ローファー(loafer)は、革靴の中でも非常に有名な種類ですが、その名称には英語の語源や20世紀のファッション史が深く関係しています。
ここでは、ローファーという言葉の意味・語源・靴としての成立までを順序立てて解説します。
ローファーという言葉の意味
まず重要なのは、「ローファー」という言葉はもともと靴の名前ではなかったという点です。
英語の loafer という単語は、19世紀頃から使われている語で、次のような意味を持っていました。
loafer
- 怠け者
- ぶらぶらしている人
- 仕事をせずに時間を過ごしている人
つまり、本来は人を表す言葉でした。
loafer の語源
語源については完全には確定しておらず、複数の説が存在します。
現在一般的には、loaf(ぶらぶらする・怠ける)という動詞と関連して理解されることが多いとされています。
loaf の意味
- 何もせずに時間を過ごす
- ぶらぶらする
- 怠ける
そこから
loafer = ぶらぶらしている人
という意味になりました。
ただし、英語語源辞典では loafer の起源は完全には確定していないとされており、ドイツ語系語彙との関連が指摘されることもありますが、確定した説ではありません。
靴としての「ローファー」の意味
靴の名称として loafer が使われるようになったのは、20世紀に入ってからです。
ローファーは次の特徴を持つ靴です。
- 靴紐がない
- 足を滑り込ませて履くスリッポン構造
- 脱ぎ履きが簡単
このような特徴から、くつろいだ場面で履く靴として認識されるようになり、既に存在していた「ぶらぶらしている人」という意味の loafer という言葉が靴の名称として使われるようになったと考えられています。
英語では1930年代後半頃から、loafer が靴の種類を指す言葉として記録されるようになります。
現代ローファーのルーツ
現在のローファーの歴史には、ノルウェーの靴文化が大きく関係しています。
1920年代、ノルウェーの Aurland(オーランド)地方で、靴職人 ニルス・トヴェランガー がスリッポンタイプの革靴を作りました。
この靴は
- モカシン構造
- 足入れのしやすいスリッポン型
という特徴を持っており、後のローファーの原型のひとつとされています。
この靴は Aurland Shoe(オーランドシュー) と呼ばれました。
アメリカでローファーが普及
このノルウェー系のスリッポン靴はアメリカに紹介され、1930年代になると靴メーカーによって改良されます。
特に重要なのが、アメリカの靴ブランドG.H. Bassです。
1936年、このブランドはノルウェー靴に着想を得たスリッポンを発売しました。
そのモデルがWeejuns(ウィージャンズ)です。
この名前はNorwegian(ノルウェー人)をもじった言葉です。
このモデルは大きな人気を得て、ローファーはアメリカの定番靴として広く普及していきました。
ペニーローファーの誕生
ローファーの中でも特に有名なのが ペニーローファー です。
この靴の特徴は、甲の部分にあるサドル(革の帯)です。
このサドルには細い切れ込みがあり、そこに 1セント硬貨(penny)を差し込む習慣があったため、penny loafer(ペニーローファー)と呼ばれるようになりました。
硬貨を入れる理由については諸説あり、学生文化やファッションの一部として広まったと考えられています。
ローファーが人気になった理由
ローファーが世界中に普及した理由には、いくつかの要素があります。
履きやすさ
ローファーは靴紐がないため、簡単に脱ぎ履きできます。
この利便性が多くの人に支持されました。
カジュアルとフォーマルの中間
ローファーは
- スーツ
- ジャケット
- カジュアル
など、幅広いスタイルに合わせることができます。
この柔軟性も人気の理由です。
学生文化との結びつき
20世紀半ばにはアメリカの学生文化とも結びつき、ローファーは若者のファッションアイテムとして広く普及しました。
まとめ
ローファーという言葉の歴史を整理すると、次のようになります。
語源
- loafer(怠け者・ぶらぶらしている人)
語源の背景
- loaf(ぶらぶらする)との関連があると考えられている
- ただし語源の最終的な起源は完全には確定していない
靴としての成立
- 1930年代頃に靴の名称として使われ始める
歴史的背景
- ノルウェーの Aurland Shoe
- G.H. Bass の Weejuns
これらが、現代のローファーの基礎を作りました。
以上、ローファーの語源についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










