スーツのポケットのフラップ(ポケットの上に付いている布のふた状の部分)は、実用性とデザイン性の両方を兼ね備えたディテールで、スーツの印象を大きく左右します。
以下で詳しく整理して解説します。
目次
フラップの役割
- 実用的な役割
本来はポケットに雨や埃が入るのを防ぐ目的で付けられました。特にアウトドアや軍服由来のスーツで重視されたディテールです。 - 装飾的な役割
現在では実用性よりも、スーツの表情を変える装飾的な役割が大きく、カジュアルかフォーマルかを判断する基準にもなります。
フラップの種類とデザイン
- フラップポケット(最も一般的)
- 現代のビジネススーツでよく見られる形。
- バランスがよく、どんな場面にも対応できるため「無難で安心」。
- カジュアルさとフォーマルさの中間に位置。
- スラント(斜め)フラップポケット
- フラップ自体が斜めにカットされているタイプ。
- 英国風のスポーティな雰囲気を演出。
- 馬に乗るときに物を取り出しやすいよう工夫されたのが起源。
- チェンジポケット付きフラップ
- 通常のフラップポケットに加えて、小さなフラップポケットが重ねられているデザイン。
- 英国調のクラシックなスーツに多い。格式を演出したいときに効果的。
- ノーフラップ(玉縁ポケット)
- フラップがなく、切り込みだけのシンプルなスタイル。
- フォーマル度が高く、タキシードや礼装用ジャケットに多用。
- 都会的でスマートな印象を与える。
フラップの扱い方(マナー)
- ビジネスシーンでの基本
普段はフラップを外に出しておくのが一般的。 - フォーマルな場(結婚式、葬儀、式典など)
フラップをポケットの中に入れて「玉縁ポケット」のように見せるのが望ましいとされます。これでよりフォーマル感が高まります。 - カジュアルシーン
出したままでも問題なし。スポーティな印象が強調されます。
スーツ全体とのバランス
- ビジネス向き
フラップありの標準的なポケットが無難。 - フォーマル向き
ノーフラップ(玉縁)が最適。 - 英国調・クラシック
斜めフラップやチェンジポケット付き。 - 都会的・モード感を出したい
フラップを中に入れるか、最初からノーフラップ仕様を選ぶ。
まとめ
スーツのフラップは「雨よけの実用性」から始まりましたが、現代では「TPOを表現するデザイン要素」としての意味合いが大きくなっています。
- 普段は出しておく
- 格式が必要な場ではしまう
- スーツのデザインや着こなしに合わせて調整する
この使い分けを意識することで、スーツ姿に奥行きと洗練さが加わります。
以上、スーツのポケットのフラップについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。