ローファーの起源について

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ローファーは、紐を使わずに履くことができるスリッポン型の革靴で、現在ではビジネスからカジュアルまで幅広いスタイルで使用されています。

しかし、この靴は単一の国や人物が発明したものではなく、北欧・イギリス・アメリカ・イタリアという複数の文化の影響を受けて発展した靴です。

ここでは、ローファーの誕生から世界に広まるまでの歴史を順を追って解説します。

目次

ノルウェーの靴が原型とされる理由

ローファーの原型としてよく挙げられるのが、ノルウェー西部の村 Aurland(オーラン) で作られていた革靴です。

20世紀初頭、この地域では紐を使わないスリッポン型の革靴が作られていました。

これらは後に 「Aurland shoe(オーランドシュー)」 と呼ばれるようになります。

この靴の発展には、ノルウェーの靴文化だけでなく、北米先住民のモカシンの影響もあったとされています。

モカシンは、柔らかい革を足の形に沿って縫い合わせる構造を持つ靴で、履き心地がよく、脱ぎ履きが容易でした。

こうした特徴がAurlandの靴にも取り入れられ、スリッポン型の革靴として発展していきます。

このAurlandの靴は1930年代頃からヨーロッパやアメリカで知られるようになり、後のローファーのデザインに影響を与えたと考えられています。

イギリスで生まれた「ハウスシューズ」

ローファーの歴史を語るうえで欠かせないのが、イギリスの靴メーカー Wildsmith が作った靴です。

1926年、靴職人 Raymond Lewis Wildsmith は、後に英国王となる ジョージ6世(当時はまだ王ではなく王族)から依頼を受け、新しいタイプの靴を制作しました。

この靴は、英国のカントリーハウスで履くための house shoe(ハウスシューズ) として作られたものです。

特徴は次の通りでした。

  • 靴紐がないスリッポン構造
  • シンプルで上品なデザイン
  • 室内やリラックスした場面で履ける靴

この靴は後に Wildsmith Loafer と呼ばれ、ローファーの歴史の中で重要なモデルとして知られるようになります。

アメリカで広まったペニーローファー

ローファーを世界的に普及させたのは、アメリカの靴メーカーです。

1936年、アメリカの会社 G.H. Bass は、ノルウェーのスリッポン型の靴に着想を得て Weejuns(ウィージャンズ) という靴を発売しました。

この靴は甲の部分に革のストラップがあり、その中央には小さな切れ込み(スリット)が入っています。

このスリットにアメリカの学生たちが 1セント硬貨(ペニー) を入れる習慣が生まれました。

このことから、このタイプのローファーは 「ペニーローファー」 と呼ばれるようになります。

1950年代になると、この靴はアメリカの大学文化、特にアイビーリーグの学生たちの間で広く履かれるようになりました。

ブレザーやチノパンと合わせるプレッピースタイルの象徴として、ペニーローファーはアメリカの若者文化に深く根付いていきます。

イタリアで誕生したビットローファー

ローファーを高級ファッションの世界に押し上げたのが、イタリアのブランド Gucci です。

1953年、Gucci は金属の馬具をモチーフにした装飾を甲に付けた Horsebit Loafer(ホースビットローファー) を発表しました。

この靴の特徴は次の通りです。

  • 甲の部分に金属製のホースビット(馬具のモチーフ)
  • エレガントでドレッシーなデザイン
  • スーツにも合わせやすいシルエット

このモデルは世界中のビジネスマンや著名人に愛用され、ローファーを単なるカジュアル靴から、洗練された革靴の一種へと押し上げる役割を果たしました。

現在でもホースビットローファーは、ローファーの代表的なデザインの一つとされています。

「ローファー」という名前の意味

ローファー(loafer)という言葉は、英語で 「怠け者」や「ぶらぶらしている人」 を意味します。

靴の名前としてこの言葉が使われるようになった理由は、ローファーが 紐を結ぶ必要がなく、簡単に履いたり脱いだりできる靴であることに由来すると考えられています。

当時の革靴の多くはオックスフォードやダービーのような紐靴でした。

そのため、スリッポン型の革靴は非常に気軽に履ける靴として認識され、この名前が定着したといわれています。

ローファーが世界で定着した理由

ローファーが長く愛されている理由は、その汎用性の高さにあります。

まず、紐がないため着脱が簡単で、日常的に使いやすい靴であることが挙げられます。

また、デザインによってカジュアルにもドレスにも対応できる点も大きな特徴です。

例えば、

  • ペニーローファー
  • タッセルローファー
  • ビットローファー

など、さまざまな種類が存在し、それぞれ異なるスタイルに合わせることができます。

まとめ

ローファーは一つの国で誕生した靴ではなく、次のような歴史の流れの中で形成されました。

  1. ノルウェーの Aurland shoe とモカシン文化
  2. イギリスの Wildsmith が作ったハウスシューズ
  3. アメリカの G.H. Bass による商業化とペニーローファーの普及
  4. イタリアの Gucci による高級ファッションへの発展

このように、ローファーは複数の国の靴文化が重なり合って生まれた革靴です。

現在では世界中で履かれる定番の革靴となり、カジュアルとフォーマルの中間に位置する独特の存在として、ファッションの中で重要な役割を果たし続けています。

以上、ローファーの起源についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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