ネクタイのストライプ柄(縞模様)は、単なるデザインではありません。
起源は軍隊や学校に遡り、ストライプの「向き」「太さ」「色」には歴史的背景や印象の違いが存在します。
ここではそれらを正確かつ分かりやすく整理し、ビジネス・式典・面接などの場面別に活用できる形で解説します。
目次
ストライプネクタイの起源と意味
レジメンタルストライプ(Regimental Stripe)
- 起源:19世紀イギリスの軍隊・騎兵連隊・パブリックスクール・クラブの所属色に由来するネクタイ。
- 本来の役割:所属・誇り・結束の象徴。
- ストライプの向き:
- 着用者基準:左肩 → 右腰
- 見る人の目線:右上 → 左下(左下がり)
アメリカンストライプ
- 背景:1902年、アメリカのBrooks Brothersが英国式を反転させて商品化したのが始まり。
- 向き:
- 着用者基準:右肩 → 左腰
- 見る人の目線:左上 → 右下(右下がり)
- 意味:特定の軍・学校との関連性はなく、自由で商業的なデザイン。
※英国では実在する連隊カラーを公式な場で無関係に使うことは「礼儀を欠く」とされることもあります。ただし現在はファッションとして広く流通しており、一般使用が禁止されているわけではありません。
ストライプの“太さ”と“印象”
| ストライプの種類 | 特徴 | 与える印象・適した場面 |
|---|---|---|
| 細いストライプ(ペンシル/ナロー) | 約2〜4mm、間隔も狭い | シャープ・知的・控えめ。金融・法律・誠実性重視の場 |
| 標準的なストライプ | 約5〜10mm | もっとも汎用的。落ち着いたビジネス全般 |
| 太ストライプ(ボールド/クラブタイ調) | 1cm以上・コントラスト強め | 存在感・快活。営業、広告、外資系、パーティなど |
| マルチストライプ | 複数色の細ライン | 柔らかく華やか。懇親会・セミフォーマルにも |
色の意味と印象(※絶対ではなく“傾向”)
| 色・組み合わせ | 印象 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ネイビー×白/赤 | 誠実・知性・信頼感 | 就職活動・銀行・商社など |
| ボルドー×ネイビー/ゴールド | 落ち着き・重厚感 | 役員会・目上との会食 |
| グレー×シルバー | 上品・控えめ・理性的 | プレゼン・公式式典 |
| ブルー系明色/黄色入り | 親しみやすさ・柔らかさ | 初対面・交流会・商談の雰囲気を和らげたい時 |
| 黒×シルバー/白 | 格式・厳粛・フォーマル | 結婚式・式典・夜のパーティー |
※色の印象は文化・国・個人によって変わるため、あくまで「ビジネス慣習上の目安」として活用するのが適切です。
ストライプの向きが示す“文化とマナー”
| 向き(観察者から見て) | 起源 | 意味・注意点 |
|---|---|---|
| 右上 → 左下(左下がり) | 英国レジメンタル | 伝統・格式。実在連隊のカラーを公式場で着用する場合には配慮が必要 |
| 左上 → 右下(右下がり) | アメリカ式 | ファッション寄り・自由・意味を持たない |
| 縦ストライプ | ファッション性が強い | 視覚効果で縦長・個性的だが、ビジネスの“基本型”ではない |
TPO別:どのストライプを選ぶべきか
就職面接・保守的な企業
- ネイビー×細ストライプ(左下がり・右下がりどちらも可)
- 決して派手すぎず、「清潔感×信頼感」が鍵
プレゼン・営業・外部商談
- 標準〜やや太めのストライプで、色のコントラストが適度にあるもの
- 相手の記憶に残りやすいが、奇抜すぎないこと
結婚式・パーティー
- シルバー・白・パステルのマルチストライプ
- ブラックスーツの場合は、黒×シルバーのクラシックな組み合わせが映える
以上、ネクタイのストライプの意味についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
