ワイシャツの丈が長すぎると、裾がもたついたりパンツから出やすくなったりします。
そんなとき「自分で丈詰めできないかな?」と思う方も多いはずです。
実は、道具と手順を正しく守れば自分でも丈詰めは可能です。
ただし、シャツの形状によっては難易度が上がるため、注意が必要です。
まず確認!自分でできる丈詰めの種類
ワイシャツの丈詰めには以下の2タイプがあります。
| 種類 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| ストレート裾丈詰め | 裾がまっすぐなデザインを短くする | ★☆☆(初級) |
| ラウンド裾丈詰め | 裾が丸くカーブしているデザインを短くする | ★★☆(中級) |
| ガゼット付き丈詰め | 脇に三角の補強布があるタイプを詰める | ★★★(上級) |
自分でやるなら「ストレート裾」が最も簡単です。
ラウンド裾やガゼット付きはプロに依頼するのが無難ですが、正しい手順を踏めばDIYも可能です。
準備する道具
- 布用チョークまたは消えるペン
- メジャーまたは定規
- 糸切りばさみ
- 裁ちばさみ
- まち針またはクリップ
- アイロン
- ミシン(手縫いの場合は針と糸)
- 同色のミシン糸(60番前後)
- ミシン針(9〜11号:薄地用)
ワイシャツの生地は薄くて滑りやすいので、細い針と細糸で縫うのがコツです。
手順:まっすぐな裾の丈詰め
STEP 1:仕上がり丈を決める
ワイシャツを着用し、鏡の前で理想の長さを確認します。
立った状態と座った状態の両方で確認し、ベルトが完全に隠れる程度がバランスのよい目安です。
短くしすぎると動いたときにシャツが出やすくなるので注意。
STEP 2:印を付ける
- 希望の仕上がり位置に線を引く(=仕上がり線)。
- そこから裾側へ2cm下げた位置を「カット線」とします。
- 三つ折りで1cm+1cm折るため、2cmが必要です。
- 例:5cm短くしたい場合 → 元の裾から上に5cmが仕上がり線 → その2cm下(=上に3cmの位置)でカット。
STEP 3:カットする
カット線に沿って慎重に裁ちます。
ストライプ柄やチェック柄の場合は、左右で柄の高さが揃うように気をつけましょう。
STEP 4:折り上げてアイロンで癖付け
カットした裾を1cm折り、さらにもう1cm折って三つ折りにします。
折ったらスチームアイロンでしっかり押さえて、折り目を固定しましょう。
この「下準備」が美しい仕上がりの鍵です。
STEP 5:ミシンでステッチをかける
折り山から2〜3mm内側をミシンで縫います。
ステッチの長さは2.3〜2.6mmが自然で、既製品のような仕上がりになります。
縫うときは布を引っ張らず、アイロンで作った折り目をガイドにして進めるのがコツです。
STEP 6:アイロンで仕上げ
最後に軽くスチームをあて、冷アイロンで落ち着かせます。
波打ちや縫い縮みを防ぎ、シャツの裾が自然に馴染みます。
ラウンド裾・ガゼット付きシャツの注意点
ラウンド裾の場合
- カーブが強いため、1cm+1cmではなく5mm+5mmの細い三つ折りが望ましいです。
- 折りやすくするために、カーブに沿って2〜3cm間隔で浅い切り込み(ノッチ)を入れましょう。
- ステッチ前に軽くアイロンで「イセ(縮み)」を寄せると波打ちを防げます。
ガゼット(三角補強布)がある場合
- 裾詰め部分にかかるなら一度外してから再縫い付けが基本です。
- そのまま詰めると脇のラインが歪むため注意。
- 後ろ身頃の方が長くなっている「前後差」は必ず元通りに保ちましょう。
手縫いで仕上げる場合(ミシンがない人向け)
ミシンがなくても手縫いで対応可能です。
- すくい縫い(まつり縫い):表に糸が出にくく、自然な仕上がり。
- 本返し縫い+表ステッチ:強度を上げたい場合におすすめ。
ただし、ビジネスシャツなどの耐久性や見栄えを重視する場合はミシン縫いが推奨です。
よくある失敗と対策
| トラブル | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 裾が波打つ | 折り目が甘い/カーブが強い | 細幅三つ折り+ノッチ+アイロンで再癖付け |
| 糸が引きつる | 上糸テンションが強すぎる | 上糸を弱める・糸掛けをやり直す |
| 左右の長さが違う | 印付け時にズレ | 水平を定規で確認しながら線を引く |
業者に依頼する場合の料金目安
| 内容 | 相場 |
|---|---|
| ストレート裾丈詰め | 約1,500〜2,500円 |
| ラウンド裾丈詰め | 約2,500〜3,500円 |
| ガゼット付き再縫製 | 約3,000〜4,000円 |
クリーニング店や洋服リフォーム専門店でも対応しており、仕上がりの精度と時間を重視するならプロ依頼もおすすめです。
仕上がりチェックリスト
- 裾のラインが水平で前後差が保たれている
- 三つ折り幅が均一(1cmまたは5mm)
- ステッチが2〜3mm内側で真っすぐ
- ラウンド部分は波打っていない
- スチーム後に冷アイロンで形が落ち着いている
まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 難易度 | ストレート裾は初心者でも可能、ラウンド裾は中級者向け |
| 必要道具 | メジャー・チョーク・ミシン・アイロン |
| 仕上がりのコツ | 折り目のアイロン癖付け・テンション調整・細幅ステッチ |
| プロ依頼の目安 | 1,500〜3,500円前後 |
以上、ワイシャツの丈詰めは自分でできるのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
