ネクタイが襟(シャツのカラー)からはみ出してしまう場合は、見た目の印象を大きく損なうだけでなく、「だらしない」「サイズが合っていない」と見なされることもあります。
ここでは、原因別の対処法と正しい着こなしのポイントをプロの視点から詳しく解説します。
ネクタイが襟からはみ出る主な原因
シャツの襟が小さすぎる・ネクタイの結び目が大きすぎる
ネクタイのノット(結び目)が大きく膨らんでいる場合、襟の間に収まりきらず、左右どちらかから飛び出して見えることがあります。
特にウィンザーノットやダブルウィンザーノットはボリュームが出やすいため、レギュラーカラーやボタンダウンカラーでは収まりにくい傾向があります。
シャツの襟型がネクタイの形に合っていない
襟の開きが狭い(ナロー・レギュラーカラーなど)シャツに、幅広のネクタイや厚手の素材(ウール・シルクジャカードなど)を合わせると、結び目が自然にはみ出してしまいます。
ネクタイを結ぶ位置や締め方がずれている
結び目をきつく締めすぎたり、逆に緩すぎる場合も、襟元に隙間ができて不安定になります。
また、結び目の中心がずれると、片方の襟からネクタイがはみ出して見えることがあります。
シャツやジャケットのサイズが合っていない
襟周りが自分の首の太さより小さい、またはジャケットの首元が浮いている場合にも、ネクタイが収まりにくくなります。
状況別の解決策
ケース1:結び目が大きすぎる場合
- 小さめのノットに変更する。
代表的なのは「プレーンノット(シンプルノット)」。結び目がコンパクトで、どんな襟型にも合わせやすい万能タイプです。 - ネクタイの「芯地が薄いもの」を選ぶ。
特に夏場は、シルク100%の軽め素材のネクタイが自然に馴染みやすいです。
ケース2:襟の開きとネクタイのバランスが悪い場合
- 襟型とネクタイ幅を合わせるのが基本。
- ワイドスプレッドカラー(襟の開きが広い):太めのネクタイ・ウィンザーノットが◎
- レギュラーカラー・ナローカラー(襟が狭い):細めのネクタイ・プレーンノットが◎
- 襟が狭いシャツであれば、ネクタイを「結び目の厚さが出にくい素材(サテン、薄手シルクなど)」に変えると良いでしょう。
ケース3:結び方や位置のズレ
- ネクタイを結ぶ際、「ディンプル(くぼみ)」を正確に中央に作ることで結び目が安定します。
- 結び目が緩いと襟の中で動くため、最後に指で整えながら左右対称にすることが重要です。
- 鏡を見て「襟の中心線とノットの中心」が一直線になっているか確認しましょう。
ケース4:シャツやジャケットのサイズが合っていない
- シャツの襟周りは「首回り+2cm」程度が理想。
例えば首が38cmなら、40cmの襟サイズが目安です。 - ジャケットの首元が浮いていると、ネクタイ全体が浮いて見えるため、仕立て直しやサイズ調整も検討してください。
美しい襟元を作るためのプロのテクニック
ネクタイを「押さえつけない」
襟にネクタイをぎゅっと詰め込むと、布地にシワが寄り、不自然な膨らみになります。
襟に自然に収まる余裕を保ちましょう。
ネクタイの位置を一段下げる
襟の中でネクタイが上に押し上げられている場合、1cm程度下にずらすと収まりが良くなることがあります。
シャツの襟の硬さを見直す
柔らかい襟(アンコンカラーなど)は形が崩れやすく、ネクタイを押し出してしまうことがあります。
フォーマルシーンでは芯入りの襟を選び、形をキープするのがおすすめです。
スタイル別おすすめ組み合わせ
スタイル | シャツ襟型 | おすすめノット | ネクタイ素材 |
---|---|---|---|
ビジネス(標準) | レギュラーカラー | プレーンノット | シルク |
フォーマル | ワイドスプレッド | ウィンザーノット | サテン |
カジュアルジャケット | ボタンダウン | プレーンノット | ニット・リネン |
スリムスーツ | ナローカラー | ハーフウィンザー | 薄手シルク |
最後のチェックポイント(出かける前に)
- ネクタイの結び目が襟の中心にきれいに収まっているか
- 襟の開きとネクタイ幅のバランスが取れているか
- ジャケットの襟元からネクタイが浮き出ていないか
- ディンプル(くぼみ)が中央に1つ、立体的に入っているか
この4点を確認するだけで、全体の印象がぐっと引き締まります。
まとめ
ネクタイが襟からはみ出るのは、「サイズ」「素材」「結び方」のいずれかの不一致が原因です。
小さめのノットに変更し、襟型に合うネクタイを選び、中心を正しく合わせる。
この3つを意識するだけで、清潔感とプロフェッショナリズムが格段に上がります。
以上、ネクタイが襟からはみ出る場合はどうすればいいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。