通勤途中や移動中、外したネクタイをバッグの持ち手にくるっと巻き付けている人を見かけることがあります。
一見すると便利な方法に思えますが、ビジネスマナーとしては「避けたほうが無難」な行為です。
この記事では、なぜネクタイをバッグに巻くのが好ましくないのか、その理由やシーン別の注意点、そしてスマートな代替方法まで詳しく解説します。
なぜネクタイをバッグに巻くのは好ましくないのか
身だしなみの印象を損なう可能性
ネクタイはスーツと同様、衣服の一部であり、身だしなみを整えるためのアイテムです。
それをバッグに巻き付けると、まるで「着るものを持ち物扱い」しているように見え、周囲にはだらしない印象を与えることがあります。
特に上司や取引先など、目上の人に見られる場面では注意が必要です。
清潔感が損なわれる
バッグの外側は、通勤電車の床や座席、街中などさまざまな場所に触れています。
そこにネクタイを巻くと、ほこりや汚れが付着しやすく、次に身に着けるときに清潔感を失う可能性があります。
また、シルクなどの繊細な素材は摩擦で傷みやすいため、衛生面・素材の両面から避けた方が賢明です。
TPOに合わない行為と受け取られることも
バッグにネクタイを巻く行為は、カジュアルファッションでは個性として許容されることもあります。
しかし、ビジネスシーンではTPOをわきまえていない印象を与えるリスクがあり、「気を抜いている」「ビジネスマナーを理解していない」と捉えられることもあります。
シーン別|ネクタイをバッグに巻くのはアリ?ナシ?
| シーン | マナー評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤中や移動中(人目が少ない場面) | △ | 一時的な対応としては問題ないが、人前では避けたい。 |
| 社内(上司・来客の目がある場面) | × | 身だしなみとして不適切に見られる可能性が高い。 |
| 商談・訪問などのビジネスシーン | × | 相手への印象を損ねるおそれがある。 |
| 私服での外出・カジュアルな場面 | ◯ | ファッション演出としてなら問題なし。 |
ビジネスシーンでは、「見られる場所で外付けするのは避ける」のが基本ルールです。
あくまで移動時や人目につかない一時的な処置であれば許容範囲と考えるのが現実的です。
ネクタイをスマートに持ち運ぶ3つの方法
ネクタイケースを使う(最もおすすめ)
もっともマナー的にも安心なのは、専用のネクタイケースを使う方法です。
丸めて入れるタイプや、折りたたみ式など、出張や営業移動に適した軽量モデルも多数あります。
シワや汚れを防ぎ、見た目もスマートです。
柔らかい布やハンカチで包んでバッグの中へ
ケースがない場合は、ネクタイを軽く巻いて布で包み、バッグ内部に収納するのがベター。
バッグ内で他の荷物と擦れないようにすれば、生地の劣化も防げます。
スーツの内ポケットに一時的に入れる
短時間の移動であれば、内ポケットに入れるのも一案です。
ただし、長時間入れているとシワや折り目が残るため、あくまで“応急処置”として考えましょう。
ファッションとしての「バッグ巻き」は別物
近年、一部のファッションシーンでは、ネクタイをバッグの持ち手に巻くスタイルが“アクセント”として使われることもあります。
しかしこれはあくまでモード系・ストリート系などのファッション演出であり、スーツスタイルやビジネスカジュアルの文脈では推奨されません。
同じ“巻く”でも、一般的にバッグに合わせるのはスカーフやバンダナであり、ネクタイとは目的が異なります。
そのため、ビジネス用のネクタイをファッションアイテムとして扱うのは混同しない方が無難です。
まとめ|「巻く」のはNG、“しまう”のが正解
ネクタイをバッグに巻く行為は、公式なマナー違反ではないものの、ビジネスの場では避けるのが無難です。
外見の印象や清潔感を左右する身だしなみの一部として、
- 専用ケースを使う
- バッグの中で丁寧に収納する
- 人前では外付けしない
といった基本を守ることが大切です。
ビジネスで信頼を得るためには、細かな身だしなみへの意識こそが印象を左右します。
ネクタイの扱い一つにも、“きちんと感”を演出する意識を持つことが、スマートな大人のマナーといえるでしょう。
以上、ネクタイをバッグに巻くのはマナー違反なのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
