ポロシャツの作り方ついて

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ポロシャツは、Tシャツに襟や前立て、ボタンなどを加えた構造のトップスです。

身頃や袖は伸縮性のあるニット生地で作られることが多く、一般的なシャツよりも動きやすく、適度なきちんと感があります。

ただし、ポロシャツは単純にTシャツへ襟を付けるだけでは作れません。

特に前立てや襟の縫製には正確さが必要であり、洋裁の難易度としては初級から中級程度と考えられます。

ポロシャツには、共布襟、編み立て襟、リブ襟、台襟付き襟など、さまざまな仕様があります。

前立ての構造も型紙によって異なるため、実際に製作するときは、使用する型紙の説明書を優先してください。

この記事では、半袖、胸ポケットなし、台襟なしの一般的なニットポロシャツを想定し、基本的な作り方を解説します。

目次

ポロシャツ作りの基本的な流れ

一般的な半袖ポロシャツは、次のような流れで作ります。

  1. デザインとサイズを決める
  2. 型紙を用意する
  3. 生地を予備洗いする
  4. 生地を裁断する
  5. 接着芯を貼る
  6. 前立てを作る
  7. 肩線を縫う
  8. 襟を作って身頃へ付ける
  9. 袖を付ける
  10. 袖下と脇を縫う
  11. 袖口と裾を仕上げる
  12. ボタンホールを作る
  13. ボタンを付ける
  14. 仕上げアイロンをかける

この順序は代表的な一例です。

胸ポケット、脇スリット、台襟などがある場合は、工程や縫う順番が変わります。

ポロシャツ作りに必要な材料

ポロシャツ用の生地

ポロシャツには、適度な伸縮性と通気性があるニット生地が適しています。

代表的な生地には、鹿の子、天竺、スムース、フライスなどがあります。

鹿の子生地

鹿の子は、表面に細かな凹凸がある生地です。

一般的なポロシャツによく使われており、通気性が高く、肌離れがよいという特徴があります。

適度な厚みがある鹿の子は、薄手の天竺よりも比較的扱いやすく、ポロシャツらしい仕上がりになります。

ただし、生地の厚み、編み方、混率によって伸び方や縫いやすさは異なります。

購入前に、生地の伸縮性や厚みを確認してください。

天竺生地

天竺は、Tシャツによく使われる薄手のニット生地です。柔らかく、軽いポロシャツに仕上がります。

一方で、生地端が丸まりやすいものが多く、裁断や縫製の難易度はやや高めです。

薄すぎる天竺を使うと、襟や前立ての重さで身頃が引っ張られることもあります。

初心者は、薄すぎず、伸びすぎない天竺を選ぶと扱いやすいでしょう。

スムース生地

スムースは、表面が滑らかで、両面とも比較的きれいに見えるニット生地です。

適度な厚みがあり、伸びすぎないスムースは、生地端が丸まりにくく、家庭用ミシンでも比較的扱いやすい傾向があります。

鹿の子よりも凹凸が少ないため、スポーティーさを抑えた柔らかな印象のポロシャツに仕上がります。

フライス生地

フライスは横方向によく伸びる生地で、袖口や襟ぐり、裾の切り替えなどに使われます。

身頃全体に使うこともできますが、伸縮性が高いため、縫製中に伸びたり、完成後に形が崩れたりする可能性があります。

初心者が身頃用として使う場合は、型紙がフライス対応かを確認してください。

必要な生地量

必要な生地量は、次の条件によって変わります。

  • 型紙のサイズ
  • 生地幅
  • 半袖か長袖か
  • 着丈や身幅
  • 襟を共布で作るか
  • 柄合わせをするか
  • 生地に方向性があるか
  • 予備洗いによる縮みを見込むか

成人用の半袖ポロシャツでは、1〜2メートル前後に収まることもありますが、正確な用尺は型紙の記載を確認してください。

ボーダー柄や大きな柄がある生地は、柄合わせのために追加の生地が必要です。

襟用の素材

ポロシャツの襟には、次のような素材が使われます。

  • 身頃と同じ共布
  • リブニット
  • 市販の編み立て襟
  • 布帛や安定したニット生地
  • 台襟付きの襟用生地

襟の素材を型紙の指定から変更すると、襟の長さや縫い付け方を調整しなければならない場合があります。

初めて作る場合は、型紙で指定された素材を使うのが安全です。

袖口用の素材

袖口は、身頃と同じ生地を折り返して仕上げる方法と、リブニットや編み立ての袖口を付ける方法があります。

袖口用のリブは、袖本体より短く設計されることがあります。

ただし、素材の伸縮率によって適切な長さが変わるため、自己判断で短くせず、型紙の指定に従ってください。

接着芯

前立て、ボタンホール部分、襟などには、形を安定させるために接着芯を貼ることがあります。

ニット生地には、硬い布帛用接着芯ではなく、薄手で柔らかなニット用接着芯が適しています。

硬すぎる接着芯を使うと、その部分だけが突っ張ったり、洗濯後に波打ったりする可能性があります。

本番前に端切れへ接着芯を貼り、硬さ、縮み、接着状態を確認してください。

ボタン

ポロシャツの前立てには、一般的に2〜3個程度のボタンを付けます。

成人用では直径10〜15ミリ前後のボタンが使われることがありますが、前立ての幅や型紙の指定によって適切な大きさは異なります。

ボタンを選ぶときは、次の点を確認します。

  • 前立ての幅に合っているか
  • 生地の厚みに合っているか
  • ボタンホールを通せるか
  • デザイン全体と調和しているか

ミシン糸

ニット生地には、一般的にポリエステル製のミシン糸が使われます。

ただし、通常のポリエステル糸を使うだけで、縫い目が十分に伸びるわけではありません。

脇や肩など伸びる部分には、伸縮縫い、細かなジグザグ縫い、ロックミシンの縫い目などを使う必要があります。

伸縮性の高いニット用糸を使う方法もありますが、ミシンによっては糸調子が合わないことがあります。

使用前に取扱説明書を確認し、端切れで試し縫いをしてください。

ポロシャツ作りに必要な道具

家庭用ミシン

家庭用ミシンでもポロシャツを作ることは可能です。

ただし、ニット生地を縫うためには、次のような機能があると便利です。

  • 細かなジグザグ縫い
  • 伸縮縫い
  • ニット用ステッチ
  • 押さえ圧の調整
  • 二本針への対応
  • ボタンホール機能

すべての家庭用ミシンが二本針や伸縮縫いに対応しているわけではありません。

使用できる縫い方や針については、ミシンの取扱説明書を確認してください。

ロックミシン

ロックミシンがあると、ニット生地の縫い合わせと端処理を効率よく行えます。

ポロシャツの身頃や袖を縫い合わせる場合は、一般的に2本針4本糸ロックなど、縫い合わせに対応した縫い目を使用します。

1本針3本糸ロックは主に端かがりに使われるため、衣服の主要な縫い合わせに使う場合は、強度や用途を確認してください。

なお、前立て、襟の押さえステッチ、ボタンホールなどは、家庭用ミシンで縫うのが一般的です。

カバーステッチミシン

カバーステッチミシンは、Tシャツやポロシャツの裾に見られる、市販品のような縫い目を作るミシンです。

表側には2本または3本の直線が並び、裏側は糸で覆われたような縫い目になります。

カバーステッチミシンがなくてもポロシャツは作れます。

家庭用ミシンの二本針や伸縮縫いで代用可能です。

ニット用ミシン針

ニット生地には、生地に合ったニット用ミシン針を使用します。

適切な針は、生地の厚みや伸縮性によって異なります。

一般的な目安は次のとおりです。

  • 薄手の天竺には細めのニット用針
  • 中厚手の鹿の子には標準的なニット用針
  • 高伸縮生地にはストレッチ用針
  • 厚手の生地にはやや太めの針

通常の布帛用針を使うと、編み糸を傷つけ、穴開きや伝線の原因になることがあります。

裁断道具

生地の裁断には、次の道具を使います。

  • 布切りばさみ
  • ロータリーカッター
  • カッターマット
  • 型紙用ウエイト
  • 定規
  • メジャー
  • チャコペン
  • 目打ち

ニット生地は動きやすいため、はさみよりもロータリーカッターのほうが裁断しやすい場合があります。

仮止め用の道具

パーツを仮止めするために、待ち針や仮止めクリップを用意します。

一般的な鹿の子やスムースでは待ち針を使用できますが、目の粗い生地や繊細な生地では針跡が残ることがあります。

待ち針は完成部分ではなく、できるだけ縫い代の中へ刺してください。

アイロン

ポロシャツをきれいに仕上げるには、アイロンが欠かせません。

前立て、襟、袖口、裾は、縫う前後にアイロンで形を整えることで、ステッチが安定します。

用意しておくと便利なものは次のとおりです。

  • アイロン
  • アイロン台
  • 当て布
  • 袖まんじゅう
  • 木製の押さえ道具
  • アイロン定規

ポロシャツの型紙を用意する

市販の型紙を使う

初めてポロシャツを作る場合は、市販の型紙を使うのがおすすめです。

ポロシャツは、前立ての幅、襟ぐりの長さ、襟の寸法などが正確に合っていなければ、きれいに組み立てられません。

型紙を選ぶときは、次の項目を確認してください。

  • ニット生地用か
  • 半袖か長袖か
  • 襟の種類
  • 前立ての構造
  • 台襟の有無
  • 胸ポケットの有無
  • 脇スリットの有無
  • 縫い代が含まれているか
  • 家庭用ミシンで縫えるか
  • ロックミシンが必要か
  • 写真や図付きの説明書があるか

初心者には、工程写真や図解が詳しい型紙が適しています。

手持ちのポロシャツから型紙を取る

手持ちのポロシャツを参考に型紙を作る方法もありますが、初心者には難易度が高い方法です。

服を解体せずに外側から形を写すと、縫い代、袖山の形、襟ぐり、前立ての構造などを正確に再現できないことがあります。

お気に入りのポロシャツに近いサイズを作りたい場合は、市販型紙を基礎にして、身幅、着丈、袖丈などを調整する方法が現実的です。

身体寸法と完成寸法を確認する

型紙を選ぶときは、身体寸法だけでなく完成寸法も確認してください。

身体の胸囲と完成した服の胸囲が同じ場合、ほとんどゆとりがありません。

ニット生地であっても、身体のラインが強く出たり、動きにくくなったりする可能性があります。

ゆったり着たい場合は、完成寸法に適度なゆとりがある型紙を選びます。

生地を裁断する前の準備

生地を予備洗いする

綿を含む鹿の子や天竺は、洗濯によって縮むことがあります。

完成後の縮みを防ぐため、必要に応じて裁断前に予備洗いを行います。

予備洗いは、完成後に予定している洗濯方法に近い条件で行うのが基本です。

洗濯後は、生地を強く引っ張ったりねじったりせず、形を整えて乾かします。

完全に乾いたら、生地に適した温度で軽くアイロンをかけます。

ただし、すべての生地に水洗いが適しているわけではありません。

特殊加工生地や機能素材は、生地の品質表示や販売元の説明を確認してください。

生地の表裏を確認する

鹿の子や天竺は、表側と裏側で編み目の見え方が異なります。

裁断後に混乱しないよう、裏側へ小さな印を付けておくと便利です。

印は、縫い代部分やチャコペンで消える位置に付けます。

地の目を確認する

ニット生地にも縦方向と横方向があります。

一般的には、横方向の伸びを身体の周方向に使います。

ただし、伸びる方向だけを見て型紙を回転させてはいけません。

型紙に記載された地の目線を、生地の縦方向へ合わせることが基本です。

地の目がずれると、完成後に次のような問題が起こる可能性があります。

  • 脇線が前後へねじれる
  • 裾が斜めになる
  • 着丈が伸びる
  • 左右の袖が異なる方向へねじれる

生地の伸縮率を確認する

型紙によっては、推奨される生地の伸縮率が指定されています。

例えば、横方向へ20%以上伸びる生地を前提とした型紙に、ほとんど伸びない生地を使うと、頭が通らなかったり、着脱しにくくなったりすることがあります。

生地を購入する前に、型紙が求める伸縮率を確認してください。

ポロシャツの生地を裁断する

基本的な裁断パーツ

一般的な半袖ポロシャツでは、次のパーツを裁断します。

  • 前身頃
  • 後ろ身頃
  • 左右の袖
  • 前立て

型紙によっては、次のパーツも必要です。

  • 袖口布
  • 台襟
  • 胸ポケット
  • 見返し
  • 襟伏せテープ
  • 脇スリット用の補強布

必要なパーツは型紙の裁断図で確認してください。

型紙を生地へ配置する

生地を平らな場所へ置き、地の目線を確認しながら型紙を配置します。

「わ」と書かれた型紙は、生地を二つ折りにした折り目へ合わせます。

左右対称のパーツは、左右が正しくそろうように裁断してください。

生地に表裏や柄の方向がある場合は、すべてのパーツが同じ方向を向くように配置します。

合印を付ける

合印とは、パーツ同士を正しい位置で合わせるための印です。

ポロシャツでは、次の部分の合印が重要です。

  • 袖山
  • 前後の袖ぐり
  • 襟ぐり
  • 襟の中心
  • 前立て
  • 脇スリット

切り込みで合印を付ける場合は、2〜3ミリ程度の浅い切り込みにとどめます。

縫い線を越えるほど深く切ると、穴やほつれの原因になります。

柄を合わせる

ボーダー柄やチェック柄では、前後身頃や左右の袖で柄がそろうように裁断します。

特に確認したい部分は次のとおりです。

  • 左右の前身頃
  • 前身頃と後ろ身頃の脇線
  • 左右の袖
  • 胸ポケット
  • 前立て

柄合わせを行う場合は、生地を一枚ずつ裁断したほうが正確です。

接着芯を貼る

接着芯を貼る場所

接着芯を貼る場所は型紙によって異なりますが、一般的には次の部分です。

  • 前立て
  • ボタンホール周辺
  • 台襟
  • 見返し

肩線には、接着芯ではなく伸び止めテープを使うこともあります。

接着芯の貼り方

接着芯の接着面を生地の裏側へ合わせます。

アイロンは滑らせず、上から押さえるようにして、数秒ずつ場所を移動します。

接着直後は、生地と接着芯が不安定です。

平らな状態のまま冷めるまで動かさないでください。

温度が高すぎると、生地が縮んだり、表面が傷んだりすることがあります。

本番前に必ず端切れで試します。

前立てを作る

前立てとは

前立てとは、ポロシャツの胸元にある、ボタンやボタンホールを付ける縦長の部分です。

前立てには、次のような種類があります。

  • 別布を縫い付ける前立て
  • 身頃と一体になった前立て
  • 表側へ重ねる前立て
  • 裏側から縫い返す前立て
  • 短冊開きに近い前立て

作り方は型紙によって大きく異なります。

以下では、前身頃に切り込みを入れて別布を縫い付ける方式の一般的な考え方を説明します。

前立ての位置を印付けする

前身頃の中心、前立ての縫い線、切り止まり位置を正確に印付けします。

前立てはポロシャツの正面にあるため、数ミリのずれでも目立ちます。

左右の縫い線が平行になっているか、切り止まりの位置が合っているかを、定規で確認してください。

前立て布を縫い付ける

前立て布と前身頃を中表に合わせ、型紙の指定位置へ固定します。

縫い代の幅を一定に保ち、切り止まりまで正確に縫います。

左右の縫い線の長さや間隔が異なると、完成した前立てが曲がる原因になります。

前身頃へ切り込みを入れる

左右の前立て布を縫い付けたあと、型紙の指示に従って前身頃へ切り込みを入れます。

切り止まり付近では、左右へ斜めの切り込みを入れる場合があります。

切り込みが浅すぎると、表へ返したときに角が引きつります。

反対に、縫い目まで切ると穴が開きます。

この工程は失敗すると修正が難しいため、少しずつ切り進めてください。

前立てを表へ返す

前立て布を表側へ返し、幅と形を整えます。

確認するポイントは次のとおりです。

  • 左右の前立てが平行か
  • 前立ての幅が均一か
  • 下端にしわが集まっていないか
  • 身頃の中心と合っているか
  • 左右の重なりが正しいか

形が整ったら、アイロンをかけ、型紙の指定に従って押さえステッチを入れます。

前立ての下端を補強する

前立ての下端は、着脱やボタンの開閉によって負荷がかかる部分です。

四角形、三角形、横方向のステッチなどで固定し、必要に応じて返し縫いをします。

補強の形はデザインによって異なるため、型紙の指示に従ってください。

肩線を縫う

前身頃と後ろ身頃を合わせる

前身頃と後ろ身頃を中表に合わせ、肩線をそろえます。

左右の肩線が同じ長さになるように固定し、家庭用ミシンまたはロックミシンで縫います。

肩線へ伸び止めを入れる

肩線は、着用や洗濯によって伸びやすい部分です。

型紙の指定に応じて、次のような伸び止めを入れることがあります。

  • ニット用伸び止めテープ
  • ウーリースピンテープ
  • 薄手の接着テープ
  • 共布を細く切ったテープ

接着タイプと縫い込みタイプでは使い方が異なります。

製品の説明に従ってください。

縫い終わった肩の縫い代は、一般的には後ろ身頃側へ倒します。

襟を作る

襟の種類を確認する

ポロシャツの襟には、主に次の種類があります。

  • 共布襟
  • リブ襟
  • 編み立て襟
  • 台襟付き襟

それぞれ構造や作り方が異なります。

使用する型紙がどの襟に対応しているかを確認してください。

共布襟を作る場合

共布襟は、表襟と裏襟を中表に合わせ、外周を縫って作ります。

縫い終わったら、角の縫い代を斜めに切り落とし、カーブ部分には必要に応じて切り込みを入れます。

表へ返し、目打ちなどで形を整えます。

目打ちを強く押し込むと、生地を突き破ることがあります。

内側から少しずつ角を出してください。

形を整えたらアイロンをかけ、必要に応じて周囲へ押さえステッチを入れます。

リブ襟や編み立て襟を使う場合

リブ襟や編み立て襟は、身頃の襟ぐりより短く設計されることがあります。

ただし、どの程度短くするかは、素材の伸縮率と型紙の設計によって異なります。

Tシャツの襟ぐりリブのように強く引っ張って付けると、前立てが持ち上がったり、襟ぐりが縮んだりすることがあります。

自己判断で襟の長さを変えず、型紙の寸法に従ってください。

台襟付き襟を作る場合

台襟付きのポロシャツは、シャツに近い構造です。

上襟を台襟へ挟み、台襟を身頃の襟ぐりへ縫い付けます。

形が安定しやすく、上品な印象になりますが、パーツ数と工程が増えるため、一般的なリブ襟より難易度は高めです。

初心者は、台襟なしの型紙から始めるとよいでしょう。

襟を身頃へ付ける

襟の中心を合わせる

襟の後ろ中心と、後ろ身頃の中心を合わせます。

次に、襟の左右の端と前立ての位置を合わせ、合印に沿って固定します。

襟の長さを均等に配分し、一部分だけを強く引っ張らないようにしてください。

襟を縫い付ける

襟と身頃を中表に合わせ、家庭用ミシンまたはロックミシンで縫います。

縫い終わったら、襟が左右対称になっているか、前立てとの接続部分がずれていないかを確認します。

問題がなければ、縫い代を身頃側へ倒し、型紙の指定に応じて押さえステッチを入れます。

襟伏せテープを付ける

後ろ襟ぐりの縫い代を隠すため、襟伏せテープや共布テープを付けることがあります。

襟伏せテープには、次の役割があります。

  • 縫い代を隠す
  • 内側の見た目を整える
  • 襟ぐりを安定させる
  • 肌への当たりをやわらげる
  • 後ろ襟ぐりの伸びを抑える

テープの付け方は型紙によって異なります。

袖を付ける

袖の前後を確認する

袖には前側と後ろ側があります。

袖山の合印を確認し、左右や前後を間違えないようにしてください。

一般的には、前側の袖ぐりには1本、後ろ側には2本など、異なる合印が付いています。

袖口を先に仕上げる場合

袖口へリブや編み立てパーツを付ける型紙では、袖を身頃へ付ける前に袖口を処理することがあります。

袖口布を輪に縫い、縫い代を整えたあと、二つ折りにして袖本体へ縫い付けます。

袖口布が袖本体より短い場合は、均等に伸ばしながら縫います。

袖を平付けする

ニット用の型紙では、身頃を開いた状態で袖を袖ぐりへ付ける「平付け」がよく使われます。

袖山の中心を肩線へ合わせ、前後の合印を確認します。

ニット用の袖は、布帛のシャツほど強くいせ込まないことが一般的です。

生地を無理に引っ張らず、合印同士を合わせながら縫ってください。

袖を輪付けする場合

型紙によっては、袖下を先に縫って筒状にしてから、袖ぐりへ付けることがあります。

この方法では、袖口から脇までを一続きに縫うことはできません。

袖の付け方は、型紙の指定を優先してください。

袖下と脇を縫う

平付けの場合

袖を平付けした場合は、前身頃と後ろ身頃を中表に合わせます。

袖口、袖下、脇、裾までをそろえ、袖口側から裾へ向かって一続きに縫います。

脇の下では、袖付けの縫い目が前後でずれないように合わせてください。

脇スリットがある場合

脇裾にスリットを作る場合は、裾まで縫い切らず、型紙で指定された位置で脇縫いを止めます。

スリット部分の縫い代を裏側へ折り、周囲をステッチで固定します。

スリットの上端には負荷が集中するため、返し縫い、横方向のステッチ、かんぬき止めなどで補強します。

ロックミシンの糸端を処理する

ロックミシンで縫った場合は、空環をそのまま短く切るだけでは、洗濯中にほどける可能性があります。

一般的には、次の方法で処理します。

  • 空環を縫い目へ引き込む
  • 空環を結ぶ
  • 縫い始めへ重ねて縫う
  • 針で縫い目の中へ通す

必要に応じて、目立たない部分へ少量のほつれ止め液を使う方法もあります。

ただし、硬くなったり肌当たりが悪くなったりすることがあるため、使用量には注意してください。

袖口を仕上げる

一度折り上げて縫う

袖口を身頃と同じ生地で仕上げる場合は、指定幅で一度裏側へ折り上げます。

アイロンで形を整え、家庭用ミシンの伸縮縫い、二本針、カバーステッチなどで縫います。

通常の直線縫いだけで縫うと、袖口を伸ばしたときに糸が切れる可能性があります。

リブ袖口を付ける

リブ袖口を付ける場合は、袖口布を輪に縫い、二つ折りにして袖本体へ付けます。

リブを伸ばす量は、生地と型紙によって異なります。

強く引っ張りすぎると袖口が締まり、長すぎると波打つため、合印を分割して均等に縫い付けます。

裾を仕上げる

裾を一度折り上げる

一般的なニットポロシャツの裾は、生地端を指定幅で一度裏側へ折り上げて縫います。

アイロンで折り目を整え、次のいずれかの方法で縫います。

  • カバーステッチ
  • 家庭用ミシンの二本針
  • 伸縮縫い
  • 細かなジグザグ縫い

二本針は、対応している家庭用ミシンでのみ使用してください。

針板、押さえ、針位置などが対応していない状態で使うと、針が折れる可能性があります。

裾の波打ちを防ぐ

裾を縫うときに生地を前後から引っ張ると、完成後に波打ちやすくなります。

生地は軽く支え、送り歯の動きに任せてください。

押さえ圧を調整できる家庭用ミシンでは、押さえ圧を弱めると改善する場合があります。

ロックミシンやカバーステッチミシンでは、差動送りを調整します。

ボタンホールを作る

ボタンホールの位置を決める

前立てを正しく重ね、型紙の指定位置へボタンホールの印を付けます。

ボタンホールを作る側は、メンズ、レディース、ユニセックス、型紙の仕様によって異なります。

左右を自己判断せず、型紙の指定に従ってください。

試し布で確認する

ボタンホールは、必ず本番前に試し縫いをします。

試し布は、本番と同じ条件にしてください。

  • 同じ生地
  • 同じ接着芯
  • 同じ重なり枚数
  • 同じ糸
  • 同じ針

確認するポイントは次のとおりです。

  • ボタンが通る長さか
  • 生地が引きつらないか
  • 縫い目が詰まっていないか
  • 接着芯が十分か
  • ミシンが途中で止まらないか
  • 糸調子が合っているか

ボタンホールを切り開く

ボタンホールを縫い終わったら、リッパーやボタンホール用のノミで中央を切ります。

切りすぎを防ぐため、ボタンホールの端へ待ち針を刺してから切る方法もあります。

生地や縫い糸を切らないよう、少しずつ作業してください。

ボタンを付ける

ボタン位置を決める

前立てを完成時の形に重ね、ボタンホールの中心からボタン位置を決めます。

ボタンホールとボタンの位置がずれると、前立てが曲がったり、着用時に生地が引きつったりします。

手縫いでボタンを付ける

厚みのある生地へボタンを密着させすぎると、前立てを留めたときに引きつります。

爪楊枝や太めの針をボタンと生地の間へ挟み、少しゆとりを持たせて縫います。

縫い終わったら、ボタンの下へ糸を数回巻いて糸足を作り、裏側でしっかり固定します。

ミシンでボタンを付ける

ボタン付け機能があるミシンでは、ミシンで縫い付けることもできます。

縫い始める前に、針の振り幅とボタン穴の間隔が合っているかを手回しで確認してください。

確認せずに動かすと、針がボタンへ当たって折れる可能性があります。

胸ポケットを付ける場合

ポケットを先に作る

胸ポケットを付ける場合は、一般的に脇や袖を縫う前に前身頃へ取り付けます。

ポケット口を先に折って縫い、周囲の縫い代を裏側へ折ります。

厚紙や型紙でポケット用のテンプレートを作ると、形を整えやすくなります。

ポケット位置を確認する

平置きで位置を決めるだけでなく、必要に応じて仮縫いし、着用時の見え方も確認します。

身体の丸みによって、平置きと着用時ではポケットの位置が違って見えることがあります。

ポケット口を補強する

胸ポケットの上端には負荷がかかります。

左右の上端を、三角形のステッチ、返し縫い、かんぬき止めなどで補強してください。

仕上げアイロンをかける

縫い目を整える

すべての縫製が終わったら、全体へ仕上げアイロンをかけます。

アイロンは、生地を強く押しつぶすためではなく、縫い目や縫い代を落ち着かせるために使います。

特に次の部分を丁寧に整えてください。

  • 前立て
  • 肩線
  • 袖口
  • 脇スリット
  • 胸ポケット

鹿の子生地のアイロン方法

鹿の子は表面に凹凸があるため、強く押すと生地の風合いが損なわれることがあります。

当て布を使い、生地に合った温度で軽く押さえるようにします。

アイロンを滑らせると生地が伸びる場合があるため、短時間ずつ場所を移動してください。

家庭用ミシンでニットを縫うコツ

生地に合う針を使う

目飛び、糸切れ、生地の穴開きが起きた場合は、最初に針を確認します。

確認するポイントは次のとおりです。

  • ニット用針を使っているか
  • 針の太さが生地に合っているか
  • 針が曲がっていないか
  • 針が奥まで正しく入っているか
  • 針の向きが正しいか

針は消耗品です。以前使った針で問題が起きる場合は、新しい針へ交換してください。

生地を引っ張らない

ニット生地を縫うときは、前後から強く引っ張らないようにします。

生地を引っ張ると、縫い目が波打ったり、左右の長さが変わったりします。

生地は軽く支え、ミシンの送り歯に任せて進めてください。

伸縮性のある縫い方を使う

脇、肩、袖下など、着用時に伸びる部分には、伸縮性のある縫い方を使います。

家庭用ミシンでは、次の縫い方が選択肢になります。

  • 細かなジグザグ縫い
  • 伸縮縫い
  • ニット用ステッチ
  • 雷型の伸縮縫い

前立てや襟の押さえステッチなど、ほとんど伸びない部分には直線縫いを使うこともあります。

押さえ圧を調整する

押さえ圧を調整できるミシンでは、ニット生地が伸びる場合に押さえ圧を弱めます。

ただし、弱めすぎると生地が送られにくくなることがあります。

端切れで試しながら調整してください。

薄紙や安定紙を使う

薄手のニットが針板へ巻き込まれる場合は、生地の下へ薄紙や水溶性の安定紙を敷く方法があります。

縫い終わったら、ミシン目に沿って少しずつ取り除きます。

強く引き抜くと、縫い目や生地が変形する可能性があります。

ロックミシンで縫うコツ

差動送りを調整する

差動送りは、生地の伸びや縫い縮みを調整する機能です。

縫った部分が波打つ場合は、生地を縮める方向へ調整します。

縫い目が縮みすぎる場合は、生地を伸ばす方向へ調整します。

数値の表示や調整方向は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。

メスで切りすぎない

ロックミシンは、生地端を切りながら縫います。

縫い代や合印を確認せずに縫うと、必要な部分まで切ってしまう可能性があります。

特に注意が必要な場所は次のとおりです。

  • 襟付け
  • 袖付け
  • 前立て付近
  • 脇スリット
  • 袖口
  • 裾の段差

初めはメスの切り幅を小さめに設定し、余分な生地だけを切るようにします。

糸調子を端切れで確認する

ロックミシンの糸調子が合っていないと、縫い目が緩んだり、生地端が丸まったりします。

本番と同じ枚数の端切れを用意し、糸調子、差動送り、縫い目の長さ、メス幅を確認してください。

ポロシャツ作りでよくある失敗

前立てが曲がる

前立てが曲がる主な原因は次のとおりです。

  • 印付けがずれている
  • 裁断寸法が違う
  • 縫い代幅が一定ではない
  • 生地を引っ張って縫っている
  • 左右の縫い線の長さが異なる

前立てを縫う前に、中心線と完成線を定規で確認します。

仮止めテープやしつけ縫いを使うと、ずれを防ぎやすくなります。

前立ての下端にしわが集まる

前立て下端の斜めの切り込みが浅いと、表へ返したときに生地が引きつります。

ただし、縫い目まで切ると穴が開きます。

一度に深く切らず、少しずつ切り込みを深くしながら、表へ返して状態を確認してください。

襟が浮く

襟が浮く原因には、次のようなものがあります。

  • 襟が長すぎる
  • 襟ぐりとの寸法が合っていない
  • 襟素材の伸縮率が型紙と異なる
  • 前立てとの接続位置がずれている
  • 襟を均等に付けていない

型紙と異なる襟素材を使う場合は、端切れや仮縫いで確認する必要があります。

襟ぐりが縮む

襟を強く引っ張りながら付けると、襟ぐりが縮みます。

そのほか、押さえ圧が強すぎる、糸調子が強すぎる、縫い目が細かすぎるといった原因も考えられます。

襟を付ける前に、襟と襟ぐりの合印を分割し、均等に合わせてください。

裾が波打つ

裾が波打つ主な原因は、生地を伸ばしながら縫ったことです。

対策には、次の方法があります。

  • 生地を引っ張らない
  • 押さえ圧を弱める
  • 差動送りを調整する
  • 薄紙や安定紙を使う
  • 縫い目を適切な長さにする
  • 端切れで試し縫いをする

軽い波打ちはアイロンの蒸気で落ち着くこともありますが、強く押すと生地を傷める可能性があります。

目飛びが起きる

目飛びが起きた場合は、次の項目を確認します。

  • ニット用針を使っているか
  • 針の種類が生地に合っているか
  • 針が傷んでいないか
  • 糸掛けが正しいか
  • 糸の太さが適切か
  • 押さえが正しく取り付けられているか

改善しない場合は、針を新しいものへ交換し、糸や縫い目の設定も見直してください。

脇線がねじれる

完成後に脇線が前後へねじれる場合は、裁断時に地の目がずれていた可能性があります。

ただし、生地自体に斜行しやすい性質がある場合もあります。

裁断前に、生地の編み目がまっすぐになっているかを確認してください。

初心者が作りやすいポロシャツの条件

初めてポロシャツを作る場合は、次の条件に合うデザインを選ぶと作りやすくなります。

  • 半袖
  • 身幅に適度なゆとりがある
  • 無地
  • 中厚手の生地
  • 伸びすぎない生地
  • 端が丸まりにくい生地
  • 台襟がない
  • 胸ポケットがない
  • 脇スリットがない
  • 前立ての構造が簡単
  • 詳しい説明書が付いている

薄手で伸びやすい生地、細身のシルエット、複雑な前立て、台襟付き、柄合わせが必要なデザインは難易度が高くなります。

ポロシャツをきれいに作るポイント

型紙の説明を優先する

ポロシャツは、襟や前立ての構造によって作り方が大きく異なります。

一般的な作り方だけを参考にせず、必ず使用する型紙の説明書を確認してください。

裁断を正確に行う

縫製が上手でも、裁断がずれているときれいに仕上がりません。

特に前立て、襟、袖山は、数ミリのずれが完成後に目立ちます。

型紙が動かないようにウエイトで固定し、生地を浮かせずに裁断してください。

工程ごとにアイロンをかける

完成後だけでなく、工程ごとにアイロンを使います。

前立て、襟、袖口、裾は、縫う前に折り目を付けることで、縫いずれを防ぎやすくなります。

本番前に試し縫いをする

生地によって、適切な針、糸、縫い目、押さえ圧、差動送りは異なります。

本番前に端切れを使い、次の項目を確認してください。

  • 目飛びがないか
  • 生地が波打たないか
  • 糸が切れないか
  • 縫い目が伸びるか
  • アイロン温度が適切か
  • 接着芯が合っているか
  • ボタンホールがきれいにできるか

左右対称を確認する

ポロシャツは、前立て、襟、袖口など、左右の違いが目立ちやすい衣服です。

片側を縫ったあと、反対側を縫う前に寸法を測ります。

感覚だけに頼らず、定規やメジャーで確認してください。

ポロシャツ作りの難易度

ポロシャツ作りは、洋裁初心者にとってやや難しい作業です。

身頃や袖の縫い合わせはTシャツと似ていますが、前立て、襟、ボタンホールなどの工程が追加されます。

さらに、ニット生地は伸びやすいため、縫製中に形が変わりやすい点にも注意が必要です。

洋裁経験が少ない場合は、次の順番で練習すると取り組みやすくなります。

  1. ニット生地で簡単なTシャツを作る
  2. リブ付きのTシャツを作る
  3. 袖口や裾の処理を練習する
  4. ボタンホールを試し布で練習する
  5. 簡単な前立てのポロシャツを作る
  6. 胸ポケットや脇スリット付きへ進む
  7. 台襟付きのポロシャツへ挑戦する

まとめ

ポロシャツは、前身頃、後ろ身頃、袖を縫い合わせるだけでなく、前立て、襟、ボタンホールを正確に仕上げる必要があります。

基本的な工程は、型紙の準備、生地の予備洗い、裁断、接着芯貼り、前立て作り、肩縫い、襟付け、袖付け、脇縫い、袖口と裾の処理、ボタンホール、ボタン付けです。

きれいに仕上げるためには、生地に合ったニット用針を使い、伸縮性のある縫い目を選び、生地を引っ張らずに縫うことが重要です。

また、ポロシャツは襟や前立ての仕様によって作り方が大きく異なります。

一般的な説明だけで製作を進めず、必ず使用する型紙の説明を優先してください。

初めて作る場合は、中厚手で伸びすぎない無地のニット生地と、台襟や脇スリットのないシンプルな型紙を選ぶと、失敗を減らしながらポロシャツ作りの基本を学べます。

以上、ポロシャツの作り方ついてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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