パーティーシーンにおけるネクタイ選びは、単に服装の一部ではなく「その人の印象を決定づける要素」のひとつです。
結び方ひとつでフォーマルにもカジュアルにも印象が変わるため、会場の雰囲気やドレスコードに合わせたノット(結び目)を選ぶことが大切です。
ここでは、スタイル別に最適な結び方を詳しく解説します。
フォーマルパーティーに最適:「ウィンザーノット」
特徴
ウィンザーノット(Full Windsor Knot)は、堂々とした正三角形の結び目が特徴。
名前はウィンザー公に由来しますが、公自身は幅広のネクタイで小さめの結び目を作っていたとも言われています。
しかしこの結び方は「威厳」「自信」「品格」を感じさせるため、結婚式や授賞式、格式ある晩餐会にぴったりです。
結び方のポイント
- ネクタイの太い方を長めにして首にかける。
- 太い方を細い方の上に交差させ、首元を一周させる。
- 反対側にも回して再度首元を通す(二重ループになる)。
- 前に作った輪の中に通し、形を整えながら上へ引き締める。
スタイルのコツ
- ワイドスプレッドカラーやカッタウェイカラーのシャツが相性抜群。
- 結び目が大きくなるため、薄手〜中厚のシルクタイを選ぶとバランスが取れる。
- 最後にディンプル(中央のくぼみ)を作ることで、立体感と高級感が生まれます。
セミフォーマル・二次会向け:「セミウィンザーノット」
特徴
ウィンザーノットを少し簡略化した形で、やや小ぶりな結び目が魅力。左右対称の美しいラインを保ちながら、かしこまりすぎない上品さを演出できます。
ビジネスパーティーや同窓会、二次会など「フォーマルすぎない場」に最適です。
結び方
- 太い方を細い方の上に交差。
- 首元を後ろから通して前に戻す。
- 前にできた輪に下から上へ通し、軽く引き締めて整える。
スタイルのコツ
- レギュラーカラーやワイドカラーのシャツに好相性。
- シルクやブレンド素材のネクタイで、厚すぎないものを選ぶ。
- フォーマルでもカジュアルでもバランス良く対応できます。
夜のパーティー・おしゃれ重視:「プレーンノット(フォーインハンド)」
特徴
最も基本的で汎用性の高い結び方。
別名「フォーインハンド(Four-in-Hand)」や「シンプルノット」とも呼ばれます。結び目がやや細長く、スマートで都会的な印象を与えます。
夜の立食パーティーやラウンジ系イベントなどにおすすめ。
結び方
- 太い方を細い方の上に交差。
- 首元の後ろから上に通して前へ出す。
- 前の輪に通して下に引き、形を整える。
スタイルのコツ
- ナロータイやサテン素材の細身ネクタイを使うとより洗練された印象に。
- あえて軽く傾けて結ぶと「こなれ感」が出ます。
- ボタンダウンやナロー襟との相性も抜群です。
きちんと感と洒落感を両立:「プラットノット(Pratt Knot)」
特徴
セミウィンザーより小ぶりで、フォーインハンドよりも対称的なシルエット。
「シェルビーノット」とも呼ばれ、程よいフォーマル感と軽快さが特徴です。
セミフォーマルからスマートカジュアルまで幅広く使えます。
スタイルのコツ
- 裏面を表にして結び始めるのがこのノットの特徴。
- レギュラーカラーのシャツと相性がよく、整った見た目ながら柔らかい印象を与えます。
- 厚手のネクタイだと結び目がやや大きくなるので、素材に注意。
個性派・おしゃれ上級者向け:「プリンス・アルバートノット」
特徴
プレーンノットにもう一巻き加えるだけで完成する結び方。縦に伸びた細めのシルエットに、さりげないボリューム感が加わり、他人と被りにくいスタイルです。
「控えめな華やかさ」を演出したい時に最適。
コツ
- ストライプ柄や無地タイで立体感を際立たせる。
- ディンプルを深めに入れて陰影を強調。
- ビジネスカジュアルやレセプションなど、「きちんと見せたいけど個性も出したい」場におすすめです。
ディンプルを制する者が印象を制す
どんな結び方でも、ディンプル(結び目下のくぼみ)を作るかどうかで印象が大きく変わります。
結び終えたら結び目直下を親指と人差し指で軽くつまみ、ネクタイを下方向に引きながら調整。
深めの一本溝を作ると、立体的で上品な印象に仕上がります。
結び方とシーンの対応表
| シーン | 結び方 | 印象 | 襟型 | 素材の相性 |
|---|---|---|---|---|
| 結婚式・フォーマルパーティー | ウィンザーノット | 威厳・格調高い | ワイド/カッタウェイ | 薄手〜中厚シルク |
| 二次会・同窓会 | セミウィンザーノット | 上品で柔らか | レギュラー〜ワイド | シルク・ブレンド |
| 夜のイベント | プレーンノット(フォーインハンド) | スマート・モード | ナロー/ボタンダウン | サテン・ナロータイ |
| ビジネスパーティー | プラットノット | 清潔感・安定感 | レギュラー | 中厚シルク |
| 個性派・上級者 | プリンス・アルバートノット | 知的・洒落感 | ナロー | 無地・細かい小紋 |
まとめ
パーティーシーンで最も重要なのは、「会場の雰囲気 × 自分のキャラクター」のバランスを取ることです。
- 格式ある会場なら、ウィンザーノット+上質シルクで堂々と。
- 二次会やレセプションなら、セミウィンザーやプラットノットで柔らかくスマートに。
- 夜の社交場やカジュアルパーティーでは、プレーンノットやプリンス・アルバートでおしゃれ感を演出。
細部にまで気を配ったネクタイの結び方は、あなたのスタイルや品格を自然に引き上げてくれます。
以上、パーティーの際におすすめのネクタイの結び方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
