スーツが濡れたときの対処法は、「応急処置」と「アフターケア」の2段階に分けて考えるのが効果的です。
濡れ方(雨、汗、飲み物、海水など)や素材(ウール、ポリエステル混紡など)によって注意点が異なりますが、ここではビジネススーツで一般的なウール素材を中心に詳しく解説します。
目次
応急処置(外出先・帰宅直後)
水気をタオルで優しく吸い取る
- ゴシゴシ擦らず、押し当てて吸水します。擦ると繊維が毛羽立ったりテカリが出ます。
- ペーパータオルよりも、柔らかいタオルやハンカチのほうが繊維に優しいです。
型崩れを防ぐためにハンガー掛け
- 肩の形に合った肉厚のスーツ用ハンガーに掛けます。
- ワイヤーハンガーは肩が尖って跡が残るためNG。
風通しの良い日陰で自然乾燥
- 直射日光やドライヤーの温風は縮み・変色・テカリの原因になります。
- 窓を少し開ける、扇風機の弱風を当てるなどで乾燥を促します。
素材別の注意点
素材 | 注意ポイント |
---|---|
ウール100% | 熱・摩擦・急乾燥に弱い。ゆっくり自然乾燥が鉄則。 |
ポリエステル混紡 | 比較的乾きやすいが、高温に弱い。シワが残りやすい場合はスチームで整える。 |
リネン混 | 水分を吸いやすくシワになりやすい。形を整えて乾かすことが重要。 |
完全乾燥後のアフターケア
シワ取り
- 乾いたら衣類スチーマーまたはアイロンのスチーム機能で軽く蒸気を当てる。
- アイロンは当て布必須、直接当てるとテカリが出ます。
消臭・除菌
- 雨や汗のニオイが残る場合はスーツ用消臭スプレーを軽く。
- 海水や泥水などの場合は、塩分や汚れが残って生地を傷めるため、早めにクリーニングが推奨。
ブラッシング
- 完全に乾いてから洋服ブラシでホコリや毛羽立ちを整える。
- 乾く前にブラッシングすると毛羽立ち悪化。
NG行為(生地を傷める原因)
- ドライヤーやヒーターで急乾燥
- 直射日光で乾かす
- 濡れたままクローゼットやバッグに入れる
- 濡れたままアイロン
- 擦って水分を取る
予防策
- 雨天時は撥水スプレー(スーツ用)を事前に使用。
- 折り畳み傘だけでなく、軽量レインコートやレインポンチョを常備。
- 夏場は汗対策として薄手のジャケットライナーや脇汗パッドを活用。
まとめ
- 応急処置は「吸水 → 型崩れ防止 → 自然乾燥」の流れ。
- 素材ごとに乾燥や熱への耐性を考慮する。
- 完全乾燥後のスチーム・ブラッシングで元の風合いを回復。
- 水濡れは放置すると生地ダメージ・ニオイ・カビの原因になるので、できるだけ早く対処。
以上、スーツが濡れた時の対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。