礼服は、保管方法の基本はハンガーです。
たたむのはあくまで以下の場合に限られます。
- 移動・持ち運びが必要なとき
- 一時的に収納するとき
- ガーメントバッグが使えないとき
この前提を押さえておくと、以降の手順の意味が理解しやすくなります。
目次
ジャケット(上着)のたたみ方
※肩・ラペル(襟)を守ることが最優先
正確で再現性の高い手順
- ボタンをすべて留める
→ 前身頃とラペルの形を安定させるため - 平らな場所に表を上にして置く
- 左右の肩を合わせるように縦に二つ折り
- 上になった肩の内側に手を入れ、裏返すように“くるん”と返す
→ 両肩(アームホール)が重なる形になる - 肩・襟の立体を整える
- ウエスト付近で二つ折り(必要に応じて三つ折り)
重要な考え方
- 肩を直線的に折らない
- ラペル(襟)を押し潰さない
- 小さく畳みすぎない
「コンパクトさ」よりも 立体を保つことを優先します。
パンツ(スラックス)のたたみ方
※センタープレスを絶対に崩さない
基本手順
- センタープレス同士を正確に合わせる
- 腰と裾をそろえて平らに置く
- 二つ折り、または収納サイズに合わせて三つ折り
注意点
- プレス線以外の場所に折り目を作らない
- ねじれた状態で折らない
センタープレスがズレると、礼服としての印象が一気に下がります。
上下セットでたたむ場合
順序
- パンツを先にたたむ
- ジャケットをたたむ
- ジャケットの内側にパンツを入れる
理由
- 表地同士の摩擦を減らせる
- シワが一点に集中しにくい
- 到着後に形を戻しやすい
持ち運び時にシワを最小限にする工夫
- ジャケットの中に 薄手のタオル・不織布・薄紙を挟む
- バッグでは 底に敷かず、できるだけ上部に配置
- 重い荷物の下に入れない
これだけで、到着後の回復度が大きく変わります。
到着後・帰宅後の正しいケア
基本動作
- できるだけ早くハンガーに掛ける
- 肩幅に合ったハンガーを使用する
蒸気によるシワ取り(正確な目安)
- 入浴後の浴室に吊るして
30分〜数時間程度
(シワの強さ・素材・湿度により変動)
※蒸気後は必ず風通しの良い場所で完全に乾燥させてから収納します。
湿ったまましまうと、カビや臭いの原因になります。
クリーニング後の注意点
- クリーニング店の ビニールカバーは外す
- あれは「返却・搬送用」であり、保管用ではありません
- 通気性がなく、湿気・カビ・変色の原因になります
- 保管時は 不織布カバーが適しています
「畳んだまま何日まで大丈夫?」について
日数での断定は正確ではありません。
影響する要因:
- 圧力がかかっているか
- 湿度
- 生地(特にウール比率)
- 折り方の丁寧さ
結論として正しい表現
- 「畳む時間はできるだけ短くし、可能な限り早くハンガーに掛ける」
これが最も安全で確実です。
黒い礼服(喪服)特有の注意点
- 折りジワが テカり(当たり)として目立ちやすい
- 強い折り目・一点集中の圧力は避ける
黒は「汚れよりも形」が目立つ色だと考えてください。
やってはいけないNG例
- 肩を直角に折る
- 襟を潰したまま収納
- 強く押し込む
- 長期間たたみっぱなし
- 重い物の下に入れる
これらは 礼服の品格を一度で壊す行為です。
まとめ
- 礼服は「基本ハンガー、畳みは例外」
- 畳むときは 肩・襟・センタープレス最優先
- 移動後は 即ハンガー
- 蒸気は 30分〜数時間が現実的
- ビニール保管は避ける
以上、礼服のたたみ方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










