使わなくなったネクタイを、上品で個性的な蝶ネクタイに生まれ変わらせてみませんか?
ここでは、裁縫初心者でも挑戦しやすい「プレタイド(結び済み)タイプ」の蝶ネクタイの作り方を、プロの手順で詳しく解説します。
フォーマルにもカジュアルにも使える、一点もののリメイクアイテムが完成します。
目次
準備するもの
材料
- ネクタイ(シルク素材がおすすめ)
- 薄手の接着芯(伸び止め効果のある織りまたはトリコットタイプ)
- 共布またはグログランテープ(首ベルト用・幅15〜18mm)
- アジャスター金具セット(スライダー+フック)
- 縫い糸(生地に合わせた色)
道具
- リッパー(縫い目をほどくため)
- 布用ハサミ・定規・チャコペン
- ミシンまたは手縫い針
- アイロン(ドライ推奨)
- あて布・クリップ・目打ち
ネクタイ選びのポイント
- 素材:シルクやポリエステル混紡が最適。光沢があり形が整いやすい。
- 柄:小紋柄・ストライプ・ペイズリーなど、中央が強調される柄が映えます。
- 避けたい生地:厚手ウールやフランネルなど伸びやすい生地。扱いに慣れていればOKですが、初心者は避けた方が安心です。
型紙サイズの目安
部位 | 長さ | 幅 |
---|---|---|
本体(羽部分) | 約12cm | 約6cm |
センター帯(結び目) | 約6〜8cm | 約1.8〜2.2cm |
首ベルト | 首回り+5cm | 約1.5〜1.8cm |
※ ベルトの幅は使用する金具のサイズに合わせて調整しましょう。
手順1:ネクタイの分解と下処理
- ネクタイの裏側の縫い目をリッパーで丁寧にほどき、芯地を取り出します。
- アイロン(ドライモード・低温)で軽く整え、シワを伸ばします。
- 生地が伸びないよう、荒断ち → 全面に接着芯を貼る → 型紙どおりに正寸裁断の順で進めます。
→ タイはバイアス裁ちのため、芯を貼ることで伸びを防ぎます。
手順2:本体(羽部分)の縫製
- 型紙に合わせて2枚の布を裁断し、中表に合わせて縫い代約7mmで縫います。
- 返し口(3cmほど)を残して縫い終わったら、角をカットして表に返します。
- 目打ちで角を整え、あて布をしてアイロンで形を整えます。
- 返し口をまつり縫いで閉じ、平らに整えます。
- 立体感を出したい場合は2層構造にして、上段・下段を重ねて使うと華やかです。
手順3:センター帯の作成
- 約2cm幅の細長い布を中表に折り、縦を縫って筒状にします。
- 表に返して軽くアイロンをかけます。
- 本体を三つひだ(M字)に折り、センター帯を中央に巻きつけて裏で手縫い固定します。
→ 裏の縫い代が厚い場合は、余分をカットして段差を減らすときれいに仕上がります。
手順4:首ベルトの作成
- 共布またはグログランテープを首回り+5cmの長さにカットします。
- 一方にフック、もう一方にスライダーを取り付けて長さを調整できるようにします。
- 蝶ネクタイ本体の裏にループを付け、ベルトを通します。
※ ゴムベルトやスナップボタンでも代用可能ですが、強度と見栄えを考えると金具仕様がおすすめです。
手順5:仕上げと成形
- 形を整えながら、ドライアイロン+あて布で軽く押さえます。
- 必要に応じて、羽のひだの裏に数針だけ隠しステッチを入れると、型崩れを防げます。
- 最後に金具の長さを調整し、首にフィットするように調整すれば完成!
仕上がりを美しく見せるコツ
よくある失敗 | 改善策 |
---|---|
生地が波打つ | 裁断前に全面芯を貼る |
角が丸まる | 角をカットし、目打ちで整形 |
センターが厚ぼったい | 帯の裏の縫い代を削ぐ |
全体が平たい | 二層構造+隠しステッチで立体感UP |
金具が外れる | スナップよりもフック+スライダーを使用 |
お手入れ方法
- シルク素材は水洗いNG。汚れた場合は部分的にドライタッチで叩き取るか、専門のクリーニングへ。
- スチームアイロンは水滴シミの原因になるため、ドライで軽く押さえるだけにしましょう。
- 使用後は湿気を避け、吊るして保管します。
アレンジ例
- ダブル蝶ネクタイ:異なる柄を重ねて華やかに。
- ミニサイズ(キッズ・レディース向け):髪飾りやブローチとしても活用可能。
- 複数のネクタイを組み合わせたパッチワーク風:ファッション性が高く、存在感抜群です。
まとめ
ネクタイの蝶ネクタイ化は、単なるリメイクではなく“記憶を纏うデザイン”です。
かつてのビジネスアイテムが、フォーマルにもカジュアルにも映えるアクセサリーとして蘇ります。
丁寧に芯を貼り、形を整えながら縫うことで、既製品に負けない仕上がりに。
一度覚えれば、思い出のネクタイをいくつも新しい形に変えることができます。
以上、ネクタイを蝶ネクタイにリメイクする方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。