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一般的なスーツの原価率について

スーツ,イメージ

スーツの「原価率」について、単なる数字だけでなく、業界の仕組み・計算方法・販売価格との関係も含めて詳しく解説します。

目次

原価率とは

原価率とは、販売価格に対して原価(仕入れ・製造コスト)が占める割合を指します。

原価率(%)=原価÷販売価格​×100

スーツの場合、原価には生地代・付属品代・縫製費・物流費などの直接コストが含まれます。

企業によっては広告費や店舗経費を含めるケースもありますが、一般的な原価率計算では製造・仕入れまでのコストが対象です。

一般的なスーツの原価率(小売業)

スーツは販売チャネルやブランド戦略によって原価率が大きく変わります。

販売形態原価率の目安
量販店(既製品・国内大手チェーン)約20〜30%
百貨店ブランド約25〜35%
高級ブランド(舶来生地・高級仕立て)約35〜50%
オーダースーツ(パターンオーダー)約35〜55%
フルオーダー(ビスポーク)約50〜70%

原価率が変わる理由

  • 販売価格戦略
    • 量販店は大量生産・大量販売で価格を抑えるため原価率は低め(20〜30%)
    • 高級ブランドはブランド価値や希少性で販売価格を高く設定できるため原価率は高め
  • 生地の仕入れ単価
    • 国産ポリエステル混紡:1mあたり500〜1,000円
    • イタリア製ウール100%:1mあたり5,000〜20,000円以上
  • 縫製コスト
    • 海外縫製(中国・ベトナム等):1着あたり2,000〜5,000円程度
    • 国内縫製(特に手縫いや高難度仕様):1着あたり20,000円以上
  • 販管費構造
    • 広告費、販売員の人件費、店舗家賃などをどこまで原価に含めるかで計算が変動

実例イメージ

例:量販店のスーツ(販売価格:¥30,000)

  • 生地代:¥4,000
  • 付属品(ボタン・芯地など):¥1,000
  • 縫製費(海外工場):¥4,000
  • 物流費:¥500
    → 原価合計:¥9,500
    原価率 = 9,500 ÷ 30,000 ≈ 31.6%

百貨店や高級ブランドとの違い

高級ブランドでは同じ「ウール100%」でも、

  • 産地(ビエラ、ハダースフィールドなど)
  • 織りの密度や仕上げ
  • 完全手縫い工程の有無
    により生地や縫製費が跳ね上がり、原価率が40〜50%以上になるケースも珍しくありません。

注意点

  • 原価率が高い=高品質とは限らない
    ブランド料やデザイン料が原価に含まれる場合もあります。
  • 低価格=低原価率だが、量販店では大量販売で利益を確保するモデルなので必ずしも粗悪品ではない

以上、一般的なスーツの原価率についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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