スーツの「ポケットのベロを出す」というのは、ジャケットの腰ポケットや胸ポケットに付いている「フラップ(蓋)」の出し方・扱い方のことを指します。
これは着こなしのマナーやシーンによって意味があるので、詳しく解説します。
目次
ポケットのベロ(フラップ)とは?
スーツのポケットには大きく分けて以下の種類があります。
- フラップポケット:外側に「ベロ(蓋)」がついたポケット。もっとも一般的。
- パッチポケット:カジュアル用。貼り付けタイプでフラップなし。
- 玉縁ポケット(両玉縁):蓋がなく切れ目だけのスマートなタイプ。フォーマル寄り。
フラップ付きポケットの「ベロ」は、内側にしまっても、外に出しても使えるように作られています。
ベロを出す・しまうの基本マナー
- 屋外(カジュアル寄りの場)ではベロを出す
→ 風や埃からポケットの中身を守るための実用的な役割。 - 室内(フォーマルな場)ではベロをしまう
→ 室内ではホコリが少なく、ベロをしまうとスーツ全体がすっきりしてフォーマルに見える。
つまり、「外では出す」「中ではしまう」 が基本マナーとされています。
出し方としまい方の手順
実際にどうするのか、簡単に手順をまとめます。
- ベロをしまう場合
- フラップを持って指で軽く押し込み、ポケットの中に収納します。
- 無理に折り曲げないように、縫い目に沿ってすっと入れるのがポイント。
- ベロを出す場合
- 内側に入っているフラップをつまんで外に引き出します。
- アイロン跡のように折り癖がついている場合は、軽くスチームを当てると綺麗に戻せます。
注意点
- 左右で非対称は避ける
→ 片方だけ出して片方はしまう…というのは不自然なので必ず両方揃える。 - 新品のスーツは仮縫いを外す
→ 買ったばかりのスーツは、ポケットが仮縫いで閉じられていることがあります。糸を切らないとベロも動かせません。 - TPOに合わせて使い分ける
→ ビジネスシーンや冠婚葬祭などフォーマル度が高い場は「しまう」、オフの外出やカジュアルなシーンでは「出す」など、使い分けるとスマート。
例外と最近の傾向
- 日本のビジネスシーンでは、常にベロを出している人も多い
→ 厳格にマナーを守る人は減ってきています。 - 礼装(ブラックスーツやタキシード)では必ずしまう
→ 本格的なフォーマルではベロを出すのはマナー違反に見えることも。
まとめると
- 基本ルールは「外では出す・中ではしまう」
- TPOに合わせて調整
- 左右は必ず揃える
- 礼装は必ずしまう
以上、スーツのポケットのベロの出し方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。