スラックスの語源について

ズボン,イメージ

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スラックスの語源は、英語の slacks です。

英語の slacks は、もともと「ゆるみのある長ズボン」「ゆったりしたズボン」を意味する言葉でした。

さらにその元になっているのが、英語の slack です。

slack には、次のような意味があります。

  • ゆるい
  • たるんだ
  • 張りつめていない
  • きつくない
  • 余裕がある

たとえば、英語で slack rope といえば「たるんだロープ」、slack time といえば「余裕時間」のような意味になります。

つまり、スラックスという言葉は、もともと「きちんとしたズボン」という意味から生まれたのではなく、体を締めつけない、ゆとりのあるズボンという意味から広がった言葉です。

目次

スラックスは英語の「slacks」に由来する

「slack」は「ゆるい」「たるんだ」という意味

スラックスの元になった slack は、「ゆるい」「たるんだ」「張りがない」といった意味を持つ英単語です。

この「ゆるい」という意味が衣服に使われるようになり、体にぴったり張りつかず、適度なゆとりを持ってはける長ズボンを slacks と呼ぶようになりました。

そのため、語源的に見ると、スラックスは次のような意味を持つ言葉だといえます。

スラックス=ゆとりのある長ズボン

現在の日本語では、スラックスというとビジネス向けのきれいめなズボンを思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、語源に注目すると、中心にあるのは「上品さ」や「フォーマルさ」ではなく、ゆとり・緩みです。

「slacks」は複数形の言葉

英語では、ズボン類を表す言葉に複数形がよく使われます。

たとえば、次のような言葉です。

  • pants
  • trousers
  • jeans
  • shorts
  • slacks

これは、ズボンが左右2本の脚を通す構造をしているためです。

日本語では「ズボン1本」と数えますが、英語では左右の脚部分を持つ衣服として、複数形で扱われることが多くあります。

そのため、英語では通常 a slack とは言わず、slacks と表現します。

1着のスラックスを表す場合は、a pair of slacks という言い方をします。

日本語の「スラックス」は、この英語の複数形 slacks がそのままカタカナ語として定着したものです。

スラックスはもともと「ゆったりしたズボン」を指していた

語源の中心は「ゆとり」

スラックスは、語源的には「ゆったりしたズボン」を意味する言葉です。

ここでいう「ゆったり」とは、だらしないという意味ではありません。

体に密着しすぎず、動きやすさや余裕を持たせた長ズボンという意味です。

そのため、もともとのスラックスには、現在の日本語でイメージされるような「ビジネス用」「スーツに合わせるズボン」という意味だけがあったわけではありません。

むしろ、最初はもっと広く、締めつけの少ない長ズボンというニュアンスで使われていました。

軍隊用・作業用のズボンとも関係がある

英語の slacks は、歴史的には軍隊用語として使われていたとされます。

当時のスラックスは、体にぴったりしたズボンというよりも、作業や移動がしやすい、ゆとりのある長ズボンを指していました。

その後、スポーツ着や普段着、カジュアルな長ズボンとしても使われるようになり、さらに一般的なファッション用語として広がっていきます。

つまり、スラックスは最初から「スーツ用のズボン」だったわけではなく、動きやすく、ゆとりのある長ズボンとして使われていた言葉なのです。

日本語でのスラックスの意味

現代日本語では「きれいめの長ズボン」を指すことが多い

日本語の「スラックス」は、英語の slacks から入ってきた外来語です。

ただし、日本語での意味は、英語本来の意味とは少し変化しています。

現代日本語で「スラックス」といった場合、多くは次のような長ズボンを指します。

  • スーツの組下のズボン
  • ジャケットに合わせる単品パンツ
  • ビジネス用の長ズボン
  • 制服のズボン
  • センタープレス入りのきれいめパンツ
  • オフィスカジュアルで使える上品なパンツ

つまり、日本語では「ゆったりしたズボン」という本来の意味よりも、ビジネスやフォーマルに使える、きれいめな長ズボンという意味で使われることが多くなっています。

「スーツの下だけ」を指す言葉ではない

スラックスというと、スーツの下に合わせるズボンをイメージする人も多いかもしれません。

しかし、スラックスは必ずしも「スーツの下だけ」を指す言葉ではありません。

たとえば、ジャケットに合わせる単品パンツや、制服のズボン、オフィスカジュアル向けのパンツなども、スラックスと呼ばれることがあります。

そのため、現代日本語でのスラックスは、次のように理解するとよいでしょう。

スラックス=ビジネス・制服・きれいめカジュアルなどで使われる上品な長ズボン

スーツの一部である場合もありますが、単体ではくきれいめのパンツもスラックスに含まれます。

スラックスと似た言葉の違い

スラックスとズボンの違い

「ズボン」は、日本語で長ズボン全般を指す一般的な言葉です。

子ども服、作業着、学生服、カジュアル服、ビジネス服など、幅広い場面で使えます。

一方で「スラックス」は、ズボンの中でも比較的きれいめで、ビジネスやフォーマルな場面に合いやすいものを指すことが多い言葉です。

たとえば、ジーンズやジャージ、作業ズボンを「スラックス」と呼ぶことはあまりありません。

反対に、センタープレスが入ったウール調のパンツや、ジャケットに合わせる上品なパンツは「スラックス」と呼ばれやすいです。

なお、「ズボン」の語源については、フランス語 jupon に由来する説や、「ずぼんと足が入る」という擬態語的な説明などがあります。

ただし、語源ははっきり確定しているわけではありません。

スラックスとパンツの違い

「パンツ」は、英語の pants に由来する言葉です。

日本語では少し意味が広く、下着を指す場合もあれば、長ズボンを指す場合もあります。

ファッション用語では、近年「パンツ」は長ズボン全般を指す言葉としてよく使われています。

たとえば、次のような言い方があります。

  • ワイドパンツ
  • テーパードパンツ
  • カーゴパンツ
  • イージーパンツ
  • センタープレスパンツ

このように「パンツ」は、カジュアルなものからきれいめなものまで幅広く使える言葉です。

一方、「スラックス」は、その中でもビジネス寄り・上品寄りのパンツを指す傾向があります。

スラックスとトラウザーズの違い

「トラウザーズ」は、英語の trousers に由来する言葉です。

日本語では日常会話で頻繁に使われる言葉ではありませんが、紳士服やファッション業界では使われることがあります。

「スラックス」よりも、やや本格的で、英国調・ドレス寄りの響きがあります。

たとえば、テーラードジャケットに合わせる上質なパンツや、クラシックな紳士服の文脈では「トラウザーズ」という表現が使われることがあります。

一般的な日本語としては「スラックス」のほうがなじみやすく、専門的・ファッション性の高い表現としては「トラウザーズ」が使われることが多いと考えるとよいでしょう。

スラックスはなぜ日本で「きちんとしたズボン」になったのか

洋装文化とビジネススタイルの普及が関係している

日本で「スラックス」がきれいめな長ズボンを指すようになった背景には、洋装文化やビジネススタイルの普及があります。

日本でスーツやジャケットスタイルが広まるにつれて、上着に合わせる下衣として、きちんと見える長ズボンが一般化しました。

その中で、ジーンズやチノパン、作業ズボンなどと区別するために、「スラックス」という言葉が使われるようになりました。

その結果、日本語ではスラックスに次のようなイメージが定着していきます。

  • 清潔感がある
  • 上品に見える
  • ビジネスに使える
  • ジャケットと合わせやすい
  • カジュアルすぎない

このように、日本語のスラックスは、語源である「ゆとりのあるズボン」という意味を残しつつ、現在では「きちんとした印象の長ズボン」という意味で使われることが多くなっています。

センタープレスは語源ではなく現代的な特徴

スラックスというと、センタープレスが入ったパンツを思い浮かべる人も多いでしょう。

センタープレスとは、ズボンの脚の中央に入った折り目のことです。

これがあることで、脚のラインがすっきり見え、きちんとした印象になります。

ただし、センタープレスはスラックスの語源ではありません。

スラックスの語源は、あくまで slack=ゆるい、たるんだ、余裕がある という意味です。

そのため、正確にいうと、センタープレス入りのパンツだけがスラックスというわけではありません。

現代日本語では、センタープレス入りのきれいめパンツをスラックスと呼ぶことが多いものの、語源的な中心は「折り目」ではなく「ゆとり」にあります。

スラックスの語源を理解すると意味の変化がわかる

本来は「ゆるいズボン」、現在は「きれいめなズボン」

スラックスの語源をたどると、本来の意味は「ゆとりのある長ズボン」です。

しかし、現代日本語では「スラックス」は、主にビジネスやフォーマル寄りのきれいめな長ズボンを指します。

つまり、スラックスは日本語の中で、次のように意味が変化した言葉だといえます。

本来の意味:ゆとりのある長ズボン
現代日本語での意味:ビジネスやきれいめな服装に合う長ズボン

この変化を知っておくと、スラックスという言葉の使われ方がより理解しやすくなります。

「ゆるい」は「だらしない」という意味ではない

スラックスの語源にある「ゆるい」という意味は、決して「だらしない」という意味ではありません。

ここでいう「ゆるい」とは、体にぴったり密着せず、適度な余裕があるという意味です。

むしろ、スラックスは適度なゆとりがあることで、立ち姿や歩く姿をきれいに見せやすい衣服でもあります。

そのため、語源は「ゆるいズボン」であっても、現代では「上品できちんとしたズボン」として使われているのです。

まとめ

スラックスの語源は、英語の slacks です。

さらにその元になっている slack には、「ゆるい」「たるんだ」「張りつめていない」「余裕がある」といった意味があります。

そのため、スラックスはもともと、体を締めつけない、ゆとりのある長ズボンを指す言葉でした。

英語ではズボン類を複数形で表すことが多いため、slacks という形で使われます。

1着を表す場合は、a pair of slacks と表現します。

一方、日本語の「スラックス」は、現在では本来の「ゆったりしたズボン」という意味から少し変化し、スーツやジャケット、制服、オフィスカジュアルに合わせるような、きれいめで上品な長ズボンを指すことが多くなっています。

つまり、スラックスは語源的には「ゆとりのあるズボン」、現代日本語では「きちんとした印象の長ズボン」と理解するとよいでしょう。

以上、スラックスの語源についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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