出張や旅行にジャケットを持って行くとき、多くの人が気にするのがシワや型崩れ。
特にウール素材のテーラードジャケットは、扱い方次第で見た目の印象が大きく変わってしまいます。
ここでは、高級紳士服店やスタイリストも用いる“肩を守るためのたたみ方”を中心に、出発前の準備からスーツケースへの入れ方、到着後のケアまで総合的に解説します。
たたむ前に必ずやっておきたい準備
ラペルと全体の形を整える
作業前にジャケットを平らな場所に置き、ラペル(下襟)や前身頃の形を軽く整えます。
生地がねじれたまま畳むとシワが固定されてしまうため、この一手間が重要です。
ポケットは空にして軽くシワを伸ばす
重さのあるものを入れたまま畳むと、生地が引っ張られて跡が残ります。
ポケットを空にし、背面を手のひらでなでて軽いシワをはらっておきましょう。
プロも推奨する「肩合わせ法」— ジャケットを美しく保つ王道のたたみ方
この方法は、ジャケットの“骨格”である肩の構造を潰さないことに重きを置いた折り方です。
ウールやポリエステルはもちろん、柔らかいジャージー素材のジャケットにも使える万能なメソッドです。
STEP 1:片方の肩だけを裏返す
- ジャケットを平らに置く
- 片側(どちらでも可)の肩から袖にかけて、やさしく裏返す
※ このとき、身頃全体や襟をねじらないことが大切 - 裏返すのは肩〜袖までで十分
片側だけ裏返した“半裏返し状態”になります。
STEP 2:もう片方の肩を、裏返した肩の内側へ差し込む
裏返した肩の“空洞”に反対側の肩を重ねるように差し込み、肩と肩をぴったり重ねて二重クッションを作るイメージです。
これによって、移動時の圧力が肩に直接加わらず、型崩れや深いシワを防げます。
厚手素材の場合は無理に入れ込みすぎず、自然に重なる程度でOKです。
STEP 3:縦に二つ折りにする
肩を合わせた状態のまま、ジャケットを縦方向にふんわり折りたたみます。
力を加えず、空気を含ませるように折るのがポイントです。
STEP 4:必要に応じて横に一度だけ折る
スーツケースのサイズに合わせて、丈の長さを調整するために横に1回だけ折るようにします。
二回以上折ると折り目が深く定着しやすくなるため、回数は最小限に。
スーツケースに入れるときは“上層”に置くのが基本
ジャケットは、詰め終わりの一番上に配置するのが鉄則です。
理由
- 下にすると重い荷物(靴・ポーチ・機材など)の圧力がかかる
- ケースを立てたとき、上側にあれば圧力が最小限で済む
- 折り目が深く残りにくい
また、ジャケットの下にシャツやニットをクッションとして敷くと、折り目がよりソフトになりシワ対策が強化されます。
※ ハードケース/ソフトケースの違いよりも、重いものは下、軽いものは上という収納バランスのほうがはるかに重要です。
到着後のケアでシワがほぼ消える
まずはすぐにハンガーへ
ジャケットは吊るしておくだけで、ウールなら半日ほどで自然にシワが戻ります。
軽い蒸気でリセット
バスルームのシャワー後の蒸気を利用して、短時間だけ吊るすとシワがふんわりと消えやすくなります。
※ 長時間の高温蒸気は生地や芯地を傷めるため控えめに。
どうしても取れない折りジワは…
タオル越しに低温アイロンをやさしく押し当てる程度で十分。
デリケート素材や高級仕立てのジャケットは、蒸気・アイロンとも使用は控えめに。
シワを完全に避けたいなら、ガーメントケースが最適
テーラードジャケットを“完全に折らずに”持ち運べるため、ビジネス用途では最も確実な方法です。
とはいえ、移動中の荷物を減らしたい場合や機動力を重視するなら、今回紹介した肩合わせ法がとても有効に機能します。
以上、スーツケースに入れる際のジャケットのたたみ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
