仕事終わりや移動中、「少しネクタイを緩めたい」と思う瞬間はありませんか。
しかし、何気なく引っ張ってしまったり、片手で乱暴に外したりすると、ネクタイが傷む・型崩れする・見た目が乱れるといったトラブルにつながります。
ここでは、正しい緩め方・やってはいけない動作・美しく見える所作・結び方別の注意点まで、プロの視点でわかりやすく解説します。
目次
正しいネクタイの緩め方【基本手順】
以下は、最も一般的な「プレーンノット(シンプルノット)」の例です。
襟のボタンに触る前に、ネクタイへ手を添える
いきなり第一ボタンを外さず、まずはネクタイの結び目を軽く押さえます。
これだけで型崩れが大幅に防げます。
小剣(細いほう)を優しく“下方向へ”引く
親指と人差し指で小剣をつまみ、ゆっくり下へ引きます。
- ねじらない
- 強く引っ張らない
- 芯地(中の布)を潰さないように
結び目を胸側へ少し下げる
結び目の両側を指で軽く支えながら、喉側へ押し上げるのではなく、胸側へ下げるのが正解です。
これで首元に空間ができます。
必要に応じて第一ボタンを外す
緩めてからボタンを外したほうが、見た目もスマートでシャツの生地も傷みません。
結び目の形を軽く整え、崩さずキープ
整った結び目を保ったまま胸元に下げておくと、だらしなく見えず、余裕のある印象になります。
やってはいけないNGな緩め方
| NG行動 | 何が問題なのか |
|---|---|
| 結び目を握って力任せに引く | 芯地が潰れ、形が戻らなくなる |
| 小剣・大剣を勢いよく引き抜く | 内側の縫製が傷み、シワやヨレの原因に |
| 襟のボタンを先に外す | ネクタイが不自然に歪み、結び目が崩れやすい |
| 結びっぱなしで保管する | シワとクセが定着し、寿命を縮める |
| 喉元へ向かって結び目を押し上げる | 緩まず、むしろ首が苦しくなる(大きな間違い) |
スマートに見える“所作のポイント”
ビジネスの場では「どう緩めるか」も見られています。
特に女性や上司の前では次の3つを意識すると好印象です。
- 両手で丁寧に扱う(片手で乱暴に引っ張らない)
- ゆっくり、無駄のない動きで緩める
- 結び目の形やディンプル(くぼみ)をできるだけ崩さない
わずか10秒の所作で、「疲れた人」ではなく「上品にきちんと緩められる人」に見えます。
結び方による違いと注意点
| 結び方 | 緩める際のポイント |
|---|---|
| プレーンノット | 小剣を下に引くだけでOK。最も摩擦が少ない。 |
| ダブルノット | 巻きが多い分固くなりやすい。少しずつ緩めるのが鉄則。 |
| ハーフ/フルウィンザー | 面が広く摩擦が大きい。結び目を両手で支えながら慎重に。 |
| ボウタイ(蝶ネクタイ) | 自分で結ぶタイプは解くのが基本。フック式は後部アジャスターで調整。 |
緩めた後にやるべき“正しいケア”
ネクタイは緩めた後の扱い方で寿命が大きく変わります。
正しいアフターケア
- 帰宅後は必ずほどいて伸ばす
- ネクタイハンガーに掛け、自然にシワを取る
- シワが強い場合はスチームのみ軽く(アイロン直当てはNG)
避けるべきこと
- 結びっぱなしでクローゼットへ
- 丸めてポケットへ押し込む
- シワをアイロンでプレスしてテカらせる
まとめ
| 正しく緩めるコツ | 解説 |
|---|---|
| 小剣を優しく下に引く | 結び目の締まりをほぐす |
| 結び目は胸側へ下げる | 首元に空間を作る正しい方向 |
| ボタンは後から外す | 型崩れを防ぎ、所作も上品 |
| 結びっぱなし保管はNG | ネクタイの寿命を短くする |
| 丁寧な動作=印象が変わる | 同じ動作でも評価が分かれる |
以上、ネクタイの正しい緩め方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
