今回は「ネクタイのほつれ」について、原因から対処法、予防法、応急処置、プロに依頼する場合など、実用的かつ詳しく解説します。
ネクタイはビジネスの印象を大きく左右するアイテムであり、ほつれをそのままにしておくと清潔感や信頼感が損なわれるだけでなく、ネクタイ自体の寿命も縮める原因になります。
ぜひ以下を参考にしてください。
目次
ネクタイの“ほつれ”が起こる原因
| 主な原因 | 詳しい説明 | 
|---|---|
| 摩擦 | ジャケットやカバンの肩掛け部分と擦れることで、生地の表面が毛羽立ち、糸が出てくる。 | 
| 引っ掛け | デスクの角・胸ポケットのボールペン・マジックテープなどに糸が引っかかってほつれが生じる。 | 
| 結ぶ・ほどく際の力 | 強く引っ張って結ぶと、生地や縫い目に負荷がかかり、芯地から糸が飛び出すことがある。 | 
| improper storage(仕舞い方の問題) | 小さく丸めて押し込む、ハンガーに無造作にかけるなどで形崩れや糸の緩みを招く。 | 
| 経年劣化 | シルクやウールなど天然素材は、長期の使用で繊維が弱くなり、表面がほつれやすくなる。 | 
ネクタイの“ほつれ”の種類と見分け方
| ほつれのタイプ | 特徴 | 対処の難易度 | 
|---|---|---|
| 表面の毛羽立ち・細かな糸の飛び出し | 生地表面がザラザラしている | ★(簡単) | 
| 1本糸が出ている(引きつれ) | 糸がピンと出ており、放置すると広がる | ★★(中) | 
| ステッチ(端の縫い目)がほつれている | 大剥がれ、糸が連続的にほつれている | ★★★(やや難) | 
| 生地が裂けかけている・破れに近い | 裂けや穴が見えている | ★★★★(修理費用も高く、買い替え検討レベル) | 
自分でできるほつれの応急処置と修復方法
表面の毛羽立ち程度であれば
- 毛玉取り専用ハサミや電動毛玉取り器で、飛び出した糸だけを優しくカット。
 - 注意点:絶対に引っ張らず、糸の根本だけを少しずつ切る。
 
一本の糸がピンと飛び出している場合
方法① 糸を引かず、根元でカットする
- 糸を軽く抑えて位置を確認
 - 小さな裁縫用ハサミで根元をカット
 - その後、アイロンを低温(シルクなら当て布必須)でプレスし、生地を整える
 
方法② 裏側から糸を戻す(上級)
- 針穴が小さいときは、ニッパー型ピンセットや毛抜きを使い、裏地側へ丁寧に糸を引き戻す。
 - 出た糸を戻すことで、織り柄の崩れを防げる。
 
エッジ(縁)・ステッチのほつれ
- 透明の布用接着剤(裁ほう上手など)を少量使用
 - 爪楊枝で接着剤を糸部分に塗り、5~10分圧着して固定
 - 質の高いネクタイであれば、プロのクリーニング店(リペア対応)へ依頼した方が安全
 
プロに修理を依頼すべきケース
| 状況 | 依頼先 | 費用相場 | 
|---|---|---|
| 縁のほつれ・芯地が見える状態 | 洋服お直し店・ネクタイ専門修理 | 1,000〜3,000円 | 
| 裂け・破れ・剣先のほつれ | 高度な縫製技術が必要 | 3,000〜6,000円 | 
| ブランドネクタイ(HERMÈSなど) | ブランド正規リペア or 専門店 | 状況により5,000〜10,000円超 | 
予防するための保管と使い方
着用後のケア
- ネクタイをほどいたら、強く引っ張らず、結び目をゆっくり解く
 - すぐに丸めず、まっすぐ吊るして休ませる(24時間が理想)
 
保管方法
| 方法 | メリット | 
|---|---|
| ネクタイハンガーに吊るす | シワ防止・形が戻る | 
| 軽く丸めて引き出しに収納 | 出張や旅行に◎ | 
| 防虫シート+乾燥剤で保管 | シルク保護に効果的 | 
まとめ
- ネクタイのほつれは「引っ張らず、切る・戻す」が基本。
 - 端やステッチのほつれは、早めに補正しないと大きく広がる。
 - 高価なシルクネクタイの場合、迷ったらプロへ依頼した方が結果的に長持ちする。
 - 着用後のケア・適切な保管を習慣化することで、寿命は2倍以上に伸びる。
 
以上、ネクタイのほつれについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
