MENU

タキシードの種類について

タキシードは「夜(18時以降)に着用される正礼装」、いわゆるブラックタイとして確立されたフォーマルウェアです。

一見すると似通って見えますが、衿(ラペル)の形状や仕立ての違いによって、印象・格式・適した場面は明確に異なります

本記事では、流行や感覚的な説明ではなく、ドレスコードの伝統的な考え方に基づき、誤解のない形でタキシードの種類を解説します。

目次

タキシードを分類する最大の基準は「衿(ラペル)」

タキシードの種類を理解するうえで、最も重要なのは色やシルエットではなく、ラペル(衿)の形状です。

代表的なラペルは次の3種類に分類されます。

  • ショールカラー
  • ピークドラペル
  • ノッチドラペル

この違いが、そのままフォーマル度・伝統性・与える印象を左右します。

ショールカラー・タキシード

特徴

ショールカラーは、衿が丸く一体化したデザインが特徴です。

ラペルにサテンやグログランといった光沢素材が用いられることが多く、全体として柔らかく流れるような印象を与えます。

格式についての正確な位置づけ

ショールカラーは「ややカジュアル」と誤解されがちですが、これは正確ではありません。

実際には、ブラックタイという夜の礼装に特化した、非常に正統性の高い衿型です。

ビジネススーツでは使われない一方、礼装としての完成度が高く、伝統的なフォーマルの文脈においても問題なく認められています。

向いている場面

  • ホテルや専門式場での結婚式・披露宴
  • 夜のパーティーやレセプション
  • 威厳よりも上品さや柔らかさを重視したい場

印象

優雅で洗練された印象。親しみやすさと品格を両立しやすいスタイルです。

ピークドラペル・タキシード

特徴

ピークドラペルは、衿先が上向きに鋭く尖ったデザインです。

縦のラインが強調されるため、肩回りが引き締まり、最も存在感とフォーマル感が出やすい衿型とされています。

格式についての正確な位置づけ

ピークドラペルは、ショールカラーと並ぶブラックタイの正統派です。
特に、

  • 儀礼性
  • 主役感
  • 威厳

を表現したい場合に選ばれることが多く、「より伝統的で力強い印象」として扱われます。

ただし、「ピークドラペルが絶対に格上で、ショールカラーが格下」という関係ではありません。

両者は同格であり、違いはあくまで印象の方向性にあります。

向いている場面

  • 格式ある結婚式
  • 新郎・主賓・司会など立場のある役割
  • 公式性の高い夜の行事

印象

威厳があり、華やかで正統的なフォーマルスタイルです。

ノッチドラペル・タキシード

特徴

ノッチドラペルは、ビジネススーツと同じ切れ込み型の衿です。

近年はデザイン性を重視した「タキシード風ジャケット」に多く見られます。

格式についての正確な位置づけ

伝統的なブラックタイのルールにおいては、ノッチドラペルは本来タキシード向きではないとされることが一般的です。

そのため、ピークドラペルやショールカラーと比べるとフォーマル度は下がり、厳密なドレスコードが指定された場では避けるのが無難とされます。

向いている場面

  • レストランウェディング
  • 二次会
  • カジュアル寄りのパーティーやリゾート婚

印象

現代的で軽快。フォーマル感よりも親しみやすさを重視したスタイルです。

ダブルブレスト・タキシード

特徴

前身頃が重なるダブルブレストは、クラシックで重厚感のある仕立てです。

Vゾーンが自然に閉じるため、ベストなしでも全体が整って見えやすいという特徴があります。

格式について

シングルブレストと同等、もしくはややクラシック寄りのフォーマル感があります。

ただし、必ずしもベストやカマーバンドが不要というわけではなく、場の格式や全体の装いとのバランスで判断するのが正確です。

カラータキシード(白・ネイビーなど)の正しい考え方

いわゆる「白タキシード」は、正確にはオフホワイト(アイボリー)のディナージャケットを指します。

これはブラックタイの正式なバリエーションのひとつですが、伝統的には次のような条件が伴います。

  • 温暖な地域
  • 屋外やリゾート
  • 夜の社交行事

このように、着用シーンが限定される装いである点が重要です。

ネイビーやグレーなどのカラージャケットも同様に、黒より軽快な印象になるため、ドレスコードの厳密さや会場の性格を事前に確認することが不可欠です。

トラウザーズ(パンツ)の基本仕様

ブラックタイにおける正統的なトラウザーズには、以下の特徴があります。

  • 側章(サイドのサテンライン)が入る
  • 裾はシングル仕上げ
  • ベルトループは付かない

側章は礼装としての重要な要素であり、無い場合は伝統的な観点ではやや略式寄りと見なされます。

まとめ|タキシードは「衿の選択」がすべてを決める

  • ピークドラペル:伝統的で威厳があり、主役向き
  • ショールカラー:ブラックタイに特化した優雅さ。格式は十分
  • ノッチドラペル:現代的だが、厳密な礼装では控えめに

タキシードは「黒であれば同じ」ではありません。

衿の形と仕立ての選択が、その人の立場・品格・場への理解を静かに表現する装いです。

以上、タキシードの種類についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次