「平服でお越しください」という案内を受け取った際、「普段着でいいのだろうか」「どこまでカジュアルにしてよいのか」と迷う人は少なくありません。
しかし、ドレスコードとして使われる平服は、日常的に着る服を指す言葉ではありません。
むしろその正反対で、一定の社会的マナーと配慮が前提となる装いを意味します。
平服の正しい定義
ドレスコードにおける平服とは、「礼装ほど格式張らないが、場に対する敬意をきちんと示した服装」を指します。
服装区分で言えば、略礼装(インフォーマル)に相当する位置づけと考えるのが最も近い解釈です。
重要なのは次の点です。
- 平服=普段着ではない
- 平服=自由な服装、という意味でもない
- 社会的な場にふさわしい「きちんと感」が求められる
「堅苦しい正装は不要ですが、常識的な装いで」という、主催者側の配慮表現として使われることが多い言葉です。
なぜ平服は誤解されやすいのか
平服という言葉が混乱を招く理由は、主に以下の3点にあります。
言葉の印象が「普段着」を連想させる
「平」という字から「日常」「ラフ」というイメージを抱きやすく、本来の意味とのズレが生じやすい。
主催者が明確な線引きを避けるために使う
「スーツ必須」「礼服着用」と断言せず、参加者の判断に委ねるための柔らかい表現として使われる。
日本特有の“空気を読む”文化
服装マナーを明文化せず、常識的な判断が前提になるため、人によって解釈がばらつく。
平服が指定される主なシーン
平服は、以下のようなフォーマルとカジュアルの中間に位置する場で指定されることが多くなっています。
- 法事や追悼行事後の会食
- 結婚式の二次会や親族中心の食事会
- 会社関係の懇親会・記念行事
- 講演会や式典後のレセプション
- 同窓会など、やや公的性質のある集まり
ただし、ここで最も重要なのは、その場が「慶事」なのか「弔事」なのかによって、平服の方向性が変わるという点です。
慶事と弔事で異なる平服の考え方
慶事(結婚・祝賀行事など)の平服
- 略礼装〜きれいめセミフォーマル
- 落ち着きの中に、控えめな華やかさを含めてもよい
- ただし派手すぎる装い、カジュアルすぎる服装は避ける
弔事(法事・追悼行事など)の平服
- 略喪服に近い装い
- 黒・濃紺・グレーなどの落ち着いた色合い
- 光沢素材、華美な装飾、明るすぎる色は避ける
同じ「平服」という指定であっても、場の性質に服装を寄せることがマナーの核心です。
男性の平服の考え方
男性の場合、基本はジャケットを軸にしたきれいめな服装です。
- ジャケット(ネイビー・グレーなど)
- 襟付きシャツ
- スラックス、またはきれいめなパンツ
- 革靴
ネクタイは必須ではありませんが、迷う場合は持参し、会場の雰囲気に応じて外すのが無難です。
女性の平服の考え方
女性は、上品さと控えめさが最も重要なポイントになります。
- 膝丈〜ミモレ丈のワンピース
- ブラウスとスカート、またはパンツのセットアップ
- 肌の露出を抑えたデザイン
- 落ち着いた色味
アクセサリーは最小限にとどめ、全体として「静かなきちんと感」を意識すると失敗しません。
平服で避けるべき服装
男女共通
- Tシャツ、パーカーなどのラフなトップス
- デニム(特にダメージ加工)
- スニーカー、サンダル
- 派手な色、過度なロゴや装飾
女性の場合
- ミニスカート
- 胸元や背中が大きく開いた服
- 弔事での華美な色や素材
迷ったときの判断基準
判断に迷った場合は、次の視点が非常に有効です。
「この服装で、目上の人や年配の方に会って失礼に感じられないか」
この基準をクリアしていれば、平服として問題になることはほぼありません。
なお、
少しきちんとしすぎる → 失礼にはならない
ラフすぎる → 確実に浮く
という点は、ほぼすべての場で共通しています。
まとめ
- 平服は普段着ではない
- ドレスコード上は略礼装(インフォーマル)にあたる
- 慶事と弔事で服装の方向性は変わる
- 迷ったら「控えめ・上品・清潔感」を優先する
この理解を押さえておけば、「平服」で悩む場面は大きく減るはずです。
以上、ドレスコードの平服についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
