ブーツに黒っぽい斑点やカビのような汚れが出た場合は、あわてて強くこすったり、水で丸洗いしたりせず、まずは広げないこと、素材を傷めないこと、湿気を残さないことを重視して対処するのが大切です。
なお、見た目が黒いからといって、必ずしも「黒カビ」と断定できるとは限りません。
汚れ、色移り、仕上げの劣化、カビ様の付着物などの可能性もあります。
とはいえ、カビの可能性がある以上、他の靴と分けて慎重に扱うのが基本です。
まず最初にすること
最初にやるべきことは、ブーツをほかの靴や靴箱からいったん離すことです。
カビのようなものが付いた靴をそのまま収納しておくと、湿気の多い環境では周囲にも影響が広がりやすくなります。
作業は、できるだけ風通しの良い場所で行ってください。
室内で不用意に強くブラッシングすると、細かな汚れや胞子が舞うことがあります。
扱うときは、できるだけ静かに、必要以上にこすらないようにします。
やってはいけないこと
最初の対処で失敗しやすいのが、次のような方法です。
強くこすること
表面の汚れを一気に落としたくなりますが、強い摩擦は革やスエードを傷めやすく、汚れを広げる原因にもなります。
水でびしょびしょにすること
革やスエードは水分に弱く、内部まで湿ると乾燥に時間がかかり、かえって再発しやすくなります。
ドライヤーやヒーターで急激に乾かすこと
熱を強く当てると、革が硬くなったり、縮んだり、ひび割れの原因になったりします。
漂白剤や強い薬剤をいきなり使うこと
色落ち、変色、表面加工の傷みにつながるおそれがあります。
特に革やスエードには危険です。
素材別の対処法
ブーツの手入れは、素材によって方法を分ける必要があります。
同じ「カビのような汚れ」でも、革、スエード、合皮では適した処置が異なります。
スムースレザーのブーツの場合
表面がなめらかな一般的な革ブーツなら、まずは乾いた柔らかいブラシか乾いた布で、表面の付着物をやさしく取り除きます。
このときは、削り落とすようにこするのではなく、軽く浮かせて落とすような感覚で行うのが大切です。
その後、レザー用クリーナーを柔らかい布に少量取り、目立たない場所で異常が出ないか確認してから、全体をやさしく拭きます。
汚れが落ちたら、風通しの良い場所で自然乾燥させます。
しっかり乾いた後は、革の乾燥を防ぐために保革クリームやコンディショナーを薄く入れると状態を整えやすくなります。
仕上げに防水・防汚ケアを行うと、今後の汚れや湿気対策にもつながります。
注意点
黒っぽい跡が落ちずに残る場合、それが単なる表面汚れではなく、色素沈着、素材の変質、内部への浸透である可能性があります。
この場合は、無理に削ったり薬剤を重ねたりせず、専門店に相談したほうが安全です。
スエード・ヌバックのブーツの場合
スエードやヌバックは特にデリケートなので、スムースレザー以上に慎重な手入れが必要です。
まず、スエード専用ブラシで毛並みに沿って軽くブラッシングし、表面の付着物を落とします。
その後、スエード・ヌバック専用のクリーナーを使って処理します。
洗浄後は、紙を中に詰めて形を保ちながら、風通しの良い場所で自然乾燥させます。
完全に乾いたら、再度ブラッシングして毛並みを整えます。
注意点
スエードは、水分・摩擦・薬剤の影響を受けやすく、少しの処置でも色ムラや毛並みの乱れが起きることがあります。
一般的な革用クリームや強い溶剤を使うのは避け、必ずスエード専用品を使うほうが安全です。
合皮ブーツの場合
合皮の場合は、本革より扱いやすいことが多いですが、表面のコーティングが劣化していると、こすれや薬剤で傷みやすくなります。
まず乾いた布で表面を軽く拭き、その後、薄めた中性洗剤を含ませた布でやさしく拭き取ります。
最後に水拭きで洗剤分を取り、自然乾燥させます。
注意点
合皮は見た目がきれいでも経年劣化していることがあり、表面がはがれたりベタついたりしている場合は、強いクリーニングで悪化することがあります。
異常がある場合は、無理に擦り続けないほうがよいです。
自分で対処できる範囲と、専門店に相談したほうがいいケース
軽い付着や表面だけの汚れであれば、自宅での対処で改善することがあります。
ただし、次のような場合は無理をせず、修理店やクリーニング専門店に相談するほうが安心です。
- 内側まで強いにおいが残っている
- ライニングや中敷きの奥まで広がっている
- 変色が強い
- ベタつきや表面劣化がある
- 拭いても何度も再発する
- 高価なブーツ、特殊な革、繊細な仕上げの製品である
革やスエードは多孔質素材なので、表面だけきれいに見えても、内部に湿気やにおいの原因が残っていることがあります。
見た目だけで完全に解決したと判断しないことが大切です。
再発を防ぐ方法
ブーツのカビ様汚れは、たいてい湿気・汗・汚れ・通気不足が重なって起こります。
再発防止には、日頃の保管方法がとても重要です。
履いたあとすぐ収納しない
履いた直後のブーツの内部には湿気がこもっています。
帰宅後すぐに靴箱へしまわず、しばらく風を通してから収納するのが理想です。
連続で履き続けない
同じブーツを毎日続けて履くと、内部が乾き切らないまま次に使うことになりやすく、湿気が蓄積しやすくなります。
ローテーションを組んで休ませると、状態を保ちやすくなります。
シューキーパーや紙を使う
履いた後にシューキーパーや紙を入れておくと、形崩れ防止だけでなく、内部の湿気対策にも役立ちます。
靴箱の湿気対策をする
靴箱の中に湿気がこもると、靴そのものを手入れしても再発しやすくなります。
除湿剤を使う、詰め込みすぎない、定期的に扉を開けるなど、収納環境も見直すことが重要です。
汚れをためない
汚れや皮脂、ホコリが残ったままだと、カビが発生しやすくなります。
普段から軽くブラッシングしたり、乾いた布で拭いたりして、清潔な状態を保つことが予防につながります。
実践しやすい手順のまとめ
本革ブーツ
- 他の靴と分ける
- 風通しの良い場所で扱う
- 乾いた柔らかいブラシや布で表面をやさしく落とす
- レザー用クリーナーで軽く拭く
- 自然乾燥させる
- 完全に乾いてから保革する
スエード・ヌバック
- 他の靴と分ける
- 専用ブラシで軽く整える
- 専用クリーナーで処理する
- 紙を詰めて自然乾燥させる
- 乾燥後にブラッシングして毛並みを戻す
合皮
- 他の靴と分ける
- 乾いた布で軽く拭く
- 薄めた中性洗剤でやさしく拭く
- 水拭きして洗剤を取る
- 自然乾燥させる
まとめ
ブーツに黒っぽいカビのような汚れが出たときは、隔離する → 素材に合った方法でやさしく表面処理する → しっかり自然乾燥させる → 保管環境を見直すという流れで対処するのが基本です。
大切なのは、強くこすらないこと、熱で急乾燥させないこと、素材別に手入れを分けることです。
また、見た目が改善しても、においや内部の湿気が残っている場合は再発しやすいため、収納環境まで含めて見直す必要があります。
以上、ブーツに黒カビが生えた時はどうすればいいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。







