半袖ワイシャツは長袖より扱いやすいものの、折り目が傾いたり、襟が潰れたり、袖の部分が膨らんだりと、意外と美しく仕上げるのが難しいアイテムです。
ここでは、家庭の収納でも出張時でも使える「形が整うたたみ方」を、アパレル現場で実際に行われる手順をベースに、細かいポイントまで丁寧に解説します。
たたむ前の準備|仕上がりを左右する大事な工程
平らで硬めの場所を用意する
机やテーブルなど、硬さがある場所が最適です。
柔らかいベッドの上などはシワが入りやすいため避けましょう。
シャツの形を軽く整えておく
- 前ボタンは第2〜第3ボタン程度を留めておくと身頃がずれにくくなる
- 襟を整えておく(ボタンダウンでも同様)
- 背中側の生地や縫い目を軽くならし、全体をフラットに
下準備がしっかりしているほど、後の工程がスムーズになります。
基本のたたみ方|左右対称と襟の安定がポイント
ステップ① 背中側を上にして広げる
表裏をひっくり返す必要はありません。
そのまま広げ、後身頃(背中側)が上になるように置きます。
肩線や裾が歪んでいれば、軽く手でならしてフラットに整えます。
ステップ② 右側の身頃をまっすぐ折り込む
肩の縫い目(肩線)から裾に向かって、一直線に折るイメージで内側に折り込みます。
半袖の袖部分は、袖口が身頃の内側に収まる程度で自然に折れていればOK。
折り線が中心に対して斜めにならないよう注意します。
ステップ③ 左側も同じ幅で折り込む
右側と左右対称になるように折り込みます。
袖がふくらみやすい場合は、袖口を少し下方向へ流すように折ると厚みが均一になります。
ステップ④ 裾を襟方向へ折り上げる
裾を持ち、シャツ丈の1/3〜1/2程度の位置で折り返します。
- コンパクトにしたい → 1/3
- 形の美しさを優先 → 1/2
折る前に裾の左右を軽く張っておくと、折り目がまっすぐ揃います。
ステップ⑤ 用途に合わせて二つ折りにする
収納スペースに合わせて、必要ならさらに上へ二つ折りにします。
最終形が「幅の揃った長方形」になっていれば問題ありません。
- 引き出しが浅い → 一回折り
- スーツケースや棚 → 二つ折りが安定
この柔軟さが家庭向けのポイントです。
ステップ⑥ 表に返し、形を整えて仕上げる
たたみ終えたら表側を上に戻し、
- 襟が潰れていない
- 幅が均一
- シワがない
かをチェックし、軽く手のひらで押さえて整えれば完成です。
よくあるトラブルと簡単な解消法
袖が膨らむ
袖口を少し斜め下に折ることで厚みが分散し、ふくらみが解消されます。
身頃が台形になってしまう
左右の折り幅が揃っていない証拠。
「肩線から裾に向けたまっすぐな折る軸」を意識すると簡単に改善できます。
襟が潰れる
最初に襟を整え、最後の折り位置を襟の直下に合わせると潰れにくく安定します。
出張・収納をより快適にするコツ
軽くスチームを当ててからたたむ
生地が整うため、折りジワができにくくなります。
※特殊素材の場合は品質表示に従うと安心。
バッグに入れる場合は「襟を上」に
荷重がかかりにくく、襟の形が崩れにくい。
形状記憶シャツはふんわり気味に折る
強い折り目を付けなくても形が戻るため、軽めに折ると“パリッと感”が保ちやすい。
仕上がりを美しく保つワンポイント
- ボタンは全て留める必要はなく、2〜3個で十分
- 背中側の縫い目を整えてから折ると形が乱れにくい
- 最後の整えは手のひらで軽く押し込むように行い、叩かない
小さなポイントですが、仕上がりの差が大きく出る部分です。
まとめ:左右対称と襟の保護が基本ルール
半袖ワイシャツをきれいにたたむ最大のコツは、「左右の幅を揃える」「襟を整えておく」「用途に合わせた折り位置にする」この3点です。
これらを守れば、どんな半袖シャツでも形良く、シワ少なく、美しく収納できます。
以上、半袖のワイシャツのたたみ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
