七五三で親が避けたいのは、単に「この色はNG」「この靴はNG」といった特定のアイテムではありません。
大切なのは、次の3点です。
- 子どもより親が目立たないこと
- 神社や寺院への参拝にふさわしいこと
- 家族全体で服装の格をそろえること
七五三は、結婚式のように厳格なドレスコードが決められている行事ではありません。
そのため、白い服や黒いタイツ、ブーツなどが一律に禁止されているわけではありません。
一方で、子どもが着物やフォーマルウェアを着て正式に参拝する場合、親が普段着に近い服装では、家族全体のバランスが崩れてしまいます。
ここでは、七五三で親が避けたほうがよい服装と、誤解されやすいマナーについて詳しく解説します。
七五三の親の服装で本当に避けたいポイント
子どもより目立つ華美な服装
七五三の主役は子どもです。
そのため、親が子ども以上に目立つ服装は避けたほうがよいでしょう。
たとえば、次のような服装は注意が必要です。
- 大きな柄が全面に入ったワンピース
- ラメやスパンコールが多い服
- 鮮やかな原色でまとめた服装
- ステージ衣装のようなドレス
- 大ぶりで華美なアクセサリー
- 強い光沢のあるスーツ
華やかな服装そのものが悪いわけではありませんが、家族写真を見たときに親ばかりが目立つコーディネートは、七五三には適していません。
親は、子どもの衣装を引き立てる程度の上品な華やかさを意識しましょう。
カジュアルすぎる服装
神社や寺院で参拝や祈祷をする場合は、日常の普段着よりも少し改まった服装が適しています。
次のような服装は、七五三ではカジュアルすぎる印象になりやすいでしょう。
- スウェット
- ジャージ
- パーカー
- ダメージジーンズ
- 部屋着に見えるTシャツ
- ビーチサンダル
- 極端にカジュアルなスニーカー
- キャップやニット帽
デニムやスニーカーを着用したからといって、必ずしもマナー違反になるわけではありません。
ただし、子どもが格式のある着物を着て正式な祈祷を受ける場合は、親もスーツやワンピースなどのきれいめな服装にしたほうが、家族全体に統一感が出ます。
露出が多すぎる服装
神社や寺院は、落ち着いた服装が求められる場所です。
そのため、次のような露出の多い服は避けたほうが安心です。
- 胸元が大きく開いた服
- 背中が大きく見える服
- 極端に短いスカート
- 深いスリットが入ったスカート
- 下着が透けて見える服
- 肩や胸元の露出が目立つドレス
ノースリーブのワンピース自体が禁止されているわけではありません。
上品なデザインであれば着用できますが、ジャケットやボレロ、カーディガンなどの羽織物を用意すると、参拝時にも落ち着いた印象になります。
喪服に見える服装
黒い服は、七五三で着用しても問題ありません。
黒のワンピースやパンツスーツは、フォーマル感があり、子どもの華やかな着物を引き立てやすい服装です。
ただし、全身を黒一色でまとめると、弔事のように見えることがあります。
特に、次のような組み合わせには注意しましょう。
- 黒のワンピース
- 黒のジャケット
- 黒のバッグ
- 黒の靴
- 黒のストッキング
- 弔事用のアクセサリー
黒い服を選ぶ場合は、アイボリーやベージュのジャケット、パールアクセサリー、明るい色のバッグなどを合わせると、お祝いらしい印象になります。
問題なのは黒という色ではなく、喪服そのものに見える着こなしです。
家族で服装の格が合っていない
七五三では、一人ひとりの服装だけでなく、家族全体のバランスが重要です。
たとえば、次のような組み合わせはアンバランスに見えやすくなります。
- 母親は訪問着、父親はデニムとスニーカー
- 母親はフォーマルワンピース、父親はパーカー
- 父親は礼服、母親は普段着のニット
- 子どもは豪華な着物、両親は極端なカジュアルウェア
和装と洋装をそろえる必要はありません。
子どもと母親が着物で、父親がダークスーツという組み合わせも一般的です。
大切なのは、和装か洋装かではなく、家族全員のフォーマル度を同程度にそろえることです。
安全に歩けない服装
七五三では、境内の砂利道や石段を歩くことがあります。
また、子どもを抱っこしたり、追いかけたりする場面も少なくありません。
そのため、次のような服装は安全面から避けたほうがよいでしょう。
- 極端に高いピンヒール
- 裾を踏みやすいロングドレス
- 滑りやすい靴
- 歩きにくい厚底靴
- 締め付けが強すぎる服
- 動きにくいタイトな服
見た目のフォーマルさだけでなく、長時間無理なく過ごせることも重要です。
七五三で母親が避けたい服装
派手すぎるドレスやワンピース
母親の洋装は、ワンピース、セットアップ、セレモニースーツ、パンツスーツなどが一般的です。
ただし、子どもよりも目立つ華やかなドレスは避けたほうがよいでしょう。
結婚式の二次会やパーティー向けのような、光沢や装飾が強い服装は、七五三では華美に見えることがあります。
ネイビー、ベージュ、グレージュ、ライトグレー、アイボリー、くすみカラーなどを選ぶと、上品にまとめやすくなります。
振袖
振袖は未婚女性の第一礼装です。
未婚の母親であれば、形式上は着用できます。
しかし、振袖は袖が長く柄も華やかなため、七五三では子どもより母親が目立ってしまう可能性があります。
また、抱っこや着替えの手伝いがしにくいという実用上の問題もあります。
マナー違反ではありませんが、七五三では訪問着や付け下げなどのほうが適しています。
黒留袖
黒留袖は、既婚女性の第一礼装です。
主に結婚式で、新郎新婦の母親や近い親族が着用します。
七五三に着てはいけないという決まりはありませんが、行事に対して格が高すぎるため、一般的には選ばれません。
母親の着物には、訪問着、付け下げ、色無地などが適しています。
カジュアルな着物
浴衣や木綿着物は、普段着に分類されるため、正式な七五三参りにはカジュアルすぎる場合があります。
紬も一般的にはおしゃれ着とされており、訪問着や色無地よりも格が低い着物です。
ただし、写真撮影や家族だけの食事会など、カジュアルな七五三であれば着用できる場合もあります。
正式な祈祷を受けるのであれば、訪問着、付け下げ、色無地などを選ぶと安心です。
派手すぎる訪問着
訪問着であれば、どのような色柄でもよいわけではありません。
金彩や刺繍が多いもの、大きな柄が全面に入ったもの、鮮やかすぎる色の訪問着は、子どもより目立つ可能性があります。
母親の着物は、淡い色や落ち着いた柄を選ぶと、子どもの衣装を引き立てやすくなります。
七五三で父親が避けたい服装
普段着に近すぎる服装
父親は、ネイビーやチャコールグレーなどのダークスーツが最も無難です。
一方で、次のような服装はカジュアルすぎる印象になる可能性があります。
- デニム
- パーカー
- スウェット
- Tシャツ
- ハーフパンツ
- サンダル
- スポーツ用スニーカー
正式な祈祷を受ける場合は、スーツまたはジャケットとスラックスを選ぶと安心です。
派手すぎるスーツ
強い光沢のあるスーツや、大きなチェック柄、派手な色のスーツは、父親が目立ちすぎることがあります。
七五三では、無地または控えめな柄のダークスーツが適しています。
ネクタイで少し華やかさを加える程度にすると、落ち着いた祝いの装いになります。
結婚式のように見える礼服
黒の礼服を着用しても問題ありません。
白やシルバーのネクタイを合わせることも、慶事の装いとして間違いではありません。
ただし、ブラックスーツに真っ白なネクタイを合わせると、結婚式のように見えることがあります。
七五三では、ネイビーやチャコールグレーのスーツに、シルバー、淡いブルー、ボルドーなどの落ち着いたネクタイを合わせると自然です。
極端にカジュアルなノーネクタイ
ノーネクタイ自体がマナー違反になるわけではありません。
暑い時期や、家族全体を少しカジュアルにまとめる場合は、ノーネクタイでも問題ないことがあります。
ただし、子どもが格式のある着物を着て正式な祈祷を受ける場合は、父親もネクタイを着用したほうが、家族全体の格をそろえやすくなります。
派手な靴下
父親の靴下は、座ったときや階段を上るときに見えることがあります。
キャラクター柄、スポーツ用の白い靴下、鮮やかな色の靴下は避け、黒、ネイビー、ダークグレーなどを選ぶと安心です。
七五三で誤解されやすい服装マナー
白い服は着ても問題ない
七五三では、母親が白い服を着ても問題ありません。
結婚式では花嫁と重なるため白いドレスを避けますが、七五三にはそのようなルールはありません。
白、アイボリー、オフホワイト、クリーム色などは、明るく清潔感があり、お祝いの場にも適した色です。
ただし、真っ白でボリュームのあるドレスや、子どもより目立つ華やかなデザインは避けたほうがよいでしょう。
白という色がNGなのではなく、服のデザインや家族全体のバランスに注意する必要があります。
黒タイツは一律にNGではない
七五三では、ベージュ系のストッキングが最も無難です。
しかし、寒い季節に黒タイツを履いてはいけないという決まりはありません。
黒タイツを履く場合は、黒いワンピースや黒い靴だけで全身をまとめると、弔事のように見える可能性があります。
明るい色のジャケット、バッグ、アクセサリーを合わせて、お祝いらしい印象に整えましょう。
ブーツもデザインによっては着用できる
ブーツはすべてNGというわけではありません。
黒やダークブラウンのシンプルなショートブーツや、パンプスに近い上品なブーティーであれば、秋冬の洋装に合わせることができます。
ただし、次のようなブーツは避けたほうがよいでしょう。
- ムートンブーツ
- ワークブーツ
- 派手なロングブーツ
- 厚底ブーツ
- 装飾の多いブーツ
寒冷地や雪のある地域では、見た目よりも安全性を優先することも大切です。
スニーカーは状況に応じて選べる
スニーカーはパンプスや革靴よりもフォーマル度が低いため、正式な七五三では避けたほうが無難です。
しかし、妊娠中、産後、足腰に不安がある場合や、長距離を歩く場合は、無理にヒールを履く必要はありません。
黒や白の無地、レザー調、細身でロゴが目立たないスニーカーであれば、比較的きれいにまとめることができます。
移動中はスニーカーを履き、写真撮影や祈祷の前にパンプスへ履き替える方法もあります。
リュックやトートバッグは荷物用なら問題ない
七五三では、子どもの着替え、おむつ、飲み物、お菓子、防寒具など、荷物が多くなりやすいものです。
そのため、リュックや大きなトートバッグを使っても問題ありません。
ただし、記念写真に大きなリュックやカジュアルなバッグが写ると、全体の雰囲気を損なうことがあります。
写真撮影用の小さなバッグと、荷物用のサブバッグを分けて用意すると便利です。
七五三の母親におすすめの服装
洋装の場合
母親の洋装では、次のような服装が適しています。
- 膝丈からミモレ丈のワンピース
- セレモニースーツ
- ブラウスとスカートのセット
- きれいめのパンツスーツ
- ジャケット付きのセットアップ
色は、ネイビー、ベージュ、グレージュ、アイボリー、ライトグレーなどが選びやすいでしょう。
黒を選ぶ場合は、アクセサリーや小物で明るさを加えると、お祝いらしい装いになります。
和装の場合
母親の着物では、次の種類が適しています。
- 訪問着
- 付け下げ
- 色無地
- 礼装向きの江戸小紋
色や柄は、子どもの着物より控えめなものを選びましょう。
淡いピンク、クリーム、薄いグレー、淡いブルー、藤色などは、上品で写真にもなじみやすい色です。
七五三の父親におすすめの服装
ダークスーツ
父親は、ネイビーやチャコールグレーのダークスーツを選べば、大きく失敗しにくくなります。
シャツは白または淡いブルーが基本です。
ネクタイは、次のような色が適しています。
- シルバー
- グレー
- ネイビー
- 淡いブルー
- ボルドー
- 控えめなピンク
派手すぎる柄は避け、無地、小紋柄、細いストライプなどを選ぶと上品にまとまります。
ジャケットとスラックス
カジュアル寄りの七五三であれば、ジャケットとスラックスを組み合わせたスタイルでも問題ありません。
ただし、子どもや母親が格式の高い服装をしている場合は、父親もスーツを着用したほうがバランスを取りやすくなります。
靴やバッグを選ぶときの注意点
母親の靴
母親の靴は、低めのヒールやフラットタイプのパンプスが歩きやすく、七五三にも適しています。
神社の境内は砂利道や階段が多いため、高いヒールにこだわる必要はありません。
見た目よりも、子どもと安全に歩けることを優先しましょう。
父親の靴
父親は、黒またはダークブラウンの革靴が基本です。
靴には意外と目が行くため、汚れや傷が目立たないよう、事前に手入れをしておきましょう。
母親のバッグ
母親は、小さめのハンドバッグやショルダーバッグを選ぶと、フォーマルな服装になじみます。
荷物が多い場合は、サブバッグやリュックを併用しても問題ありません。
ただし、写真撮影の際は、大きな荷物を置くか家族に預けると、全体がきれいにまとまります。
アクセサリーやヘアメイクの注意点
アクセサリーは控えめにする
七五三では、パールのネックレスや小ぶりのイヤリングなど、上品なアクセサリーが適しています。
大ぶりのアクセサリーや長いネックレスは、子どもを抱っこするときに引っ掛かる可能性があります。
見た目だけでなく、安全性も考えて選びましょう。
ヘアメイクは清潔感を意識する
赤いリップや濃い色のネイルが禁止されているわけではありません。
ただし、母親のメイクやネイルが子どもより目立たないよう、全体のバランスを整えることが大切です。
写真に残る行事なので、普段より少し丁寧に整えた、清潔感のあるヘアメイクが適しています。
香水は、祈祷中に周囲の人が不快に感じないよう、強すぎる香りを避けましょう。
妊娠中や授乳中の母親が避けたい服装
締め付けや動きにくさを優先しない
妊娠中や授乳中は、服装の格式よりも体調と安全を優先して問題ありません。
次のような服装は避けたほうがよいでしょう。
- 締め付けの強いワンピース
- 長時間履けない高いヒール
- 裾が長く転びやすい服
- 授乳しにくいデザイン
- 重くて苦しい着物
- 脱ぎ着に時間がかかる服
マタニティ用や授乳口付きのフォーマルワンピース、きれいめのパンツスタイルでも、十分に七五三らしい装いになります。
祖父母が参加する場合の服装
両親と格をそろえる
祖父母が七五三に参加する場合も、子どもより目立たず、家族全体の服装に合わせることが大切です。
祖父はスーツやジャケットスタイル、祖母はワンピース、セットアップ、訪問着などが適しています。
黒留袖やモーニングなどは、七五三には格が高すぎる場合があります。
事前に家族で服装の雰囲気を相談しておくと、当日の記念写真にも統一感が出ます。
七五三の親の服装を決めるポイント
子どもの衣装に合わせる
子どもが本格的な着物を着る場合は、親もスーツ、訪問着、セレモニーワンピースなどを選びましょう。
子どもがカジュアルな洋装の場合は、親もきれいめなジャケットスタイルなどに調整できます。
祈祷の有無を確認する
神社や寺院で正式な祈祷を受ける場合は、セミフォーマル程度の服装が安心です。
写真館での撮影や家族だけの食事会であれば、少しカジュアルな服装でも問題ありません。
家族全体のフォーマル度をそろえる
母親だけ、または父親だけが極端に格式の高い服装になると、家族写真で違和感が出やすくなります。
当日の衣装は、夫婦や祖父母を含めて事前に共有しておきましょう。
動きやすさと安全性を優先する
七五三は、子どもの移動や着替え、抱っこなどで、親も想像以上に動きます。
無理に高いヒールや動きにくい着物を選ばず、清潔感とフォーマル感を保ちながら、安全に過ごせる服装を選びましょう。
七五三の親の服装に絶対的なNGは少ない
七五三では、白い服、黒い服、黒タイツ、ブーツ、スニーカー、ノーネクタイなどが、一律にマナー違反になるわけではありません。
大切なのは、特定のアイテムを機械的に避けることではなく、次の点を満たしているかどうかです。
- 子どもが主役になっているか
- 参拝の場にふさわしいか
- 家族の服装の格がそろっているか
- 清潔感があるか
- 安全に動けるか
- 弔事の服装に見えないか
七五三の親の服装に迷ったときは、普段着より一段きちんとした服装を基本にし、子どもの衣装を引き立てることを意識すると、大きな失敗を避けられます。
以上、七五三の親のNGな服装についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










