「ブレザー」という言葉は普段よく使われていますが、その語源まで知っている人はそれほど多くないかもしれません。
学校制服や紺色の上着を思い浮かべる方も多いと思いますが、実はブレザーの語源をたどると、現在のイメージとは少し違った姿が見えてきます。
結論から言うと、ブレザーという言葉の由来として最も有力なのは、19世紀のイギリスで使われていた鮮やかな赤いクラブジャケットにあるとされています。
一方で、よく知られている「イギリス海軍の HMS Blazer 号が由来」という説もありますが、こちらは有名ではあるものの、資料面ではやや弱いと考えられています。
この記事では、ブレザーの語源について、どの説が有力なのか、そして現在のブレザーへどのようにつながっていったのかをわかりやすく整理していきます。
ブレザーは「blaze」に由来すると考えられている
ブレザーは英語で blazer と書きます。
この語は、blaze という単語と関係があるとされています。
blaze には、「炎」「燃え上がる」「強く光る」「ひときわ目立つ」といった意味があります。
そのため、blazer という言葉にはもともと、炎のように目立つ上着というニュアンスがあったと考えられています。
今ではブレザーというと、落ち着いた色合いの制服やジャケットを想像する人が多いでしょう。
しかし語源をたどると、当初はむしろ鮮やかで人目を引く上着を指していた可能性が高いのです。
最も有力なのは「赤いボートクラブの上着」説
ブレザーの語源として特に有力視されているのが、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジの Lady Margaret Boat Club が着用していた赤いフランネルジャケットに由来するという説です。
このクラブのメンバーが着ていた上着は非常に鮮やかな赤色だったため、その目立つ見た目から blazer と呼ばれるようになったと考えられています。
まさに「燃えるような色の上着」というイメージが、そのまま名前に結びついたわけです。
語源辞典などでも、服飾用語としての blazer は19世紀後半のイギリスで使われ始めた語とされており、この赤いクラブジャケットとの関係が指摘されています。
つまり、語源の観点から見ると、ブレザーはもともと現在の紺色ジャケットのような落ち着いた服ではなく、かなり目立つスポーツ用の上着だったといえます。
1889年にはすでに意味が広がっていた
ブレザーの語源を語るうえでよく触れられるのが、1889年の新聞記事に見られる記述です。
そこでは、もともとブレザーという言葉が Lady Margaret Boat Club の赤いジャケットを指していたものの、その頃にはすでに意味が広がり、クリケットやテニス、ボート競技などで着る色付きジャケット全般を指すようになっていたことがうかがえます。
この点はとても重要です。
なぜなら、ブレザーという言葉は最初から今のような「上品なジャケット」を意味していたのではなく、まずはスポーツやクラブ活動で着る目立つ上着を指し、その後だんだん一般化していったことがわかるからです。
よく知られる「HMS Blazer号由来説」とは?
ブレザーの語源として、もうひとつ有名なのがイギリス海軍の HMS Blazer 号に由来する説です。
この説では、1837年にヴィクトリア女王の閲艦に備えて、HMS Blazer 号の乗組員が金属ボタン付きの上着を揃えたことが、ブレザーの始まりになったとされています。
たしかにこの話は非常に広く知られており、ファッションに関する読み物などでもたびたび紹介されます。
ただし、語源として見る場合には少し注意が必要です。
この説は知名度こそ高いものの、同時代の確かな資料による裏づけが比較的弱いとされています。
そのため、現在では「有名な説ではあるが、語源としては赤いクラブジャケット説のほうが有力」と考えるのが自然です。
つまり、HMS Blazer 号説は完全に否定されているわけではないものの、証拠の強さという点では一歩譲る説と理解しておくとよいでしょう。
現代のブレザーとは少しイメージが違う
現在のブレザーといえば、学校制服の上着や、ネイビーで金ボタンのついたクラシックなジャケットを思い浮かべる人が多いはずです。
しかし、語源の段階でのブレザーは、そうした落ち着いた服装というより、クラブカラーを前面に出したスポーティーで目立つ上着に近いものでした。
つまり、言葉としての「ブレザー」が先に広まり、その後の服飾文化の中で、現在私たちが知るようなスタイルへと整理されていったのです。
この点を知ると、ブレザーという言葉に対する印象も少し変わってくるかもしれません。
まとめ
ブレザーの語源は、英語の blaze に由来し、もともとは「燃えるように目立つ上着」という意味合いを持っていたと考えられています。
特に有力なのは、ケンブリッジ大学の Lady Margaret Boat Club が着ていた鮮やかな赤いフランネルジャケットが由来だという説です。
一方で、イギリス海軍の HMS Blazer 号に由来する説もよく知られていますが、資料上の裏づけという点ではやや弱く、現在では赤いクラブジャケット起源説のほうが有力とみなされています。
今では制服や紺ブレのイメージが強いブレザーですが、その言葉の始まりは、むしろ人目を引く鮮やかな上着にありました。
そう考えると、何気なく使っている「ブレザー」という言葉にも、意外に華やかな歴史が隠れていることがわかります。
以上、ブレザーの語源についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。









