クールビズとは、暑い時期に過度な冷房を避けながら、快適に働ける軽装を取り入れる取り組みです。
単にネクタイやジャケットを外すことだけを意味するものではありません。
気温や湿度、職場環境、仕事内容、体調などに応じて空調を適切に使用し、働きやすい服装を選ぶことが基本的な考え方です。
クールビズには、全国共通の厳密な服装規則があるわけではありません。
実際に認められる服装は、勤務先のドレスコードや業種、職種、訪問先、会議の内容などによって異なります。
そのため、クールビズの服装を選ぶ際は、涼しさだけでなく、清潔感や相手への配慮も大切です。
クールビズの代表的な服装
一般的なクールビズでは、次のような服装がよく取り入れられています。
- ノーネクタイ
- ノージャケット
- 半袖または長袖の襟付きシャツ
- ブラウスやきれいめなカットソー
- スラックスやビジネス向けのパンツ
- 落ち着いたデザインのスカートやワンピース
- 革靴、パンプス、ローファーなど
ただし、これらはあくまで代表的な例です。
クールビズだからといって、必ずネクタイやジャケットを外さなければならないわけではありません。
重要な商談や取引先への訪問、式典などでは、夏用のジャケットやネクタイを着用したほうが適切な場合もあります。
男性のクールビズで適した服装
シャツ
男性のクールビズでは、襟付きのシャツが最も一般的です。
白やサックスブルー、淡いグレーなどの落ち着いた色を選ぶと、清潔感のある印象になります。
細いストライプや控えめなチェック柄であれば、職場でも取り入れやすいでしょう。
ノーネクタイでは首元が目立つため、襟の形が崩れにくいシャツがおすすめです。
ボタンダウンシャツは襟先が固定されるため、ネクタイを外しても整って見えやすく、クールビズと相性のよいアイテムです。
ただし、格式の高い商談や式典では、ボタンダウンよりも一般的な襟型のシャツが適している場合があります。
ポロシャツ
ポロシャツは、勤務先で認められていれば、クールビズに取り入れやすい服装です。
襟があるため、Tシャツよりもきちんとした印象を与えやすく、吸汗速乾性や通気性に優れた商品も多くあります。
ビジネス用として選ぶ場合は、次のようなポロシャツが適しています。
- 白、黒、ネイビー、グレーなどの落ち着いた色
- 無地または装飾の少ないデザイン
- 大きなロゴが入っていないもの
- 体に密着しすぎないサイズ
- 襟や袖口が伸びていないもの
ポロシャツが認められるかどうかは、企業や部署によって異なります。
来客対応や社外訪問がある場合は、シャツのほうが無難なこともあります。
パンツ
クールビズでは、スラックスやセンタープレス入りのパンツが基本です。
色はネイビー、グレー、ブラック、ベージュなどが合わせやすく、清潔感のある印象になります。
職場によってはチノパンも認められますが、カーゴパンツ、スウェットパンツ、ダメージジーンズ、ハーフパンツなどは、一般的なビジネス環境ではカジュアルすぎると判断される可能性があります。
ジャケット
クールビズではノージャケットが認められることが多いものの、ジャケットを着てはいけないわけではありません。
取引先への訪問や重要な商談、役員との面談、式典などでは、ジャケットを着用したほうが適切な場合があります。
夏用のジャケットを選ぶ際は、次のような特徴を持つものが快適です。
- 裏地が少ないもの
- 通気性のよい素材
- サマーウールや麻混素材
- 軽量でシワになりにくいもの
必要なときだけ羽織れるよう、夏用ジャケットを職場や外出先に持参しておくと安心です。
女性のクールビズで適した服装
ブラウスやカットソー
女性のクールビズでは、半袖や七分袖のブラウス、きれいめなカットソーなどが一般的です。
白、ネイビー、ベージュ、ライトグレー、淡いブルーなど、落ち着いた色を選ぶとビジネス向けの印象になります。
胸元が大きく開いているものや、肩や背中が大きく見えるもの、透けやすい素材は、職場によっては不適切と判断される可能性があります。
ノースリーブを着用する場合は、薄手のカーディガンやジャケットを用意しておくと、来客対応や冷房対策にも役立ちます。
パンツやスカート
パンツは、テーパードパンツやストレートパンツ、センタープレス入りのパンツなどが適しています。
スカートは、膝丈からミモレ丈程度の落ち着いたデザインが一般的です。
スカート丈やデザインに明確な全国共通ルールがあるわけではありませんが、座ったときに短くなりすぎないものや、体のラインが強調されすぎないものを選ぶと安心です。
ワンピース
きれいめなワンピースも、クールビズに適した服装です。
職場で着用する場合は、次のようなデザインが取り入れやすいでしょう。
- 肩や胸元の露出が少ないもの
- 派手な柄や装飾が少ないもの
- 透けにくい素材
- 膝丈からミモレ丈程度
- 体に密着しすぎないシルエット
ノースリーブのワンピースは、企業の服装規定によって判断が分かれます。
カーディガンやジャケットを組み合わせると、よりビジネス向けの印象になります。
クールビズに適した靴
クールビズでも、靴は全体の印象を大きく左右します。
男性の場合は、革靴、ローファー、シンプルなビジネスシューズなどが一般的です。
女性の場合は、パンプス、ローファー、フラットシューズなどが合わせやすいでしょう。
近年は、ビジネスカジュアルを採用する企業を中心に、スニーカーが認められるケースもあります。
スニーカーを履く場合は、白、黒、ネイビーなどの落ち着いた色で、装飾が少なく、汚れていないものを選ぶことが大切です。
サンダルやかかとのない履物、ビーチサンダルなどは、一般的なオフィスや取引先への訪問では避けたほうが無難です。
ただし、具体的な可否は勤務先のルールによって異なります。
クールビズで避けたほうがよい服装
クールビズは、服装が完全に自由になる制度ではありません。
暑い時期でも、ビジネスの場にふさわしい清潔感や節度が求められます。
次のような服装は、一般的な職場では避けたほうがよいでしょう。
- 汗ジミや黄ばみが目立つ服
- シワの多いシャツやパンツ
- 襟や袖口が伸びた服
- 下着が透けて見える服
- 胸元や背中、肩などの露出が大きい服
- 体のラインが強く出すぎる服
- 派手な色柄や大きなロゴが入った服
- 部屋着に見えるTシャツやスウェット
- ダメージジーンズやハーフパンツ
- 汚れた靴やスニーカー
- ビーチサンダルなどのカジュアルすぎる履物
Tシャツやジーンズ、スニーカーが認められるかどうかは、勤務先のドレスコードによって異なります。
クールビズだから自動的に認められるわけではないため、社内規定を確認することが重要です。
清潔感を保つためのポイント
クールビズでは着用する衣服の枚数が少なくなるため、汗やシワ、透けなどが通常より目立ちやすくなります。
涼しい服装を選ぶだけでなく、清潔感を保つための対策も必要です。
汗やにおいを対策する
夏は汗をかきやすいため、吸汗速乾性のあるインナーを着用すると、汗ジミや肌への張りつきを抑えやすくなります。
白いシャツの下では、真っ白なインナーよりも、ベージュや肌になじむ色のインナーのほうが透けにくい場合があります。
また、ハンカチや汗拭きシートを携帯し、外回りが多い場合は替えのシャツを用意しておくと安心です。
制汗剤や香水を使用する場合は、香りが強くなりすぎないよう注意しましょう。
シワや黄ばみを確認する
シャツやブラウスのシワ、襟や袖口の黄ばみは、清潔感を損なう原因になります。
洗濯やアイロンがけを行い、着用前に汚れや傷みがないか確認しましょう。
薄手の服は涼しい一方で、シワや透けが目立ちやすいことがあります。
適度な厚みとハリのある生地を選ぶことも大切です。
冷房対策を行う
屋外では暑くても、オフィスや商業施設では冷房が強く、体が冷えることがあります。
薄手のカーディガンやジャケットを用意しておくと、室温に応じて体温を調節できます。
クールビズに適した素材
涼しく快適に働くためには、服のデザインだけでなく素材選びも重要です。
吸汗速乾素材
吸汗速乾素材は、汗を吸収し、すばやく乾きやすい素材です。
通勤時間が長い人や外回りが多い人、汗をかきやすい人に適しています。
シャツやポロシャツ、インナーなどに取り入れると、蒸れや汗ジミを軽減しやすくなります。
麻や麻混素材
麻は通気性が高く、夏に適した素材です。
ただし、麻100%の衣類はシワが出やすいため、ビジネスで使用する場合は、綿やポリエステルと混紡された素材のほうが扱いやすいことがあります。
サマーウール
サマーウールは、薄手で通気性がありながら、きちんとした見た目を保ちやすい素材です。
スラックスやジャケット、セットアップなどに向いており、重要な商談や社外訪問にも使いやすいでしょう。
接触冷感素材
接触冷感素材は、肌に触れたときに冷たく感じやすい素材です。
ただし、接触冷感だけで長時間涼しく過ごせるとは限りません。
通気性、吸湿性、速乾性なども合わせて確認することが大切です。
シーン別のクールビズの服装
一般的なオフィス勤務
社内勤務が中心の場合は、襟付きシャツやブラウスに、スラックスやきれいめなパンツを合わせるスタイルが一般的です。
色や柄を落ち着いたものにすれば、社内会議や簡単な来客対応にも対応しやすくなります。
勤務先で認められていれば、ポロシャツやスニーカーを取り入れることもできます。
取引先への訪問
取引先を訪問する場合は、社内勤務よりも一段階きちんとした服装を意識しましょう。
襟付きシャツやブラウス、スラックス、革靴やパンプスなどを基本とし、必要に応じてジャケットを持参すると安心です。
特に金融、法律、行政、医療、伝統的な業界など、比較的フォーマルな服装が好まれる相手を訪問する場合は、カジュアルになりすぎないよう注意が必要です。
重要な商談やプレゼン
重要な商談やプレゼンでは、夏用ジャケットを着用すると信頼感を与えやすくなります。
相手企業がクールビズを推奨している場合は、ノーネクタイでも問題ないことがあります。
ただし、契約、役員面談、謝罪、式典などの重要度が高い場面では、ネクタイも用意しておくと柔軟に対応できます。
就職活動や面接
企業から「クールビズでお越しください」と案内されている場合は、ノーネクタイやノージャケットでも基本的には問題ありません。
ただし、服装自由という意味ではないため、白や淡色のシャツ、落ち着いた色のスラックスやスカート、ビジネス向けの靴などを選ぶのが無難です。
企業から服装について明確な案内がない場合は、ジャケットを持参し、会場や周囲の状況に合わせて判断すると安心です。
最終的には、応募先企業からの案内を優先してください。
オンライン会議や在宅勤務
オンライン会議でも、画面に映る上半身は整えておく必要があります。
襟付きシャツ、ブラウス、きれいめなカットソーなどを選び、首元が伸びたTシャツや部屋着に見える服は避けたほうがよいでしょう。
服装だけでなく、髪型、顔まわり、背景なども印象を左右します。
クールビズの28℃は設定温度ではない
クールビズでは「28℃」という数字がよく使われますが、これはエアコンの設定温度を必ず28℃にするという意味ではありません。
28℃は、冷房使用時における室温の目安です。
実際の室温は、次のような条件によって変化します。
- 外気温
- 湿度
- 日当たり
- 建物の構造
- 室内にいる人数
- パソコンや照明などの発熱
- 人それぞれの体調や暑さの感じ方
エアコンを28℃に設定していても、実際の室温が28℃を超えることがあります。
その場合は、設定温度を下げるなどの調整が必要です。
クールビズは暑さを我慢する取り組みではありません。
熱中症や体調不良を防ぐことを優先し、無理のない範囲で空調を使用することが大切です。
クールビズの服装に迷ったときの判断基準
クールビズの許容範囲は、企業や部署、業種、職種によって異なります。
服装に迷った場合は、次の順番で確認すると失敗しにくくなります。
勤務先の服装規定を確認する
まずは、自社の就業規則や服装ガイドラインを確認しましょう。
ポロシャツ、Tシャツ、スニーカー、サンダルなどについて、個別にルールが設けられている場合があります。
上司や同僚の服装を参考にする
明確な規定がない場合は、上司や同じ部署の社員の服装が参考になります。
ただし、役職や担当業務によって許容される服装が異なることもあるため、単純に真似をするのではなく、自分の仕事内容も考慮しましょう。
社外の相手に会うかを考える
社内勤務だけの日と、取引先への訪問や来客対応がある日では、適切な服装が異なります。
予定外の来客があっても対応できる服装かどうかを考えると、判断しやすくなります。
迷った場合は少しフォーマルにする
服装の適切さを判断できない場合は、カジュアルにしすぎるよりも、少しフォーマルな服装を選ぶほうが安全です。
夏用ジャケットを持参しておけば、必要に応じて服装を調整できます。
クールビズで大切なのは清潔感とTPO
クールビズでは、涼しく快適に働ける服装を選ぶことが重要です。
ただし、軽装であれば何を着てもよいわけではありません。
勤務先のルールや業務内容、取引先、会議の格式などを考慮し、TPOに合った服装を選ぶ必要があります。
一般的に無難なクールビズは、襟付きシャツやブラウスに、スラックスやきれいめなパンツ、落ち着いた靴を組み合わせたスタイルです。
最も大切なのは、どこまで薄着にできるかではありません。
涼しく機能的でありながら、清潔感があり、相手への配慮が感じられる服装を選ぶことが、適切なクールビズの基本です。
以上、クールビズの服装とはどういったものかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










