カフスボタンとは、シャツの袖口を留めるために使う装飾性のあるアクセサリーです。
英語では cufflinks(カフリンクス/カフスリンクス) と呼ばれます。
通常のワイシャツは袖口に縫い付けられたボタンで留めますが、カフスボタンを使うシャツは、袖口にあるボタンホール同士を合わせ、そこにカフスボタンを通して固定します。
日本では「カフスボタン」「カフリンクス」「カフス」と呼ばれることがあります。
ただし厳密には、カフスはシャツの袖口そのものを指し、袖口を留めるアクセサリーは「カフリンクス」と呼ぶのが正確です。
とはいえ、日本では「カフス」という言葉がカフスボタンの意味で使われることも多くあります。
カフスボタンの役割
カフスボタンには、主に2つの役割があります。
袖口を留める実用的な役割
カフスボタンの基本的な役割は、シャツの袖口を留めることです。
ボタンの代わりに袖口の穴へ通して固定することで、袖口が開かないように整えます。
特にダブルカフスのシャツでは、カフスボタンがないと袖口をきれいに留められません。
手元を上品に見せる装飾的な役割
カフスボタンは、実用性だけでなく装飾品としての役割もあります。
スーツスタイルでは、ネクタイ、時計、革靴、ベルト、ネクタイピンなどと同じく、全体の印象を整える小物のひとつです。
袖口からさりげなく見えるため、派手すぎずに上品さや個性を演出できます。
カフスボタンを使うシャツ
カフスボタンは、どのシャツにも使えるわけではありません。
基本的には、カフスボタン用の穴があるシャツに使います。
代表的なのは、ダブルカフスとコンバーチブルカフスです。
ダブルカフス
ダブルカフスとは、袖口を折り返して二重にし、カフスボタンで留めるタイプの袖口です。
「フレンチカフス」と呼ばれることもあります。
ダブルカフスはフォーマル感が強く、結婚式、披露宴、パーティー、式典、格式のあるレストラン、ドレスアップしたビジネススタイルなどに向いています。
カフスボタンを使うシャツとしては、もっとも代表的なタイプです。
コンバーチブルカフス
コンバーチブルカフスとは、通常のボタンでも留められ、カフスボタンでも留められるタイプの袖口です。
見た目は一般的なシングルカフスに近く、袖口にボタンが付いています。
そのため、普段は普通のボタンで留め、結婚式や会食など少しきちんと見せたい場面ではカフスボタンを使う、といった使い分けができます。
初めてカフスボタンを試す人には、コンバーチブルカフスのシャツが扱いやすいでしょう。
カフスボタンの付け方
カフスボタンの付け方は、シャツの袖口の種類によって少し異なりますが、基本的な考え方は同じです。
基本の付け方
まず、シャツの袖口にあるボタンホール同士を合わせます。
次に、カフスボタンの装飾面が外側に見えるように向きを整え、軸をボタンホールに通します。最後に、裏側の留め具を開いたり回転させたりして固定します。
一般的なボタンのように、片方の生地をもう片方に重ねて留めるというより、袖口の穴同士を合わせてカフスボタンでつなぐイメージです。
ダブルカフスの場合
ダブルカフスの場合は、まず袖口を折り返します。
そのうえで、重なった生地のボタンホールをそろえ、カフスボタンを通して固定します。
装飾部分が手の外側に見えるように付けると、自然で美しく見えます。
カフスボタンの主な種類
カフスボタンには、留め具の構造やデザインによってさまざまな種類があります。
ここでは代表的なものを紹介します。
スウィヴルバック式
スウィヴルバック式は、もっとも一般的なカフスボタンのひとつです。
裏側にあるバーを回転させて、ボタンホールに通したあとに固定します。
扱いやすく、着脱もしやすいため、初めてカフスボタンを使う人にもおすすめです。
店によっては、レバー式、Tバー式などと呼ばれることもあります。
チェーン式
チェーン式は、表側のパーツと裏側のパーツがチェーンでつながっているタイプです。
クラシックで上品な印象があり、ややドレッシーな雰囲気を出せます。
ただし、スウィヴルバック式に比べると付け外しに少し慣れが必要です。
固定式
固定式は、留め具が可動しないタイプのカフスボタンです。
シンプルな構造でデザイン性の高いものも多いですが、ボタンホールに通すときに少し手間がかかる場合があります。
慣れている人向けのタイプといえるでしょう。
シルクノット
シルクノットは、絹糸やゴムのような素材で作られた結び目型のカフスボタンです。
金属製のカフスボタンよりもカジュアルで軽い印象があります。
価格も比較的手頃なものが多く、ビジネスカジュアルや少し抜け感のある装いに合わせやすいタイプです。
カフスボタンを使う場面
カフスボタンは、フォーマルな場面だけでなく、ビジネスやカジュアルなドレスアップにも使えます。
結婚式や披露宴
結婚式や披露宴では、カフスボタンを使うことで手元が上品に見え、きちんとした印象を与えられます。
一般的な結婚式では、シルバー系、白蝶貝、黒蝶貝、オニキスなどの落ち着いたデザインが使いやすいです。
派手すぎる色や奇抜なモチーフ、キャラクターものなどはカジュアルに見えやすいため、フォーマルな場では避けた方が無難です。
パーティーや式典
パーティーや式典でも、カフスボタンは装いを格上げする小物として役立ちます。
スーツやジャケットスタイルに合わせる場合は、腕時計やベルトの金具、ネクタイピンなどの色とそろえると統一感が出ます。
たとえば腕時計がシルバーなら、カフスボタンもシルバー系にすると自然です。
ビジネスシーン
ビジネスでカフスボタンを使う場合は、控えめで清潔感のあるデザインを選ぶのが基本です。
おすすめは、シルバー、ネイビー、ブラック、グレー、白系などの落ち着いた色です。
形は丸型、四角型、楕円形など、シンプルなものが使いやすいでしょう。
一方で、大きすぎるもの、光沢が強すぎるもの、派手なモチーフのものは、職場によっては浮いて見えることがあります。
特に金融、士業、公的機関などの堅めの業界では、さりげないデザインを選ぶ方が安心です。
フォーマルシーンでの注意点
カフスボタンはフォーマルな印象を高めるアイテムですが、すべてのフォーマルシーンで必須というわけではありません。
すべての場面で必須ではない
カフスボタンは、ダブルカフスのシャツを着る場合には必要になります。
しかし、一般的なボタン付きシャツを着る場合は、カフスボタンがなくても問題ありません。
つまり、カフスボタンは「フォーマルな場面で必ず使わなければならないもの」というより、装いをより上品に見せるための小物と考えるとよいでしょう。
タキシードではシャツスタッドと合わせることもある
タキシードを着るような格式の高い場面では、カフスボタンだけでなく、シャツの前立て部分に使うシャツスタッドと合わせることがあります。
このような場合は、カフスボタンとシャツスタッドの素材や色をそろえると、より整った印象になります。
カフスボタンの選び方
カフスボタンを選ぶときは、場面、シャツ、スーツ、小物との相性を考えることが大切です。
初心者はシンプルなシルバー系がおすすめ
初めてカフスボタンを買うなら、シルバー系のシンプルなデザインがおすすめです。
シルバー系は、ネイビー、グレー、ブラックなど多くのスーツに合わせやすく、ビジネスにも結婚式にも使いやすい色です。
形は丸型や四角型など、主張しすぎないものを選ぶと失敗しにくくなります。
フォーマルには上品な素材を選ぶ
結婚式や式典などのフォーマルな場面では、白蝶貝、黒蝶貝、オニキス、シルバー系の金属などが使いやすいです。
華やかさはありつつも、派手になりすぎないデザインを選ぶと、スーツスタイル全体に自然になじみます。
ビジネスでは控えめなデザインを選ぶ
ビジネスで使う場合は、個性よりも清潔感と上品さを優先しましょう。
小ぶりでシンプルなデザインなら、相手に違和感を与えにくく、手元をきれいに見せられます。
ネクタイピンや腕時計の金具と色を合わせると、全体の印象もまとまりやすくなります。
カフスボタンのメリット
カフスボタンを使うメリットは、手元にさりげない上品さを加えられることです。
細部まで気を配っている印象になる
スーツスタイルでは、細かい部分ほど印象に差が出ます。
カフスボタンを取り入れると、袖口が整って見え、細部まで身だしなみに気を配っている印象を与えられます。
特に名刺交換、食事、会議、乾杯など、手元が見える場面では効果的です。
個性をさりげなく出せる
カフスボタンは小さなアイテムですが、デザインの幅が広いのも魅力です。
シンプルなものを選べば上品に、少しデザイン性のあるものを選べば個性をさりげなく表現できます。
ネクタイやスーツほど大きく印象を変えずに、自分らしさを加えられる点が魅力です。
カフスボタンの注意点
カフスボタンは便利でおしゃれな小物ですが、使うときにはいくつか注意点があります。
対応したシャツが必要
カフスボタンを使うには、袖口にカフスボタン用の穴があるシャツが必要です。
普通のボタン付きシャツでは、基本的にカフスボタンは使えません。
ただし、コンバーチブルカフスのように、ボタン留めとカフスボタン留めの両方に対応しているシャツなら使用できます。
付け外しに慣れが必要
カフスボタンは、普通のボタンに比べると付け外しに少し手間がかかります。
特に初めて使う場合は、朝の忙しい時間に慌てないよう、事前に何度か練習しておくと安心です。
スウィヴルバック式のような扱いやすいタイプを選ぶと、初心者でも使いやすいでしょう。
場面に合わないデザインは避ける
カフスボタンは、選び方によって印象が大きく変わります。
フォーマルやビジネスでは、派手すぎるものや遊び心が強すぎるものは避けた方が無難です。
反対に、カジュアルなパーティーや親しい人との食事会では、少しデザイン性のあるものを選んでもよいでしょう。
カフスボタンとスーツの合わせ方
カフスボタンは、スーツ全体のバランスを考えて選ぶと、より自然に見えます。
金属小物の色をそろえる
カフスボタンを選ぶときは、腕時計、ベルトのバックル、ネクタイピン、指輪などの金属小物と色をそろえると統一感が出ます。
たとえば腕時計やネクタイピンがシルバーなら、カフスボタンもシルバー系にするとまとまりやすくなります。
ゴールド系の小物を使っている場合は、ゴールド系のカフスボタンを合わせる方法もあります。
ただし、ビジネスシーンではゴールド系は華やかに見えやすいため、最初はシルバー系を選ぶ方が使いやすいでしょう。
スーツやシャツの雰囲気に合わせる
ネイビーやグレーのスーツには、シルバー系や白蝶貝のカフスボタンがよく合います。
ブラックスーツやタキシードには、黒蝶貝やオニキスなどの引き締まったデザインも合わせやすいです。
シャツが白や淡いブルーなどのシンプルな色なら、カフスボタンも自然に映えます。
柄の強いシャツやカジュアルなシャツに合わせる場合は、全体がうるさく見えないように、控えめなデザインを選ぶとよいでしょう。
初めてカフスボタンを使うなら
初めてカフスボタンを使うなら、まずはコンバーチブルカフスのシャツと、シンプルなスウィヴルバック式のカフスボタンを選ぶのがおすすめです。
まずはコンバーチブルカフスが使いやすい
コンバーチブルカフスのシャツなら、普段は通常のボタンで留められます。
必要なときだけカフスボタンを使えるため、初心者でも取り入れやすいです。
「いきなりダブルカフスは少しハードルが高い」と感じる人でも、コンバーチブルカフスなら自然に試せます。
1つ目はシルバー系のシンプルなものを選ぶ
最初の1つとして選ぶなら、シルバー系で小ぶりなカフスボタンが無難です。
ビジネス、結婚式、会食など幅広い場面で使いやすく、スーツやシャツとの相性も取りやすいです。
デザインは、丸型、四角型、楕円形などのシンプルなものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
カフスボタンとは、シャツの袖口を留めるために使う装飾性のあるアクセサリーです。
英語ではカフリンクスと呼ばれ、厳密には「カフス」は袖口、「カフリンクス」は袖口を留める小物を意味します。
カフスボタンは、ダブルカフスやコンバーチブルカフスのシャツに使います。
ダブルカフスはフォーマル感が強く、コンバーチブルカフスは通常のボタンでもカフスボタンでも留められるため、初心者にも扱いやすいタイプです。
フォーマルシーンでは、シルバー系、白蝶貝、黒蝶貝、オニキスなどの上品なデザインが使いやすく、ビジネスでは控えめで清潔感のあるものが向いています。
カフスボタンは必ず必要なアイテムではありませんが、手元に上品さを加え、スーツスタイルをより洗練された印象に見せてくれます。
初めて使うなら、コンバーチブルカフスのシャツに、シルバー系のシンプルなスウィヴルバック式カフスボタンを合わせると失敗しにくいでしょう。
以上、カフスボタンとはなんなのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








