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ネクタイは日本語でなんというのか

礼服,イメージ
目次

「ネクタイ」という言葉の由来

「ネクタイ(ネックタイ)」は、英語 necktie(neck=首+tie=結ぶ)に由来する外来語です。

明治時代の文明開化期、日本が西洋文化を積極的に取り入れ始めたころに洋装とともに伝わりました。

当初は「首元を飾る布飾り」として受け入れられ、やがて現在の形状・用途が定着し、「ネクタイ」という呼称が一般に広まりました。

日本語での定義

国語辞典では次のように定義されています。

ネクタイ【necktie】
洋服を着るとき、ワイシャツの襟の下に結んで装飾とする布。多くは絹製で、フォーマルまたはビジネスの場に用いられる。

つまり「ネクタイ」は単なるファッションアイテムではなく、礼儀・公的な印象を示す装いとして社会的な意味合いを持つものです。

日本文化におけるネクタイの役割

フォーマル・ビジネスシーンでの象徴

日本では「スーツ+ネクタイ」がビジネスの基本スタイルとされ、以下のような場面で着用が求められます。

  • 会議・商談・面接などの正式な場
  • 入社式・卒業式・結婚式などの儀礼的行事
  • 顧客対応・営業活動などの外向きの業務

ネクタイを締めることは、「心を引き締める」「礼を尽くす」という行為の象徴でもあります。

このため、日本語では比喩的に「ネクタイを締める」という表現が「仕事モードに入る」「気持ちを切り替える」という意味で使われます。

例:「明日のプレゼンに向けてネクタイを締め直す」
→ 「気を引き締めて臨む」という意味。

ネクタイの種類と日本語での呼び方

日本語では、形や素材、柄によってさまざまな呼び分けがあります。

種類特徴・意味
蝶ネクタイ(ボウタイ)蝶の形に結ぶネクタイ。フォーマルなタキシードやパーティースタイルで使用。婦人用の「ボウタイ・ブラウス」とは用途が異なる。
ナロータイ(細ネクタイ)幅の狭いネクタイ。若々しくモードな印象を与える。
レジメンタルタイ英国の連隊ストライプ由来。英式は「左上→右下」、米式は「右上→左下」に柄が下がる。日本では米式が多く流通。
無地のネクタイ(ソリッドタイ)シンプルで落ち着いた印象。式典や面接など最もフォーマルな場に適する。
ニットタイ編み込み素材で柔らかくカジュアルな印象。軽装日やクールビズにも合う。

日本語での使い方の例文

  • 今日は紺色のネクタイを締めて出勤した。
     → 色による印象を意識した表現。
  • ネクタイが曲がっているよ。
     → 日常での身だしなみの指摘。
  • クールビズでネクタイを外す。
     → 夏季の軽装化(環境省の取り組み)を指す。
  • 父の日にはネクタイを贈る。
     → 贈り物の定番表現。

贈り物としての意味と文化

ネクタイは、日本では「贈り物」としての文化的意味も強いアイテムです。

とくに以下の場面で選ばれます。

  • 父の日:感謝や尊敬の象徴。
  • 就職祝いや昇進祝い:社会人としての新しい門出を祝う意味。
  • 成人式:大人としての責任と自立を象徴。

ネクタイを贈ることは「あなたを応援しています」「立派に見られてほしい」という気持ちを込めた行為でもあります。

現代の変化と多様化

2005年以降に始まったクールビズ運動の浸透や、近年のテレワーク普及によって、ネクタイを日常的に着用する機会は減少しました。

それでも、面接・式典・公式行事など「フォーマルな場では必須」という社会的意識は根強く残っています。

一方で、ファッションとしての自由度は高まり、素材・色・柄の多様化が進んでいます。

個性や季節感を表現するアイテムとしても再評価されつつあります。

まとめ

項目内容
日本語での言い方ネクタイ(外来語)
語源英語 necktie(首+結ぶもの)
定義シャツの襟元に結ぶ装飾布。礼装・ビジネスの象徴。
関連語蝶ネクタイ、ナロータイ、レジメンタルタイ、ソリッドタイ、ニットタイ
文化的意味礼儀・社会的責任・感謝・気持ちの切り替えを象徴
近年の動向クールビズ・テレワークで着用頻度は減少。ただしフォーマルでは必須

補足:言葉としての位置づけ

日本語の「ネクタイ」は、完全に定着した外来語(外来語彙)であり、和語や漢語では対応語が存在しません。

したがって「ネクタイ」は日本語の中でも独立した一単語として扱われ、発音・語形変化も日本語化されています。

以上、ネクタイは日本語でなんというのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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