靴磨きの正しい手順について

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革靴をきれいに長持ちさせるためには、正しい順番で靴磨きを行うことが大切です。

ただクリームを塗ればよいわけではなく、まずホコリや汚れを落とし、その後に革へ油分や保革成分を補い、最後に余分なクリームを取り除いて仕上げる必要があります。

靴磨きの基本は、「汚れを落とす → クリームで革を整える → ブラッシングでなじませる → 乾拭きで仕上げる」 という流れです。

さらに艶を出したい場合は、つま先やかかとにワックスを使って仕上げます。

この記事では、一般的なスムースレザーの革靴を前提に、靴磨きの正しい手順を初心者にも分かりやすく解説します。

目次

靴磨きの基本的な順番

靴磨きは、次の順番で行うのが基本です。

  1. 靴紐を外す
  2. シューキーパーを入れる
  3. 馬毛ブラシでホコリを落とす
  4. 必要に応じてクリーナーで汚れを落とす
  5. 靴クリームを薄く塗る
  6. 豚毛ブラシでクリームをなじませる
  7. クロスで乾拭きする
  8. 必要に応じてワックスで艶を出す
  9. 最後に全体を整える

日常的なケアであれば、毎回すべての工程を行う必要はありません。

普段はブラッシングを中心に行い、革の乾燥や色あせが気になるタイミングでクリームを使った本格的なケアを行うとよいでしょう。

靴紐を外す

本格的に靴磨きをする場合は、まず靴紐を外します。

靴紐をつけたままでも簡単なブラッシングはできますが、細かい部分までしっかり磨くなら外しておくのがおすすめです。

靴紐を外すことで、羽根まわりやタンの部分までブラシやクリームが届きやすくなります。

また、靴紐にクリームやワックスが付着するのを防げるため、仕上がりもきれいになります。

靴紐が汚れている場合は、革靴とは別に洗って乾かしておきましょう。

靴本体がきれいになっても、靴紐が汚れていると全体の印象が悪く見えてしまいます。

ただし、履いた後に軽くホコリを落とす程度であれば、毎回靴紐を外す必要はありません。

月に1回程度の本格ケアや、丁寧に磨きたいときに外すとよいでしょう。

シューキーパーを入れる

次に、靴の中にシューキーパーを入れます。

シューキーパーを入れることで、靴の形が整い、履きジワが伸びます。

革の表面が平らに近い状態になるため、ブラッシングやクリームの塗布がしやすくなります。

特に甲の部分はシワが入りやすく、シワの隙間にホコリや古いクリームが残りやすい部分です。

シューキーパーで形を整えてから作業すると、細かな部分までケアしやすくなります。

シューキーパーには木製やプラスチック製がありますが、日常的な革靴の保管には木製のものが便利です。

特に無塗装の木製シューキーパーは、靴内部の湿気を吸収しやすいとされています。

ただし、雨で濡れた靴にいきなりシューキーパーを入れて磨くのは避けましょう。

濡れた革靴は、まず乾いた布で水分を拭き取り、風通しのよい場所で陰干ししてからケアします。

完全に乾いてから靴磨きを行うと、革への負担を抑えやすくなります。

馬毛ブラシでホコリを落とす

シューキーパーを入れたら、馬毛ブラシで靴全体のホコリを落とします。

この工程は、靴磨きの中でも非常に重要です。

革靴の表面には、目に見える汚れだけでなく、細かなホコリや砂ぼこりも付着しています。

そのままクリームを塗ると、汚れを革にすり込んでしまったり、細かな傷の原因になったりします。

馬毛ブラシは毛が柔らかく、革の表面を傷つけにくいため、ホコリ落としに向いています。

力を入れてゴシゴシこするのではなく、靴全体を払うようにブラッシングしましょう。

特に、次の部分は汚れが残りやすいため丁寧に行います。

  • アッパー全体
  • 履きジワの部分
  • 羽根まわり
  • タンの部分
  • 縫い目まわり
  • コバの周辺
  • かかとの周辺

日常的なケアであれば、履いた後に馬毛ブラシでホコリを落とすだけでも効果があります。

ホコリを溜め込まないことで、革の乾燥や傷みを防ぎやすくなります。

必要に応じてクリーナーで汚れを落とす

ホコリを落とした後、汚れや古いクリームの蓄積が気になる場合は、革靴用クリーナーを使います。

クリーナーは、革の表面に残った古いクリームやワックス、皮脂汚れなどを落とすための道具です。

クリームを塗り重ね続けていると、表面がくすんだり、新しいクリームがなじみにくくなったりすることがあります。

そのような場合に、クリーナーで一度リセットすると仕上がりが良くなります。

ただし、クリーナーは毎回必ず使うものではありません。

軽い日常ケアであれば、ブラッシングだけで十分な場合もあります。

特に強いリムーバーを頻繁に使うと、革に必要な油分まで落としすぎることがあるため注意が必要です。

使うときは、クリーナーをクロスに少量取り、革の表面をやさしく拭き取るようにします。

クリーナーを直接靴に垂らすと、シミや色ムラの原因になる場合があります。

必ず布に取ってから使いましょう。

初めて使うクリーナーの場合は、かかとの内側など目立ちにくい部分で試してから使うと安心です。

革の種類や仕上げによっては色落ちすることもあるため、強くこすりすぎないことも大切です。

靴クリームを少量取る

汚れを落としたら、靴クリームを用意します。

靴クリームは、革に油分や保革成分を補い、乾燥を防ぎながら自然な艶を出すために使います。

色付きのクリームであれば、色あせた部分を補色する効果も期待できます。

一般的なスムースレザーの革靴には、乳化性クリームが使いやすいです。

乳化性クリームは水分と油分を含んでおり、革にうるおいを与えながら自然な光沢を出しやすいのが特徴です。

クリームの量は、最初から多く取りすぎないことが大切です。

目安としては、片足につき米粒2〜3粒程度の少量から始め、足りない場合は少しずつ追加します。

クリームを塗りすぎると、革の表面がベタついたり、ホコリが付きやすくなったりします。

また、余分なクリームが残ると、パンツの裾に色移りすることもあります。

靴磨きでは、「たっぷり塗る」よりも「薄く均一に塗る」 ことを意識しましょう。

ペネトレイトブラシやクロスでクリームを塗る

靴クリームは、ペネトレイトブラシや柔らかいクロスを使って塗ります。

ペネトレイトブラシとは、小さな丸いブラシのことで、クリームを細かい部分まで塗り込みやすい道具です。

縫い目やコバ付近、履きジワの部分にもクリームをなじませやすいため、1本持っておくと便利です。

クロスを使う場合は、指に布を巻きつけて、少量のクリームを薄く伸ばしていきます。

円を描くように動かすと、ムラになりにくくなります。

クリームを塗るときは、革の表面に厚く乗せるのではなく、革になじませるように薄く広げます。

特に以下の部分は塗り残しが出やすいため、丁寧に確認しましょう。

  • つま先
  • かかと
  • 履きジワ
  • 羽根まわり
  • コバの近く
  • 縫い目付近

色付きクリームを使う場合は、靴の色に近いものを選びます。

黒い靴には黒、茶色の靴には近い色味のブラウンを選ぶのが基本です。

色選びに迷う場合や、革の色を大きく変えたくない場合は、無色のニュートラルクリームを使う方法もあります。

ただし、無色クリームでは色抜けした部分の補色はできません。

また、塗りすぎると革の表面に白っぽく残ることがあるため、少量を薄く伸ばすことが大切です。

なお、色付きクリームを使う場合は、ブラシやクロスに色が移ります。

黒用、茶色用、無色用などで道具を分けておくと、別の靴に色が移りにくくなります。

豚毛ブラシでクリームをなじませる

クリームを塗った後は、豚毛ブラシでブラッシングします。

豚毛ブラシは馬毛ブラシよりもコシがあり、塗ったクリームを革全体に広げるのに向いています。

この工程では、クリームを革になじませながら、余分なクリームを取り除いていきます。

クリームを塗っただけでは、表面にムラが残りやすいです。

豚毛ブラシでしっかりブラッシングすることで、クリームが均一に広がり、自然な艶が出てきます。

ブラシは小刻みに動かし、革全体をまんべんなく磨きます。

力を入れすぎる必要はありませんが、表面に残ったクリームを動かすイメージで、テンポよくブラッシングすると仕上がりが良くなります。

仕上げにさらに艶を出したい場合は、山羊毛ブラシを使う方法もあります。

ただし、初心者のうちは馬毛ブラシと豚毛ブラシがあれば、基本的な靴磨きは十分に行えます。

クロスで乾拭きする

ブラッシングが終わったら、柔らかいクロスで乾拭きします。

乾拭きは、革の表面に残った余分なクリームを取り除くための大切な工程です。

余分なクリームが残っていると、ベタつきやホコリの付着、色移りの原因になります。

クロスは、靴磨き用の布のほか、柔らかい綿素材の布や不要になったTシャツなどでも代用できます。

革の表面を軽くなでるように拭き、しっとりとした自然な艶に整えましょう。

日常的な革靴のケアであれば、ここまでの工程で十分です。

つまり、基本の靴磨きは、ホコリを落とす → クリームを薄く塗る → ブラッシングする → 乾拭きするという流れになります。

艶を出したい場合はワックスを使う

より強い艶を出したい場合は、靴用ワックスを使います。

ワックスは、革に油分や保革成分を補うクリームとは役割が異なります。

主な目的は、革の表面に薄い膜を作り、光沢を出すことです。

そのため、ワックスは靴全体に厚く塗るものではありません。

基本的には、つま先やかかとなど、芯材が入っていてシワが入りにくい部分に使います。

特に注意したいのは、甲の履きジワ部分です。

履きジワのように革がよく動く部分にワックスを厚く塗ると、歩いたときにワックスの膜が割れ、白くひび割れたように見えることがあります。

ワックスを塗るときは、クロスに少量取り、つま先やかかとに薄く円を描くように伸ばします。

最初から厚く塗らず、薄い層を少しずつ重ねるのがポイントです。

鏡面磨きは必要に応じて行う

つま先を鏡のように光らせたい場合は、鏡面磨きを行います。

鏡面磨きでは、ワックスを薄く重ねながら、少量の水を使って表面を磨いていきます。

水を使うことで、ワックスの表面がなめらかに整い、強い光沢が出やすくなります。

ただし、水の使いすぎには注意が必要です。水は1滴程度で十分です。

多く使いすぎると、ワックスがうまく乗らなかったり、革にシミができたりすることがあります。

鏡面磨きの基本は、次の繰り返しです。

  1. ワックスを薄く塗る
  2. 少量の水を使ってやさしく磨く
  3. さらに薄くワックスを重ねる
  4. また少量の水で磨く

この工程を数回繰り返すことで、つま先に強い艶が出てきます。

ただし、鏡面磨きは靴磨きの必須工程ではありません。

革靴を清潔に保ち、長持ちさせる目的であれば、クリームで革を整え、ブラッシングと乾拭きで仕上げるだけでも十分です。

初心者の場合は、まず基本の靴磨きを覚え、慣れてきてから鏡面磨きに挑戦するとよいでしょう。

最後に全体を整える

最後に、靴全体の仕上がりを確認します。

クリームの拭き残しがないか、ムラになっている部分がないか、コバまわりに汚れが残っていないかを見ておきましょう。

鏡面磨きをしていない部分は、軽くブラッシングしたり、クロスで乾拭きしたりして整えます。

鏡面磨きをしたつま先やかかとは、ブラシで強くこすらず、柔らかいクロスでやさしく整えると艶を保ちやすくなります。

仕上げが終わったら、靴紐を通し直して完了です。

時間に余裕がある場合は、すぐに履かず、少し置いてから履くとクリームがなじみやすくなります。

靴磨きに必要な道具

ここからは、靴磨きで使う基本的な道具を紹介します。

馬毛ブラシ

馬毛ブラシは、主にホコリ落としに使います。

毛が柔らかく、革の表面を傷つけにくいため、靴磨きの最初のブラッシングに向いています。

履いた後の日常ケアにも使いやすい道具です。

豚毛ブラシ

豚毛ブラシは、靴クリームを革になじませるために使います。

馬毛ブラシよりも毛にコシがあり、クリームを革全体に広げやすいのが特徴です。

色付きクリームを使う場合は、黒用、茶色用などで分けておくと便利です。

ペネトレイトブラシ

ペネトレイトブラシは、靴クリームを塗るための小さなブラシです。

細かい部分までクリームを塗りやすく、指やクロスでは届きにくい縫い目やコバ付近にも使いやすいです。

靴クリーム

靴クリームは、革に油分や保革成分を補い、乾燥を防ぎ、自然な艶を出すために使います。

色付きクリームは補色にも役立ちます。

色あせが気になる場合は、靴の色に合ったクリームを選びましょう。

クリーナー

クリーナーは、古いクリームや汚れを落とすために使います。

毎回使う必要はありませんが、汚れが目立つときや、クリーム・ワックスが蓄積して革がくすんでいるときに役立ちます。

クロス

クロスは、クリームを塗る、乾拭きする、ワックスを使うといった場面で使います。

柔らかい綿素材の布が使いやすく、不要になったTシャツなどでも代用できます。

ただし、色付きクリームやワックスを使う場合は、用途ごとにクロスを分けると安心です。

ワックス

ワックスは、つま先やかかとに強い艶を出すために使います。

革靴全体に塗るものではなく、主に光沢を出したい部分に使う仕上げ用のアイテムです。

シューキーパー

シューキーパーは、靴の形を整え、履きジワを伸ばすために使います。

靴磨きの作業がしやすくなるだけでなく、保管時の型崩れ防止にも役立ちます。

靴磨きで注意したいポイント

クリームを塗りすぎない

靴磨きでよくある失敗が、クリームの塗りすぎです。

クリームを多く塗れば革に良いと思われがちですが、実際には余分なクリームが革の表面に残り、ベタつきやくすみの原因になることがあります。

クリームは少量から始め、足りなければ追加するのが基本です。

塗った後は、ブラッシングと乾拭きで余分なクリームをしっかり取り除きましょう。

クリーナーを使いすぎない

クリーナーは便利な道具ですが、毎回使う必要はありません。

特に洗浄力の強いクリーナーを頻繁に使うと、革に必要な油分まで落としてしまう場合があります。

汚れや古いクリームの蓄積が気になるときに使う程度で十分です。

ワックスを履きジワ部分に厚塗りしない

ワックスは、革の表面に光沢を出すためのものです。

履きジワのように革が動く部分に厚く塗ると、歩行時にワックスの膜が割れ、白っぽく見えることがあります。

ワックスは、つま先やかかとなど動きにくい部分に使いましょう。

素材に合わせて手入れ方法を変える

今回紹介している手順は、一般的なスムースレザーの革靴向けです。

スエード、ヌバック、エナメル、コードバンなどは、それぞれ適した手入れ方法が異なります。

特にスエードやヌバックのような起毛素材に、通常の靴クリームを塗るのは避けましょう。

起毛素材には専用ブラシや専用スプレーを使います。

エナメルにはエナメル専用クリーナー、コードバンには専用クリームや専用ブラシを使うと安心です。

靴磨きの頻度

靴磨きの頻度は、革靴を履く回数や使用環境によって変わります。

毎回本格的にクリームを塗る必要はありません。

むしろ、普段からブラッシングをしてホコリを落としておくことが、革靴を長持ちさせるうえで大切です。

目安としては、次のように考えるとよいでしょう。

  • 履いた後:馬毛ブラシでホコリを落とす
  • 汚れが気になるとき:クロスで乾拭きする
  • 革の乾燥や色あせが気になるとき:靴クリームでケアする
  • 月1回程度:クリームを使った本格ケアを行う
  • 艶を出したいとき:ワックスで仕上げる

週に何度も履く靴であれば、ブラッシングの頻度を増やし、革の状態を見ながらクリームケアを行います。

反対に、履く回数が少ない靴であれば、毎月必ずクリームを塗る必要がない場合もあります。

大切なのは、決まった頻度だけで判断するのではなく、革の状態を見てケアすることです。

初心者におすすめの靴磨き手順

初心者の方は、最初から鏡面磨きまで行う必要はありません。

まずは、以下の基本手順を覚えましょう。

  1. 靴紐を外す
  2. シューキーパーを入れる
  3. 馬毛ブラシでホコリを落とす
  4. 靴クリームを薄く塗る
  5. 豚毛ブラシでクリームをなじませる
  6. クロスで乾拭きする

この流れだけでも、革靴は十分きれいに保てます。

慣れてきたら、汚れが気になるときにクリーナーを使ったり、つま先にワックスを使って艶を出したりするとよいでしょう。

まとめ

靴磨きの正しい手順は、まずホコリや汚れを落とし、その後に靴クリームで革に油分や保革成分を補い、ブラッシングと乾拭きで仕上げる流れです。

基本の順番は、次の通りです。

靴紐を外す → シューキーパーを入れる → 馬毛ブラシでホコリを落とす → 必要に応じてクリーナーを使う → 靴クリームを薄く塗る → 豚毛ブラシでなじませる → クロスで乾拭きする → 必要に応じてワックスで艶を出す

特に大切なのは、いきなりクリームを塗らないこと、クリームを塗りすぎないこと、ワックスを履きジワ部分に厚く塗らないことです。

日常的には、履いた後に馬毛ブラシでホコリを落とすだけでも革靴の状態は大きく変わります。

月に1回程度を目安に、革の乾燥や色あせが気になるタイミングでクリームケアを行うと、革靴をきれいな状態で長く履き続けやすくなります。

以上、靴磨きの正しい手順についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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