スーツにおける「タック」とは、パンツ(スラックス)の前面に入れられた折り目(ひだ)のことを指します。
布をわずかに折りたたみ、縫い留めることで生地に余裕を持たせ、シルエットや履き心地に影響を与える重要なディテールです。
主にクラシックなスーツスタイルでよく見られます。
目次
タックの基本的な役割
- 腰回りのゆとりを作る
タックを入れることでウエストから太ももにかけて余裕が生まれ、動きやすさ・座りやすさが向上します。特に足を組んだり長時間座る場面で効果的です。 - シルエットの演出
タックの有無や数によって、パンツのシルエット(細身・ゆったり)や印象(クラシック・モダン)が変わります。 - フォーマル度の調整
タック入りはクラシックで落ち着いた雰囲気を持ち、年齢層が高い方や伝統的なスタイルを好む方に好まれる傾向があります。逆にノータックは現代的でシャープな印象を与えます。
タックの種類
ノータック(タックなし)
- 特徴: 腰回りがスッキリし、細身で現代的なシルエット。
- 印象: スマート、都会的、カジュアル寄り。
- 適合: 若い世代、スリム体型、モード系スーツ。
ワンタック(1本タック)
- 特徴: 適度なゆとりとシャープさのバランス。
- 印象: ビジネスに万能、現代的クラシック。
- 適合: 標準的なビジネススーツ、幅広い年齢層。
ツータック(2本タック)
- 特徴: より多くのゆとりを確保。腰回りが快適で落ち着いたシルエット。
- 印象: 伝統的、クラシック、重厚感。
- 適合: 年配者、クラシック志向、フォーマル寄りのスタイル。
タックの向き(インタックとアウトタック)
- インタック
→ タックが内側に向かって折れるタイプ。腰回りをスリムに見せやすく、ヨーロッパのクラシックスタイルでよく使われる。 - アウトタック
→ タックが外側に向かって折れるタイプ。よりゆとりが出やすく、落ち着いた印象。日本のビジネススーツでよく採用されてきた。
選び方のポイント
- 体型に合わせる
- スリム体型 → ノータックやワンタックでスッキリ見せ。
- お腹が出ている・太ももが太い体型 → ワンタックやツータックで余裕を持たせると自然。
- 用途に合わせる
- 現代的なビジネス → ノータックかワンタック。
- 伝統的な場や格式重視 → ツータック。
- 流行性とクラシック性
- ノータックは流行に左右されやすい。
- タック入りは一度消えかけても必ず復活するクラシック要素。
まとめると、「タック」とはスラックスのデザイン上の折り目で、単なる装飾ではなく 機能性(動きやすさ)と美しさ(シルエット)を両立させる重要な要素 です。
ノータックはモダン、ツータックはクラシック、その間にワンタックがある、と理解すると整理しやすいです。
以上、スーツのタックについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。