黄ばみ・汗じみ・皮脂汚れ・黒ずみなど、時間が経ったワイシャツの汚れには「漂白のつけ置き」が非常に効果的です。
ただし、使う漂白剤や温度、時間を誤ると繊維を傷めることもあります。
ここでは、安全かつ効果的に行うための方法を詳しく解説します。
目次
漂白剤の種類と選び方
酸素系漂白剤(おすすめ)
- 主成分:過炭酸ナトリウム(粉末)または過酸化水素(液体)
- 特徴:除菌・消臭効果があり、白物・色柄物どちらにも使用可能。
- 効果温度:粉末は40〜50℃のぬるま湯で活性化、液体は常温でもOK。
- 注意点:染料が弱い生地は退色することがあるので、目立たない場所で色落ちテストを実施。
塩素系漂白剤(強力だが要注意)
- 主成分:次亜塩素酸ナトリウム
- 特徴:強力な漂白力を持つが、白物専用。色柄物やウール・シルクには使用不可。
- 使用温度:冷水〜常温(20〜30℃)で使用。
- つけ置き時間:5〜10分以内。長時間つけると繊維が傷む。
- 混ぜ合わせ禁止:酸性洗剤・酢・アンモニア・酸素系漂白剤と混ぜると有毒ガスが発生するため厳禁。
酸素系漂白剤のつけ置き手順
準備するもの
- 酸素系漂白剤(粉末タイプ推奨)
- 40〜50℃のぬるま湯(熱すぎはNG)
- バケツや洗面器
- 通常の洗濯洗剤(併用で効果アップ)
手順
- 予洗い
襟や袖などの皮脂汚れを軽くもみ洗いしておきます。 - 漂白液を作る
お湯5Lに対して酸素系漂白剤大さじ1〜2杯を溶かす。 - つけ置き
ワイシャツを完全に沈め、30分〜2時間放置。
汚れが強い場合は最大6時間まで可能。
※色柄物は単独でつけ置きする。 - 通常洗濯
つけ置き後は洗剤を加えて洗濯機で通常洗い。 - すすぎ・乾燥
残留薬剤を完全に落とし、日陰で風通し良く乾燥。
直射日光は黄変の原因になるため避ける。
部分漂白と応用テクニック
重曹+酸素系漂白剤
重曹を小さじ1〜2加えると発泡が強まり、皮脂や汗じみが落ちやすくなります。
※塩素系とは絶対に混ぜない。
部分汚れの前処理
襟・袖口には漂白液を歯ブラシなどで軽く叩き込むと効果的。
液体酸素系なら綿棒でピンポイント塗布も可能(テスト後、短時間で)。
素材別の注意点
| 素材 | 使用できる漂白剤 | 注意点 |
|---|---|---|
| 綿(コットン) | 酸素系・塩素系OK | 長時間放置NG。すすぎを徹底。 |
| ポリエステル | 酸素系のみ | 高温で皮脂が再付着するため、50℃以下推奨。 |
| 麻(リネン) | 酸素系OK | 色落ちしやすい。短時間で済ませる。 |
| ウール/シルク | 漂白剤NG | 中性洗剤での手洗いのみ。 |
注意点と安全対策
- 漂白剤を原液のまま直接かけない(液体酸素系で局所使用する際は必ずテストを)。
- 金属ボタン・メタル糸刺繍・カラーステイなどは腐食・変色する恐れがあるため、事前に外すか保護する。
- 長時間の放置や高温浸けは繊維を弱らせる。
- 漂白後は必ず十分にすすぐ。残留薬剤は再黄ばみや臭いの原因になる。
メンテナンスの目安
- 酸素系漂白剤:汚れ具合に応じて週1回の軽いつけ置きがおすすめ。
- 塩素系漂白剤:頑固な黄ばみなど、必要時のみスポット的に使用。
- 通常洗濯でも汚れが溜まらないよう、汗をかいた日や襟汚れが気になる時は早めに洗うのが理想。
まとめ
ワイシャツの漂白つけ置きは、正しい方法を守れば生地を傷めずに見違えるほど白くよみがえります。
- 普段使い:酸素系漂白剤をメインに
- 白物の重度汚れ:塩素系を短時間スポット使用
- 温度・時間・すすぎを正確に守ることが最大のコツ
以上、ワイシャツの漂白のつけ置きについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
