方法です。
主な特徴は次のとおりです。
- 既存サイズをベースにする
- 袖丈や着丈などを調整する
- 比較的短期間で完成する
- 価格が比較的手頃
この方式では、試着用のサンプルスーツを着用してサイズを確認し、その情報をもとに調整します。
既製スーツよりも体に合いやすいですが、体型補正の自由度はそれほど高くありません。
イージーオーダーの特徴
イージーオーダーは、既存の型紙をベースにしながら、体型に合わせてパターンを補正していく仕立て方法です。
特徴としては、
- 既存パターンを体型に合わせて修正する
- 肩の傾きや体型差を補正できる
- パターンオーダーより自由度が高い
- 価格は中程度
例えば、
- なで肩
- いかり肩
- 前肩
- 猫背
といった体型の違いにもある程度対応できます。
ただし、型紙そのものをゼロから作るわけではないため、完全なフルオーダーとは異なります。
フルオーダー(ビスポーク)の特徴
フルオーダーは、顧客一人ひとりの体型に合わせて専用の型紙を作成する仕立て方法です。
主な特徴は次の通りです。
- 個別の型紙を作成する
- 仮縫いなどのフィッティング工程がある
- 細かい体型補正が可能
- 職人の手作業が多い
- 価格は高め
この仕立て方法では、採寸だけでなく、姿勢や体型の特徴なども細かく観察して型紙を作ります。
さらに、仮縫いを行いながらシルエットを調整するため、より精度の高いフィット感が期待できます。
オーダースーツを見分ける5つのチェックポイント
オーダースーツの仕立て方法を判断するには、次のポイントを確認すると参考になります。
仮縫いの有無
フルオーダーの特徴の一つが、仮縫い(フィッティング工程)です。
仮縫いとは、完成前の状態でスーツを仮組みし、体に合っているか確認する工程です。
この段階で、
- 肩の収まり
- 背中のシワ
- 袖の角度
- 着丈
- ラペルの形
などを細かく調整します。
仮縫いがある場合は、フルオーダーに近い仕立てである可能性が高いと言えます。
型紙の作り方
スーツの型紙の扱いも重要なポイントです。
オーダースーツでは次のような違いがあります。
パターンオーダー
既存のサイズパターンを使用
イージーオーダー
既存パターンを補正
フルオーダー
個別の型紙を作成
ただし、店舗によっては顧客のサイズデータを保存することもあるため、型紙を保管するだけでフルオーダーと断定することはできません。
スーツ内部の構造
スーツの品質を判断する際には、ジャケット内部の構造も重要です。
一般的にジャケット構造は次の3種類に分類されます。
- フューズド(接着芯)
- ハーフキャンバス
- フルキャンバス
フューズドは接着芯を使う構造で、比較的安価なスーツに多く見られます。
ハーフキャンバスやフルキャンバスは、胸部分にキャンバスを使用するため、立体的なシルエットになりやすい特徴があります。
ただし、オーダースーツであっても接着芯が使われる場合もあるため、オーダー方法と構造は必ずしも一致するわけではありません。
フィット感
良いスーツは、着たときのフィット感にも特徴があります。
チェックするポイントは次の通りです。
- 襟が首に沿っているか
- 肩が自然に収まっているか
- 胸に余計なシワがないか
- 背中が突っ張っていないか
- 袖がねじれていないか
これらのバランスが良いほど、体型に合った仕立てである可能性が高いです。
ディテール仕様
スーツには細かな仕様があります。
例えば、
- 袖ボタンが開閉できる仕様(本切羽)
- 手縫い風のステッチ
- ラペルの自然なロール
などです。
ただし、これらは既製スーツにも採用されることがあるため、仕立て方法を断定する材料にはなりません。
あくまで参考程度の要素として考えるとよいでしょう。
オーダースーツを判断するときの注意点
オーダースーツを見分ける際には、次の点にも注意が必要です。
まず、価格だけで判断することはできません。
高価なスーツでも既存パターンを使用する場合がありますし、逆に比較的手頃な価格でメイドトゥメジャーを提供しているブランドもあります。
また、タグ表記にも統一基準はありません。
「カスタムメイド」や「メイドトゥメジャー」という表記は、店舗によって意味が異なる場合があります。
そのため、正確に判断するには、
- 型紙の作り方
- フィッティング工程
- 補正の自由度
- 内部構造
などを総合的に確認することが大切です。
まとめ
オーダースーツを見分けるためには、次のポイントを確認すると理解しやすくなります。
- 既存パターンか個別パターンか
- 仮縫いなどのフィッティング工程があるか
- 体型補正の自由度
- ジャケット内部の構造
- 完成時のフィット感
これらを総合的に確認することで、スーツの仕立て方法や品質をより正確に判断できるようになります。
以上、オーダースーツの見分け方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




