ジャケットの印象を決める最も重要な要素のひとつが「ラペル(lapel)」です。
胸元に広がる折り返し部分のデザイン次第で、フォーマル度からスタイルの見え方、さらには着る人の雰囲気まで大きく変わります。
ここでは、ラペルの基本構造から種類ごとの特徴、印象を左右するデザイン要素まで、プロの視点で詳しく解説します。
ラペルとは:ジャケットの“顔”をつくるパーツ
ラペルとは、ジャケットの前身頃を折り返して形成される、胸元のVゾーンを形づくる部分のことです。
首元の襟(カラー)と連続して1枚のパーツになっており、ジャケット全体の雰囲気を決定づける重要なディテールです。
ラペル周りの構造には、次の3要素が関わります。
- カラー(Collar):首元の帯状パーツ
- ラペル(Lapel):前身頃の折り返し部分
- ゴージ(Gorge):カラーとラペルが交わる切れ込み、またはそのライン
これらのバランスが調和することで、ジャケットは美しいVゾーンを描きます。
ラペルの種類:ジャケットの印象を決める3つの基本形
ラペルのデザインには大きく分けて3種類があります。
それぞれが持つ「意味」や「適したシーン」を知ると、ジャケット選びが一段と楽しくなります。
ノッチドラペル(Notched Lapel)
もっとも一般的で、ビジネススーツで最もよく使われるタイプです。
襟とラペルの間が「く」の字に切れ込んだ形をしています。
特徴
- 汎用性が高い
- 穏やかで誠実な印象
- 日常のあらゆるシーンで使いやすい
適した場面
- ビジネス全般
- 就活
- カジュアルジャケット
初めてスーツを選ぶ人にも安心の定番ラペルです。
ピークドラペル(Peaked Lapel)
襟先がシャープに上向きに伸びた、高級感のあるデザイン。
もともとはフォーマルウェアに用いられる格上のラペルです。
特徴
- 力強い、威厳のある雰囲気
- 胸元の存在感が増し、華やか
- 礼服やパーティスタイルと相性が良い
適した場面
- パーティ・披露宴
- タキシード(燕尾服など)
- 特別なビジネスシーン(プレゼン、大事な商談 など)
ショールラペル(Shawl Lapel)
襟とラペルの切れ込みがなく、丸く1つのラインでつながる優美なデザイン。
タキシードに代表される“最もフォーマル”なラペルのひとつです。
特徴
- 柔らかくエレガントな印象
- ドレッシーで華やかな雰囲気
- 非常にフォーマル度が高い
適した場面
- タキシード
- ナイトイベントやパーティ
ラペルのデザインは印象をどう変える?
同じジャケットでも、ラペルの細部によって見え方は大きく変わります。
特に重要なのは「ラペル幅」と「ゴージ位置」です。
ラペル幅が与える印象
| ラペル幅 | 印象 |
|---|---|
| 太いラペル | 力強い・クラシック・存在感がある |
| 細いラペル | シャープ・モダン・若々しい |
近年は、7.5〜9cm程度の中庸幅が最も使いやすく、多くのブランドで採用されています。
ゴージ位置の高さによる違い
| ゴージ位置 | 印象 |
|---|---|
| 高い(ハイゴージ) | モダン、スタイリッシュ、脚を長く見せる視覚効果 |
| 低い(ロウゴージ) | 落ち着いたクラシックな雰囲気 |
現代的なスーツはハイゴージ寄りが主流ですが、クラシック回帰の影響でバリエーションも増えています。
まとめ:ラペルはジャケットの印象を決める最重要ディテール
ラペルは、ジャケットのVゾーンを形成し、フォーマル度やスタイルの方向性を決める“デザインの核”です。
- 種類(ノッチ/ピークド/ショール)
- 幅の太さ
- ゴージ位置
この3つの組み合わせによって、あなたのジャケットはクラシックにもモダンにも、華やかにも洗練された印象にも変わります。
ジャケット選びの質を高めるには、ラペルを理解することが欠かせません。
以上、ジャケットのラペルについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
