「開き見せ」とは、ジャケットやスラックスなどの洋服において、本来は開くはずの部分を、実際には開かないように縫い閉じておき、見た目だけ“開く構造に見せている”デザイン仕様のことです。
わかりやすく言えば、
見た目は本物の“開き”のようだが、実際には開かない飾り仕様
という意味になります。
量産スーツや制服、カジュアルジャケットなどで非常によく使われる基本的なディテールです。
開き見せが採用される主な部位
袖口(もっとも一般的)
スーツやジャケットの袖口には
- 本開き(ほんあき / 本切羽)=実際に開閉できる袖口
- 開き見せ=見た目だけ本開き風で、開かない袖口
の2種類があります。
開き見せの袖口では、
- ボタンが付いている
- ボタンホール風の飾りステッチがある
- 切羽(袖の切れ込み)があるように見える
といった仕立てが施されますが、縫い目が固定されているため、実際には外しても開きません。
コストを抑えつつ、本格的なスーツらしい雰囲気を出すための代表的なフェイク仕様です。
パンツ・スカートの前立て部分
スラックスやスカートでは、次のような場面で開き見せが多用されます。
- 見た目はジッパーやボタンがあるのに、実際にはダミー
- 実際の開閉はサイドのファスナーや後ろ側で行う
- 子ども服や制服など、強度・コスト・安全性を考慮した設計
特にキッズパンツの「前ファスナー見せ」は典型的で、“大人のパンツのように見えるのに、完全総ゴムで扱いやすい”というメリットが生まれます。
ジャケット後ろのベント部分
ベント(センターベント/サイドベンツ)にも開き見せが存在します。
- ステッチや切替で“ベント風”に見せる
- 実際には切り込みが入っておらず、開かない
という仕様です。
量産ブレザーや学校制服でよく見られ、コスト削減と耐久性向上が目的です。
なぜ開き見せが使われるのか?
見た目は本格的に、機能は簡素に
本開きは高度な縫製が必要で、コストも手間も増えます。
開き見せは、見た目だけ本格仕様に近づけつつ、量産コストを抑えられる利点があります。
強度・耐久性が上がる
本開きの袖口は、開いた部分に力がかかりやすく、
- ほつれ
- 破れ
- ボタンの脱落
といったトラブルが起こりやすい側面があります。
開き見せは開閉しないため、服自体の寿命を伸ばす効果があります。
子ども服など安全面を優先したい場面に向く
誤操作を避けるため、前開きファスナーをダミーにして安全性を確保する場合にも採用されます。
本開きとの違い(まとめ)
| 項目 | 本開き | 開き見せ |
|---|---|---|
| 開閉するか | する | しない |
| 見た目 | 本物の仕様 | 本開き風の飾り |
| コスト | 高い | 低い |
| 強度 | やや弱め | 強い |
| 採用例 | 高級スーツ、オーダー品 | 量産スーツ、制服、カジュアル |
特にジャケットの袖口は、「本開き」=高級仕様の象徴「開き見せ」=標準的・量産的な仕様というイメージで知られています。
まとめ:開き見せは“開かない開き”を演出するための実用的なデザイン仕様
ジャケットの開き見せとは、
- 本来開く部分を
- 開かないように仕立て
- その代わり見た目だけ“本物っぽく”見せる
ためのフェイクディテールです。
量産性・耐久性・コストのバランスをとるため、現在の洋服では非常に一般的に採用されています。
以上、ジャケットの開き見せについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
