スーツにアイロンをかけるのは、ワイシャツとは大きく異なり「繊細さ」と「立体感」を崩さないことが大切です。
間違った方法だとテカリや型崩れの原因になるため、正しい手順と注意点を押さえておきましょう。
以下で詳しく解説します。
目次
基本的な考え方
- 直接アイロンを当てない
スーツ生地は熱や圧力に弱いため、必ず「あて布(綿素材がおすすめ)」を使用します。 - 高温は避ける
ウールやポリエステル混紡が多いので、中温(140~160℃)を基準に。 - 押さえるより「浮かせて蒸気」
無理に押さえつけるとテカリが出るので、スチームを活かしてシワを伸ばすのがコツです。 - 部分ごとに仕上げる
一度に全体を伸ばそうとせず、「襟 → 肩 → 袖 → 前身頃 → 後ろ身頃 → パンツ」の順番で進めるときれいに仕上がります。
用意するもの
- スチームアイロン
- あて布(白いハンカチやガーゼでも可)
- アイロン台(ジャケットはハンガーに吊るしてスチーム仕上げも有効)
- パンツプレス台があればなお良し
ジャケットのアイロンのかけ方
襟(ラペル)
- あて布をのせ、アイロンを軽く浮かせながらスチームを当てる。
- 内側から外側へ向かって流すように。
肩・背中
- アイロン台に肩をかぶせるようにして置く。
- あて布をして、スチームをふんわりあて、手で形を整える。
袖
- 縫い目を基準に軽くスチームをあてる。
- 折り目がつかないように円筒形の状態を保つ。
前身頃・後ろ身頃
- あて布を敷き、シワの気になる部分だけスチームを使って整える。
- 無理にプレス線をつけないよう注意。
パンツのアイロンのかけ方
クリース(折り目)を強調する
- 裏返して全体にスチームを当て、シワをリセット。
- 表に戻し、縫い目を合わせて折り目を決める。
- あて布をして、膝から裾 → 腰から膝の順で軽く押さえる。
- 折り目は「膝で一旦止める」のがクラシックなルール。裾まで一直線に入れるかは好み。
注意点
- テカリ防止:直接アイロンを当てない、あて布必須。
- スチーム活用:しつこいシワはスチームを当てた後に手で形を整える。
- 頻度:毎回かける必要はなく、シワが気になる時や数回着用後で十分。
- 代替手段:ハンガーに吊るし、スチームアイロンやシャワーの蒸気でシワを落とす方法も有効。
仕上げと保管
- アイロン後は完全に乾かし、熱を冷ましてからクローゼットへ。
- 厚みのある木製ハンガーを使って立体感を保つ。
- カバーは不織布の通気性のあるものを。
まとめると、「スーツは押さえつけるのではなく、スチームで浮かせて整える」「部分ごとに順序立てて進める」ことがポイントです。
以上、スーツのアイロンのかけ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。