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ジャケットのしつけ糸について

スーツ,イメージ

ジャケットを購入した際、ポケット口やベント(背面の切れ込み)、ラペルや袖付け部分に、白い糸が軽く縫い留められていることがあります。

この糸こそが「しつけ糸(basting stitch)」です。

しつけ糸はあくまで仕立て工程で使用される仮縫いの糸であり、ジャケット本来の構造を整えるための一時的な補助にすぎません。

つまり、着用前に必ず外すべきものです。

ここでは、しつけ糸の役割から外し方、外してはいけない糸との見分け方まで、丁寧に詳しく解説します。

目次

しつけ糸の役割とは?

しつけ糸は、ジャケットの仕立て工程や輸送中・陳列中の形崩れを防ぐために使われます。

具体的には以下のような働きを担っています。

ベント(背面の切れ込み)の形をキープする

ベントが開いたり歪んだりしないよう、×印で軽く留められています。

この部分は最も多く見られるしつけ糸です。

ポケット口が広がらないように固定する

新品のジャケットはポケット口をしつけ糸でふさぎ、形崩れを防いでいます。

誤って物を入れられないようにする「防止措置」としての意味もあります。

ラペル(襟)のロールを美しく仕上げる

丁寧な仕立てのジャケットほど、ラペルの立ち上がりやロールを整えるために細かいしつけが施されることがあります。

袖付け部分(袖山)の形を安定させる

袖山の丸みや立体感を保つ目的で、いせ込み部分に仮縫いが入ることもあります。

いずれも「固定しておくための一時的な工夫」であり、完成品として残すものではありません。

しつけ糸はいつ外すべき?

基本は着用前にすべて外すのが正解です。

しつけ糸を残したまま着ると、ベントが閉じたままになり動きにくいだけでなく、

  • 「新品をそのまま着てしまった人」
  • 「洋服の扱いがわからない人」

という印象を与えてしまいます。

特にベントの×ステッチとポケット口の閉じ糸は、外し忘れが目立ちやすく要注意です。

しつけ糸の正しい外し方

ジャケットの生地を傷つけないためにも、次のような手順で丁寧に外すことをおすすめします。

小さめの糸切りバサミを準備

刃先が細いほど安全で作業しやすくなります。

糸の交差点や結び目を確認

しつけ糸はゆるく粗い縫い目になっているため、どこを切るべきか見つけやすいのが特徴です。

糸をそっと引き、軽くテンションをかける

張りが出るので切りやすくなります。

ただし強く引っ張りすぎないこと。

刃を生地と平行に入れ、糸の一点をカット

生地を傷めないよう、垂直に刺すのはNGです。

糸をゆっくり抜き取る

数か所に分けてカットしておくと絡まりにくく、より安全です。

外し終えたら、必要に応じて軽くスチームを当ててシルエットを整えておくと、より美しい仕上がりになります。

外してはいけない糸との見分け方

しつけ糸と誤って切ってはいけない糸を混同しやすい方もいるため、次の違いをしっかり押さえておきましょう。

切ってはいけない糸(本縫い・装飾ステッチ)

  • ラペル端の細かいステッチ(AMFステッチ)
  • 胸ポケット・フラップ周りの連続した細かい縫い目
  • 袖ボタンを留めている縫い糸

これらはデザイン性や補強のための本縫いなので、絶対に切らないようにします。

外すべき糸(しつけ糸)

  • 白くて細い糸
  • 粗くゆるい縫い目
  • ×ステッチで簡易的に留められている
    → 基本的に「外す前提」で付けられている

しつけ糸を外した後にやっておきたい仕上げ

しつけを外したばかりのジャケットは、生地に軽いクセが残っている場合があります。

以下の仕上げを行うと、シルエットがより美しく整います。

  • スチームアイロンを浮かせて当てる
  • ラペルやベントのラインを手で軽く成形する
  • ポケットフラップを自然に開閉させ状態を馴染ませる

たったこれだけで、新品ジャケットの魅力が最大限に引き出されます。

まとめ

しつけ糸は、ジャケットの形を整えるために仮に縫い付けられているもので、着用する際には必ず外すべき糸です。

外す箇所は主に、

  • ベントの×ステッチ
  • ポケット口の固定糸
  • ラペル・袖山周りの仮止め

などが代表的です。

正しい外し方を知っておけば、生地を傷つける心配もなく、ジャケット本来の美しいシルエットを楽しむことができます。

以上、ジャケットのしつけ糸についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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