葬儀や通夜、告別式に雨天で参列する場合、傘は黒や濃紺、濃いグレーなどの落ち着いた色を選ぶのが基本です。
ただし、傘には喪服本体ほど厳格な決まりがあるわけではありません。
黒い傘を用意できない場合でも、派手さを抑えたものを選び、周囲を濡らさないよう丁寧に扱えば、大きなマナー違反になることはありません。
葬儀で使う傘は、色や柄だけでなく、会場での扱い方にも配慮することが大切です。
葬儀で使う傘に適した色
最も無難なのは黒い傘
葬儀で使う傘は、黒の無地が最も無難です。
黒い傘は喪服になじみやすく、周囲から浮きにくいため、弔事の場に適しています。
傘の生地だけでなく、持ち手や骨組みも黒や暗い色でまとまっていると、より落ち着いた印象になります。
ただし、持ち手が自然な木目調であったり、一般的な金属部分が見えていたりする程度であれば、特に問題ありません。
濃紺や濃いグレーでも問題ない
黒い傘がない場合は、濃紺やチャコールグレーなど、暗く控えめな色の傘でも差し支えありません。
遠目に見て目立たず、喪服から大きく浮かない色であれば、黒にこだわりすぎる必要はありません。
深緑や濃い茶色なども、全体として落ち着いた印象であれば使える場合がありますが、迷ったときは黒、濃紺、濃いグレーを選ぶと安心です。
透明のビニール傘も使用できる
透明のビニール傘も、葬儀で使用して問題ありません。
特に、急な雨や出先から直接参列する場合には、派手な色柄の傘よりも、無色透明で装飾のないビニール傘のほうが目立ちにくく、無難な選択です。
黒い傘を持っていないからといって、無理に高価な傘を購入する必要はありません。
透明のビニール傘であっても、清潔で破損のないものであれば十分です。
白や半透明の傘はデザインに注意する
白色そのものが、葬儀で一律に禁止されているわけではありません。
白や半透明の簡素なビニール傘であれば、黒い傘がない場合に使用しても差し支えないでしょう。
ただし、真っ白な布製の傘や、レース、フリルなどの装飾が目立つ傘は、黒い喪服の中で浮きやすくなります。
選べる状況であれば、黒や濃色、透明の傘を優先するのが無難です。
葬儀では避けたほうがよい傘
赤や黄色など鮮やかな色の傘
赤、黄色、ピンク、オレンジなど、鮮やかな色の傘は、葬儀の厳粛な雰囲気になじみにくいため、できるだけ避けましょう。
色そのものが禁止されているわけではありませんが、参列者の中で必要以上に目立つ可能性があります。
手元に複数の傘がある場合は、その中で最も暗く、落ち着いた色のものを選ぶのが適切です。
大きな柄やキャラクター柄の傘
大きな花柄、水玉、目立つストライプ、キャラクター柄なども、葬儀では避けたほうが無難です。
また、ブランドロゴが大きく入った傘も、弔事の場では目立つことがあります。
ただし、黒や濃紺を基調とした小さな柄で、全体として落ち着いて見えるものであれば、必ずしもマナー違反になるわけではありません。
選べる場合は、無地の傘を優先しましょう。
光沢や華美な装飾がある傘
ラメ入りの生地、金色や銀色の装飾、目立つフリル、ラインストーンなどが付いた傘は、弔事には向きません。
持ち手に大きな飾りが付いているものや、強い光沢があるものも、できるだけ避けましょう。
一般的な金属部品や控えめな装飾まで問題になるわけではありません。
全体として華美に見えないことが大切です。
長傘と折りたたみ傘はどちらでもよい
葬儀では、長傘と折りたたみ傘のどちらを使用しても問題ありません。
傘の形状よりも、色や柄が控えめであること、濡れた傘を適切に扱うことのほうが重要です。
長傘を使う場合
長傘は雨が強い日でも体や喪服を濡らしにくく、移動時に使いやすいのが利点です。
一方で、葬儀会場では黒や透明の傘が多く集まるため、取り違えには注意が必要です。
持ち手の内側に名前を書く、小さな黒やグレーの傘マーカーを付けるなど、外から目立たない方法で目印を付けておくと安心です。
折りたたみ傘を使う場合
黒や濃色の無地であれば、折りたたみ傘も問題なく使用できます。
式場に入る際は、傘の水気を静かに落とし、傘袋や吸水ケースに入れてからバッグに収納しましょう。
濡れたまま直接バッグへ入れると、香典、数珠、ハンカチなどが濡れたり、会場の床や座席を濡らしたりする可能性があります。
傘の持ち手や素材に関するマナー
持ち手は落ち着いた色が無難
持ち手も黒や暗い色であれば、傘全体に統一感が出ます。
ただし、焦げ茶色や自然な木目調など、控えめなデザインであれば問題ありません。
金色の装飾やラインストーン、大きなブランドロゴなど、華美で目立つデザインは避けましょう。
素材に特別な決まりはない
傘の素材に特別な決まりはありません。
ポリエステル製の傘でも、ビニール製の傘でも、色やデザインが控えめで、汚れや破損が目立たなければ使用できます。
葬儀用として高価な傘を用意する必要はありません。
価格やブランドよりも、清潔感があり、場の雰囲気を損なわないことが重要です。
式場に入る際の傘の扱い方
周囲を確認してから傘を閉じる
葬儀会場や斎場の入口付近では、屋根のある場所まで進んでから傘を閉じます。
ただし、入口が混雑している場合は、周囲の参列者との距離を確認し、傘が人に当たらないよう注意しましょう。
傘を閉じるときは、傘先や骨が後ろの人に当たらないよう、ゆっくり動かすことが大切です。
水滴を大きく振り払わない
傘を閉じたあと、左右に大きく振って水を切るのは避けましょう。
周囲の参列者の喪服や靴、会場の壁や床を濡らす可能性があります。
傘を下向きに持ち、周囲に人がいないことを確認したうえで、静かに水滴を落とします。
タオルや傘用の吸水ケースがある場合は、表面の水分を軽く拭き取ると安心です。
傘立てや傘袋は会場の案内に従う
会場に傘立てや傘袋が用意されている場合は、案内に従って利用します。
葬儀会場によっては、傘立てを利用する場合と、傘袋に入れて各自で持ち込む場合があります。
傘を受付台や椅子、通路に立てかけると、倒れたり、通行の妨げになったりするため避けましょう。
折りたたみ傘を自分で管理する場合も、必ず傘袋や吸水ケースに入れてください。
傘の取り違えを防ぐ方法
葬儀会場では、黒い傘や透明のビニール傘が多く集まるため、取り違えが起こりやすくなります。
目立つ色のチャームや大きな飾りは弔事の場で浮くことがあるため、次のような控えめな方法がおすすめです。
持ち手の内側に名前を書く
持ち手の内側や傘の留め具の裏など、外から見えにくい場所に名前を書いておくと、取り違えを防ぎやすくなります。
大きく名前を書く必要はなく、自分で確認できる程度で十分です。
控えめな目印を付ける
黒やグレーの小さな傘マーカー、細いテープなどを付ける方法もあります。
ただし、赤や黄色などの目立つ飾りは避け、喪服になじむ控えめなものを選びましょう。
大切な傘は特徴を確認しておく
高価な傘や大切な傘を持参する場合は、持ち手の形、留め具、ブランドロゴの位置などを事前に確認しておくと安心です。
葬儀専用の傘を用意する必要はありませんが、取り違えが心配な場合は、比較的シンプルな傘を使うのも一つの方法です。
車で葬儀場へ行く場合も傘を用意する
自家用車やタクシーで葬儀場へ向かう場合でも、雨の予報があるときは傘を用意しておきましょう。
駐車場から式場の入口まで距離があることや、出棺、火葬場への移動、墓地での納骨などで屋外を歩くことがあります。
喪服が濡れると体が冷えるだけでなく、濡れた状態で会場に入ることで、床や座席を濡らしてしまう可能性もあります。
車内には、濡れた傘を入れる傘袋やタオルを用意しておくと便利です。
子どもが使う傘のマナー
子どもの傘も、可能であれば黒、紺、グレーなどの落ち着いた色を選ぶのが無難です。
ただし、子ども用の黒い傘を持っていない場合に、普段使っている明るい色の傘を使用したからといって、それだけで重大なマナー違反になるわけではありません。
可能であれば控えめなデザインを選ぶ
複数の傘から選べる場合は、次のようなものが適しています。
- 黒、紺、グレーなどの落ち着いた色
- 無地または柄が小さいもの
- 大きなキャラクターが目立たないもの
- 強い光や音が出ないもの
子ども用の傘では、安全性や使いやすさも重要です。
雨天時は安全を優先する
暗い雨の日や交通量の多い道路では、子どもの視認性を確保することも大切です。
落ち着いた色の傘を用意できれば理想的ですが、安全面に不安がある場合は、無理に黒一色へ統一する必要はありません。
年齢や移動経路に応じて、弔事の配慮と安全性の両方を考えましょう。
葬儀で日傘を使ってもよいか
夏場の葬儀や墓地への移動など、屋外で長時間過ごす場合は、熱中症対策として日傘を使用しても差し支えありません。
特に、高齢者、妊娠中の人、体調に不安がある人は、無理をせず健康面を優先することが大切です。
日傘も落ち着いた色を選ぶ
日傘も、黒、濃紺、グレーなどの無地で、装飾の少ないものが無難です。
白いレース、華やかな花柄、大きなフリルなどが付いた日傘は、弔事の場では目立ちやすいため、可能であれば避けましょう。
黒い晴雨兼用傘を一本持っておくと、葬儀だけでなく、法事やそのほかのフォーマルな場でも使えます。
混雑時や儀式中は周囲に配慮する
日傘を使用するときは、周囲の人の視界を遮ったり、傘先が人に当たったりしないよう注意が必要です。
出棺や納骨などで参列者が集まる場面では、周囲の状況を見ながら、日傘の位置や角度に配慮しましょう。
会場スタッフや係員から案内がある場合は、その指示に従ってください。
雨天時はレインコートを着てもよい
雨が強い場合は、傘に加えてレインコートを着用しても問題ありません。
可能であれば、黒、濃紺、グレーなどの落ち着いた色で、ロゴや装飾の少ないものを選びましょう。
ただし、急な雨や安全上の事情がある場合に、明るい色のレインコートを着たことだけで重大なマナー違反になるわけではありません。
会場に入る前に脱ぐ
レインコートは、基本的に屋外での移動用です。
式場に入る前に脱ぎ、濡れた面を内側にまとめて、ビニール袋や専用ケースに収納しましょう。
濡れたレインコートを着たまま会場に入ると、座席や床、周囲の参列者を濡らす可能性があります。
適切な傘がない場合の対処法
黒い傘を持っていないからといって、葬儀への参列を控える必要はありません。
用意できる範囲で、次の順に検討するとよいでしょう。
手持ちの落ち着いた色を選ぶ
まずは、手持ちの中に黒、濃紺、濃いグレーなどの傘がないか確認します。
無地でなくても、柄が小さく、全体として目立たないものであれば使用できます。
家族などから借りる
時間に余裕がある場合は、家族や同居人から落ち着いた色の傘を借りる方法もあります。
ただし、傘を用意するために葬儀へ遅れることがないよう注意しましょう。
透明のビニール傘を使う
近くのコンビニや売店で購入できる透明のビニール傘も、葬儀で使用できます。
急な雨の場合には、無理に黒い傘を探し回るより、透明の傘を用意して時間に余裕を持って参列するほうが適切です。
手持ちの中で最も目立たない傘を使う
どうしても落ち着いた色や透明の傘を用意できない場合は、手持ちの中で最も地味で、装飾の少ないものを選びましょう。
傘の色を完璧にそろえることよりも、故人を悼み、遺族や周囲に配慮した態度で参列することのほうが重要です。
葬儀用の傘を選ぶ際のチェックポイント
葬儀や法事に備えて傘を一本用意する場合は、次の条件を目安にするとよいでしょう。
色とデザイン
- 黒、濃紺、濃いグレーなどの落ち着いた色
- 透明または半透明の簡素なビニール傘
- 無地または目立たない小さな柄
- 大きなロゴやキャラクターがない
- ラメやフリルなどの華美な装飾がない
状態と使いやすさ
- 汚れや破れが目立たない
- 骨が折れていない
- 持ち手や金具が華美ではない
- 折りたたみ傘の場合は傘袋がある
- 濡れた傘を収納できるケースを用意できる
葬儀専用の高価な傘を購入する必要はありません。
ビジネスや普段のフォーマルな場でも使える、シンプルな黒い傘を一本持っておくと便利です。
喪服を着る際の傘に関するよくある質問
黒い傘でなければマナー違反になる?
黒い傘が最も無難ですが、黒でなければマナー違反になるわけではありません。
濃紺、濃いグレー、透明など、落ち着いた傘であれば問題なく使用できます。
透明のビニール傘は失礼?
透明のビニール傘は失礼には当たりません。
急な雨や出先から参列する場合にも使いやすく、派手な色柄の傘よりも目立ちにくいため、現実的な選択肢です。
派手な傘しかない場合はどうする?
時間に余裕があれば、透明のビニール傘を購入するか、家族から落ち着いた色の傘を借りるとよいでしょう。
用意できない場合は、手持ちの中で最も目立たない傘を使用し、必要以上に不安になる必要はありません。
折りたたみ傘をバッグに入れてもよい?
傘袋や吸水ケースに入れていれば、バッグに収納しても問題ありません。
濡れたまま直接入れると、香典や数珠、会場内の備品を濡らす可能性があるため注意しましょう。
葬儀専用の傘は必要?
葬儀専用の傘を用意する必要はありません。
黒や濃紺のシンプルな傘であれば、仕事、法事、式典など、さまざまな場面で兼用できます。
まとめ
喪服を着る際の傘は、黒の無地が最も無難です。
黒い傘がない場合は、濃紺や濃いグレーなどの落ち着いた色を選びましょう。
透明のビニール傘も、葬儀で使用して問題ありません。
一方、赤や黄色などの鮮やかな色、大きな柄、キャラクター、ラメやフリルなどの華美な装飾は、可能であれば避けるのが適切です。
また、傘の色やデザインだけでなく、会場での扱い方も重要です。
入口で水滴を大きく振り払わない、傘立てや傘袋は会場の案内に従う、周囲の人や床を濡らさないといった配慮を心がけましょう。
葬儀において最も大切なのは、傘の色を完璧にそろえることではありません。
故人を悼む気持ちを持ち、遺族や周囲に配慮しながら、落ち着いて参列することが基本です。
以上、喪服を着る際の傘のマナーについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。










