ジャケットは肩の立体構造やラペルの返りなど、細部に繊細な造りが施されています。
そのため、Tシャツのように平たくたたむだけではシワや型崩れが起こりやすく、特に出張や旅行では扱いに悩む人も多いはずです。
本稿では、ジャケットをできるだけコンパクトに、かつ形を損なわずに収納するための方法を、素材・仕立て・用途ごとに丁寧に解説します。
型崩れを防ぐための基本原則
ジャケットをキレイにたたむうえで押さえておきたいポイントは次の3つです。
肩周りに過度な負荷をかけない
肩パッドや芯材はジャケットのシルエットを決める重要部分であり、潰れると元に戻りにくい傾向があります。
生地を無理に折り込まず、ふんわりとまとめる
深い折り目はシワの原因になるため、「折る」より「添わせる」イメージで扱いましょう。
前身頃・ラペルの形状を可能な限り保つ
たたむ前に軽く整えておくだけで、シワを大幅に軽減できます。
これらを踏まえることで、移動中もジャケットのコンディションを良好に保ちやすくなります。
最も形を保ちやすい「肩裏返し折り(Shoulder-in Fold)」
スーツジャケットや構築的なテーラードジャケットに向いたたたみ方で、海外のトラベル系メディアやスーツブランドでも紹介される方法です。
シワを抑えながらコンパクトに収納したい場合の基本形といえます。
手順
片側の肩をやさしく裏返す
ジャケットを平らな場所に置き、一方の肩を内側へ返します。
肩のラインが平らに整うように軽く形を整えます。
裏返した肩の中に反対側の肩を差し込む
裏返した肩の“袋状のスペース”の中に、もう片方の肩を収めます。
これにより肩同士が安定し、肩パッドへの負担が比較的少なくなります。
身頃全体を縦方向に整える
肩がひとつのユニット状にまとまるため、前身頃を縦に軽く整えます。
二つ折りを基本に、必要に応じて三つ折り
- 通常は二つ折りがもっともシワのリスクが少ない
- どうしてもコンパクトにしたい場合のみ三つ折りにする
折り目を強くつけないよう、「軽く添わせる」程度にまとめるのがコツです。
仕上がりの特徴
- 肩が安定し、型崩れが起こりにくい
- 全体がふんわりした長方形になり、バッグに収めやすい
- スーツやきれいめジャケットと相性が良い
旅行や出張で「なるべくシワを抑えたい」場合に特におすすめです。
カジュアル向きの「ロール式」コンパクト収納
ニットジャケット、ストレッチ素材、化繊中心のジャケットなど、柔らかい仕立てのものに適した方法です。
本格的なウールスーツには基本的に向きませんが、軽量アウターやラフなジャケットを持ち運ぶ際には非常に便利です。
手順
フロントボタンを留めて形を整える
前身頃がズレにくくなり、巻いたときの形が安定します。
袖をまっすぐ後ろ方向へ折る
袖同士を交差させず、シワが入りにくい自然な角度で折ります。
身頃を内側へ寄せて細長くまとめる
中央へ向かって左右を折り込み、筒状の形を作ります。
下から軽く巻き上げる
きつく巻きすぎず、ふんわりと生地の厚みを残すのがポイントです。
向いているジャケット
- ニットジャケット
- ストレッチ素材
- 化繊やアウトドア系の軽量ジャケット
- カジュアルなテーラード
バックパックに入れて運ぶ場合に最適で、持ち運びのストレスを大きく軽減できます。
たたむ前に必ず行いたいコンディション調整
ジャケットをたたむ前のわずかなケアによって、収納後の仕上がりが大きく変わります。
ラペルの返りに沿って指でなぞる
表地を整えるだけで形が崩れにくくなります。
肩線を軽く叩いて立体感を戻す
着用で潰れた肩のラインをリセット。
風を通して湿気を飛ばす(30秒程度で十分)
湿気が残るとシワが固定化されやすく、ニオイの原因にもなります。
バッグへの収納時に意識したいポイント
強く圧縮しない
押しつぶすとシワが固定されてしまうため、ふんわり置くのが鉄則です。
摩擦を避けるため布 or 薄紙を挟む
テカりの予防になり、素材を保護できます。
ガーメントポーチを活用する
ナイロンポーチや布製ガーメントバッグがあれば、形を保ったままコンパクトに収納できます。
到着後の仕上げケアで“ほぼノーシワ”に戻す
到着したらまずハンガーに掛ける
重みが全体に均等に掛かり、自然にシワが落ちていきます。
シャワー後のバスルームの蒸気は“軽く”当てる程度に
生地を過湿すると逆に形を損ねる可能性があるため、短時間で済ませましょう。
衣類用スチーマーがあるとなお安心
とくにウールスーツや高級素材にはスチーマーがおすすめです。
まとめ
ジャケットをコンパクトにたたむ際の最適なアプローチは以下の2つです。
- 構築的なスーツ・テーラード → 肩裏返し折り(Shoulder-in Fold)
- 柔らかい素材のカジュアルジャケット → ロール式
いずれの方法も、肩の立体構造を守りつつ、折り目を深くつけないことが最大のポイントです。
さらに、収納前の小さなケアと、到着後の軽い仕上げを組み合わせることで、移動中でもジャケットを快適な状態に保つことができます。
以上、ジャケットのコンパクトなたたみ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
