スーツのベスト(ジレ)は軽い衣類に見えますが、前身頃の立体感やウエストライン、Vゾーンのクセなど、一度崩れると戻りにくい要素が多いアイテムです。
そのため、ジャケットやスラックスと同じ感覚で畳むと、知らないうちにシルエットを損ねてしまうことがあります。
ここでは、誰でも再現しやすく、かつ安全性の高い畳み方を基本から応用まで順を追って解説します。
目次
基本|最も無難で失敗しにくいたたみ方
畳む前の準備
- 平らで安定した場所を使う
- シワがあれば、手で軽く整える
- ボタンは無理のない範囲で留める
ボタンについては「必ず全部留める」が正解ではありません。
タイトなベストや厚手素材の場合、すべて留めると生地やボタン周りに余計なテンションがかかることがあります。
目安
- 無理なく留まるなら、上から2〜3個だけ留める
- 引っ張られる感覚があるなら、留めずに畳んでも問題ありません
目的は「形を固定すること」であり、「全部留めること」ではありません。
背中側を基準に置く
- 背中側が上になるように広げる
- 背中の中心ラインを意識して整える
背中側は比較的フラットな構造のため、折りの基準にしやすく、シワの出方も確認しやすい面です。
ただし、起毛素材や表地がデリケートな場合は、表地同士が強く擦れない向きを優先してください。
左右を内側に折る
- 両脇を、背中の中央に向かって折る
- アームホールのカーブを無理に潰さない
この工程で重要なのは、前身頃の端(Vゾーンや前立て部分)に不自然な波打ちを作らないことです。
胸の立体そのものを完全に守ろうとするより、
- 前端が折れ曲がらない
- 生地が引きつれない
ことを優先すると、仕上がりが安定します。
縦方向に折る(用途別)
最後に使用シーンに応じて縦に折ります。
- 収納スペースに余裕がある場合:二つ折り
- バッグやキャリーケースに入れる場合:三つ折り
基本的に、折り目は少ないほどシワには強いため、無理にコンパクトにしすぎないことが重要です。
上に重い衣類を載せる予定がある場合は、折り目が少ない方が安全です。
応用|ジャケットと一緒に収納する場合
スーツ一式をまとめる場合は、ジャケットを土台にすると安定します。
- ジャケットを背中側を下にして広げる
- 畳んだベストを、背中の中央付近に置く
- そのままジャケットを畳む
ベストがクッションの役割を果たし、ジャケットとベスト双方の折りジワを軽減できます。
持ち運び時の工夫
- 折り目部分に薄い紙や不織布を1枚挟む
- 圧が一点に集中するのを防ぎ、折りジワの定着を抑えられます
厚すぎる布(タオルなど)は、逆に別のクセを作ることがあるため避けた方が無難です。
素材別の注意点
- ウール
湿気を含みやすい。着用後すぐ畳まず、少し休ませてから収納する - フランネル
毛流れを潰さないよう、強く押さえない - リネン
シワが出やすい素材。折りすぎない前提で扱う - 化繊混紡
種類によっては熱や圧でクセが残りやすい。浅く折るのが無難
保管についての正確な考え方
- 短期(数日程度)
ベスト向きのハンガーであれば吊るしても問題ない - 長期(シーズンオフなど)
基本は畳んで水平に保管する方が型崩れリスクは低い
ハンガーに掛ける場合は、
- 肩を支えられる形状
- 滑りにくい素材
を前提にしてください。
まとめ|実践で覚えておきたいポイント
- ボタンは「全部留める」が正解とは限らない
- 背中側を基準にすると折りが安定しやすい
- 前端・Vゾーンに不自然なクセを作らない
- 折り目は必要最小限にする
- 長期保管は畳みが基本、安全性重視
この考え方で扱えば、ベストの見た目と寿命は確実に保ちやすくなります。
以上、ベストのたたみ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








